8 闇ギルド
闇ギルド。
何事にも表があれば裏がある。
異世界であっても例外じゃない。
闇ギルドという所謂犯罪ギルドだ。
その話をしているのはエルフの少年コロンだ。
話し出すと止まらない。日が昇り始め彼の赤茶色の髪と赤い目がより一層綺麗に見えた。
「というわけでこの世界を良くしていくにはまず、闇ギルドの消滅だと思うんです。」
「なるほど・・・・・・」
そう眠そうに反応したのはスグルだ。
彼は丁度いい長さの黒髪でどこにでもいそうな人間だ。
顔も普通。
隣で自分の尻尾を枕にして寝ているのはアンジェロ。通称アンだ。
彼女は狐のような尻尾と耳を持っているビースト系の種族だ。
反応しそうにないくらいの熟睡だ。
このギルドのお母さん的存在である。
スグルの反対隣りで睡魔との戦いの真っ只中の少女はレーヌ。
種族はまだ明かしてくれないが見た目は人間と何ら変わりはない。
気が強くて男っぽい一面がある。
「聞いてましたか~?」
話終わって満足気なコロンが聞く。
「あ、ああそうだな。そうしよう」
「それでしたら次は現在存在が確認されている闇ギルドのデータを・・・・・・」
話には終わりはないらしい。
レーヌは隣で今睡魔に負けていた。
スグルは半開きの目でレーヌとアンを交互に見た。
そして、スグルは・・・・・・目を閉じた。
「ちょっと皆さん、ねえ、ねえってばーーー!!」
大きな声が朝の綺麗な青空に飛んで行った。
流石に観客がいなくなったコロンにも睡魔が襲ってきたらしい。
秒で落ちた。
■ ■ ■
空が茜色に染まり始めるころ四人は目を覚ました。
ガタン!ガタン!ガッ!ガタン!
「起きろ!おかしい」
現状に受け止めスグルは声をかける。
「なんで乗り物に乗ってるのよ!」
「俺に聞かれても・・・・・・」
「あんた起きてたじゃない!」
「いや・・・・・・」
「なんで寝たのよ!」
女はどこの世界でもつくづく自分に都合の良い生き物だ。
そう実感するスグル。
「とりあえず飛び降りるわよ」
「そうですよ、喧嘩してる場合じゃないですって」
「「あ?」」
コロンを睨む二人。
年下に言われブチッて来たのだろう。
「すいませ・・・・・・」
言い終わる前にダブル飛び膝蹴りが飛んできた。
そのままバキバキバキ!木の壁をコロンでぶち破り脱出した。
キキーーー!!
脱出が気づかれたのか乗り物も止まった。
見ると馬車だった。
「おいおい、なに壊してくれとるんじゃい!」
ムッキムキの兄ちゃんが降りてきた。
「・・・・・・」
「なんだ?警戒してんのか?」
コロンは饒舌キャラが影を潜めガタガタ恐怖で怯えていた。
そこまで悪い奴ではないと思ったスグルは聞いた。
「なんで俺たちは乗せられてたんですか?」
怖かった場合に備えて丁寧に聞いた。
「だって、あんなところで寝てるからじゃろ。家ないんだと思って町まで連れてく気だったんじゃよ」
「めっちゃいい人じゃん!」
「そじゃろ、そじゃろ~」
「壊しちゃってごめんなさい」
「ええって、なんだったら町まで乗っけてってやんよ」
「ぜひ!!」
よっぽど歩くのに疲れたのか断る理由なしって顔でレーヌは言った。
「そうね」
アンもそういう。
「・・・・・・じゃあ、お言葉に甘えて」
いい人だが何か引っかかるスグル。
ブツブツ頭の中で考えながら壁が破損して景色が見やすくなった馬車に乗り込んだ。
ガタン、ガタン!
馬車が動き出す。
スグルは引っかかっていたことが一つの結論にたどり着いたのか今は落ち着いていた。
そう、今は。




