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第4話

松岡が幼馴染の尊子に告白するとカミングアウトされ、それを聞いて和恵はどこかに行ってしまった。

正直はそれを気にもとめず、正通と松岡の告白が成功するか賭けをした

 その後はいつものように、授業は寝倒して放課後を迎えた。

 そう言えば和恵はまだ戻ってきていないな。

 終わるまでに戻ってくるとか言っておいて、まさか何かあったのか?

 万が一和恵が戻ってきても、まだ帰ってないことを知らせるため、鞄は机の上に置きっぱなしで教室を出た。

 ってか今思えば、あんな小さいの探しようがないじゃねぇか。

 廊下の隅々まで見ながら歩いてるが、見つかる気配は一向にない。

「正直、こんな所にいたのかよ。ちょっとこいよ」

 っと正通に強引に腕を引っ張られ、連れてこられたのは裏校舎の3階だ。

 俺たち以外にいろんな野次馬に似たような奴が集まっていた。

「ほれ、あそこ」

 正通が窓から顔を出し、下の方を指を指した。

 その指の先には松岡と尊子がいた。

 お、いよいよ賭けの結果がわかるってことか。

 でもここからじゃ全く声が聞こえない。

「ほら、これ付けろ」

 渡されたのは小さいイヤホンだ。

「なんだこれは?」

「新聞部から借りてきた盗聴器だ」

 こんなんで情報を集めてたのか。

 それより早く聞かないと肝心な所をききそびれちまう。

 俺は急いで耳にその小型イヤホンをセットした。

「ごめんなさい。今はまだ返事はできない・・・」

 しまった、告白の場面をききそびれてしまった。

「すぐに返事しなくてもいいよ。俺はいつまでも待ってるからさ」

 っと満面の笑みで尊子に手を振りながらその場を去った。

 相変わらずキザな野郎だ。

「賭けの件は延長だな」

 小型イヤホンをはずし、正通に返した。

尊子(そんこ)だったら、キッパリ嫌っていうと思ったんだけどな」

 っと腕を組みながら、正通は真剣に考えていた。

 あいつも女ってことだろ。

 色男に告白されて落ちない女など、女ではない。

 いけね、変なことを力説するよりも和恵を探さなくちゃ。

 とりあえず、教室に戻ってるかもしれないし、一旦戻るか。


 教室に戻る途中何故か足が止まった。

 目の前にあるのは図書室だ。

「和恵の最後の記憶ってここなんだよな」

 意味もなくドアノブに手をかけて鍵がかかっているか確かめた。

 開いている。

 普段開いているのかは知らないが、俺が足を踏み入れたのは高校生活3年の内初めてだ。

 それほどこの図書館に来る人はいないってことになる。

 本棚も机もこげ茶色の木造で既にボロボロだ。

 でも妙に違和感がある。

 ここまでボロボロで、あまり読まれなさそうな本がたくさん並んでいるのにホコリとか全く溜まっていない。

 聞いた話では図書委員は名前だけであって、やることは全くないから、ほぼやる気のない奴が任命されている。

 じゃあ何で・・・

「誰かいるのですか?」

 ドアの方から女の人の声が響いてきた。

「あ、はい。いますぐ出ますので」

 声の正体は図書委員の先生の奥村先生だ。

 髪型は茶色のセミロングで20代前半という、学校1若い先生だ。

 この学校の男子生徒だったら、知らない奴は絶対にいないと断言できる。

「なんだ、藤原君か」

「なんだとはなんですか」

 ん?なんで奥村先生は俺の名前を知ってるんだ?

 この図書室に足を運んだのは初めてなのに。

「ごめんごめん。てっきり鍵が開いてたから、岸本さんが戻ってきたのかと思っちゃってね」

 愛想笑いで返される。

 でもそれがまたいい。

「先生、普段ここの鍵って開いてないのですか?」

「えぇ、鍵は私と、岸本さんの二人しか持ってないからね。

もう1つの鍵、岸本さんが持ってるから、もう1個合鍵作らなきゃいけないわね」

「そうですか・・・ん?二人しか持ってない?先生、今日ここの鍵開けたのは先生ですか?」

「いいえ、私じゃないから、岸本さんが・・・・」

 一体どういうことだ。

 和恵はここの鍵なんか持ってなかったぞ。

 俺とあの姿で初めて会った時から、何も身に付けていなかった。

 そう言えば和恵の所持品は今はどこにあるんだ。

 俺は振り返って、図書室を隅から隅まで眺めた。

 ここから動いた記憶がないのだとしたら、残っているはずだ。

 それがないってことは・・・・

 今まで気にも留めなかったが、おかしい所だらけだ。

 俺は普段全く使わない頭を、フル回転させて考えていると、奥村先生がちょうど図書館の真ん中の窓際の席に座った。

「ここがいつも彼女が座ってる場所なの」

「いつもというと?」

 俺は先生の迎いの席座った。

「毎日。それで、今藤原君が座っている場所が私の席。そしていつも彼女と他愛もない話をしてたの。

一昨日は、藤原君に告白された話だったわ」

 っな、和恵のやつそんなことを喋ったのか。

「彼女すごい悩んでたわ。いつもならあんなに未練とか残さない子なのに」

「未練ですか・・・」

 和恵は松岡のことが好きだったに違いない。

 だから俺の告白を断った。

 なのに何で・・・・

 あ〜いろんな謎が混ざり合って、何がなんだかわからなくなってきたぞ。

「あら、かわいい。どこかで迷子になったのかしら」

 先生は床から何かを拾い上げ、机の上に乗せた。

「あ、かず・・クルル。どこにいたんだよ」

 俺は和恵に手を差し伸べた。

 和恵は何も言わずに俺の手を渡り、肩の上に乗った。

「あ、それ藤原君のだったんだ。へぇ、クルルって言うんだ」

「はい、すみません。学校に連れてきてしまって」

「私は全然構わないから大丈夫よ。他の先生には気をつけないとね」

「わかりました。それじゃあ俺はこれで」

「さようなら。また明日ね」

 そう言って図書館を後にした。


 なんか自分的には不思議な体験をしたみたいだった。

 どうして図書館なんかに足を運んだのかわからないが、もしかして、この謎を俺に解けと?

 そんなわけないな。

 ただの偶然だ。

「そういや、今までどこにいたんだ?」

 肩に乗っかってい和恵に話し掛ける。

「・・・・」

 なんの言葉も返ってこない。

 鞄を取りに教室に戻り、靴を履き替え、校門を出ようとしたとき、やっと和恵が口を開いた。

「お願いがあるんだけどいい?」

「あぁ」

「私の家に寄ってほしいの」

「そうか」

 俺はあえて理由は聞かず、俺の家とは反対の和恵の家に向かった。


暑いですね。今年は特に・・・・

ここ1ヶ月熱中症で死んでました。いや、冗談抜きでマジでw

これから今までの遅れた分を挽回していきたいと思いますので応援ヨロシクお願いします!

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