第5話 風邪って久しぶりに引くと辛いよね
どうも6ヶ月程、投稿していませんでしたが、これからも東方妖卿伝をよろしくお願いいたします!
本当に投稿遅れてすみません。
では、本編をどうぞ。
今日は雨が激しく降り注ぐ幻想郷。
ザァーと音をたて、たまに雷の音が鳴り響きカッと閃光を放つ。
この日、ある男はベットの上で倒れていた。
「ッ!ゴホッゴホ!!あ~、辛いな」
咳き込みながらそんなこと言ったのは、魔法の森に住んでいるレオ・マッドだった。
どうやら風邪をこじらせたようだ。
咳が止まらないせいで、ここ一時間くらいずっと咳しっぱなし。
さらに高熱があるせいか、寝間着である青いパジャマが汗を大量に吸っていて気持ち悪いので、着替えようとしたが、身体が言う事を聞いてくれないせいでうまく動けない。
「風邪引くなんて・・・何年振りだ?」
彼自身はかれこれ数百年以上は生きているが、風邪を引いたというイベントは過去に一、二回といったところなので、本人的にはいつ引いたのか、また引いたことが本当にあったのかがあやふやでよく思い出せないくらいだ。
「ゴホッゴホッ!あ~、不味い・・頭回らない」
「おーす!!今日も魔導書読みに来た・・・ぜ?」
ドン!と家の扉が開くと、雨に濡れた魔理沙がいつも通りに入ってきた。
が魔理沙はレオの姿を見るとその場で固まってしまった。
何故なら、
「よう、魔理沙。どうした、そんな、鳩が豆鉄砲喰らった見たいな顔して?」
ベッドから起き上がれずに上半身だけ起こし、ハァハァと息が荒くなりながら苦しそうなレオの姿が魔理沙の目に写ったからだ。
対するレイは無理矢理身体を起こしていつも通りに接した。
「おいレオ!どうしたんだよ!?」
魔理沙はこんな姿のレオを見たことがなかったため焦った。
魔理沙は、レイに近づいた。
レオは魔理沙にお茶を淹れようと怠い身体動かしながらベッドから降りるが、
「いや、普通に風邪を引い・・・、はっ、ハックション!!!!」
レオはくしゃみをすると、バタッと布団にうつ伏せに力なく倒れた。
「いや、普通の風邪より酷そうだぞ!?」
「・・・・・・・・・・・・」
魔理沙はレオが反応しないため話し掛けた。
「おいレオ?」
「・・・」
が、話し掛けたのに反応がないことを不思議に思った魔理沙はレオの肩を軽く揺さぶりながらもう一度話し掛けた。
「あれ?おーいレオ?レオ?おい!返事しろ!!」
魔理沙はレオの肩を少し揺さぶってみたが全然反応せず、うつ伏せになってベッドに倒れたレオの顔見るため優しくひっくり返して見ると、顔色が徐々に青くなっていき息も荒くなっていた
魔理沙は不味いと思い、レオの部屋から適当なローブを見つけ、レオに頭かけてから魔法で浮かせてさらに雨をある程度遮断する術をレオに掛けて自分の背中におぶせ、上手く片手で箒に股がり急いである場所に向かった。
「少しだけ辛抱してくれよ!!」
魔理沙はレオに気を使いながら急いで目的の場所に向かった。
ところ変わってここは、竹林が生い茂っていて来た者を迷わす、迷いの竹林にある永遠亭。
「あー疲れたわ。全く、どうしてこうも患者が来るのかしら?私は医者じゃないのに」
すんなぼやきを呟いたのはに永遠亭に住んでおり、月の煩悩と呼ばれ赤と青で半分になっている奇妙な服装に綺麗な白髪、八意永琳である。
元々彼女は月に住んでいたがこの地上で暮らしている。
彼女は薬師であるが何を間違えられたのか、人里では医者と呼ばれている。
その為稀に迷いの竹林まで足を運んで来る患者を豊富な知識や経験で診断している。
「嫌な雨・・・何かありそうね」
永琳が窓から空を見ながら呟いていると、廊下をドタドタと誰かが走って来る音が聞こえた。
バン!!
「師匠!!!」
「あらうどんげ、どうしたのそんなに慌て?」
慌てた様子で部屋に入ってきたのは兎耳を生やしている助手の鈴仙・優曇華院・イナバだった。
彼女は月に住んでいた兎で、ちょっとした理由でこの地上に降りてきて今はこの永遠亭に住みながら永琳の助手をしている。
ちなみに服装は何故かブレザーを着ている。
そして皆からうどんげと呼ばれている。
「患者ですよ師匠!しかも見ただけでかなり重症そうですから早く来てください!!」
「あらあら、そんなに慌ても何も始まらないわよ」
永琳は慌てているうどんげを落ち着かせながら、何があったのかを聞いた。
ぶちゃっけ幻想卿の住民は頑丈なのか、余り風邪などまたは思い病気にはかからないので、重病と言っても余り心配する事はないためのんびりしてしまう。
が、
「いや師匠、落ち着いている場合じゃないですよ!!早く玄関まで来て下さい!!」
「・・ええ、わかったわ」
うどんげの真剣な顔を見て、何かを察した永琳は医療キットを持ち急いで二人揃って玄関まで向かった。
「永琳!早く、早くレオの事を診てくれ!!」
二人が玄関に着くとそこにはビシャビシャになりながらもレオを抱えている魔理沙と余り濡れていないが明らかに顔色が悪いレオがいた。
永琳はすぐさまレオの身体に触れながらうどんげに指示を飛ばし治療を始めた
そして・・・・・
「心配かけて悪かったな」
永遠亭のある部屋に、布団に入っており昨日の事が嘘みたいに顔色が良くなったレオとレオを連れて来てそのまま看病していた魔理沙と診断に来た永琳がそこに座っていた。
どうやらレオはまだ身体を動かすまでは回復していないようだ。
動かそうとするとプルプルと震え、身体を起こそうとしても起こせない。
「しかし、まさか毒キノコに当たるとは」
永琳の診断の結果、魔法の森に生えるあるキノコの胞子に含まれる毒のせいだった。
この毒キノコの効果は胞子を吸うと最初は咳が止まらず徐々に熱が上がり、症状が進むにつれ最初は麻痺のような状態から体が全くというほど動かなくなり、最終的には体が石のように硬くなり心臓が止まり死ぬ。
という珍しいキノコの胞子なのだ。
今まで研究に没頭していたレオはある日研究のために採取したキノコがこの毒の胞子を持っていたのを知らずに顔を近付いてじっくり観察していたのため胞子を吸ってしまったのが原因だった。
しかしこのキノコ、魔法の森のある一部の洞窟の隅に1,2本くらいしか生えていない珍しいものだ。
なのでよほどの事がない限り胞子を吸い込む事はない。
「良かったわね。後少し遅かったら貴方死んでたわよ」
そう言いながら永琳はレオの体を診断している。
一応この胞子は貴重なため、永琳は実験に使えるのではないかとかなり昔、ある男に採取してもらったンプルを持っておったため、その胞子を身体から抜く抗生剤を作って置いていたものを今回オに処方した。
ちなみにレオの症状は身体が動かせなくなった処まで症状が進んでいたため、もう少し運ばれてくるのが遅かったら心臓が止まり死んでいた。
「あ~、今回は助かった。ありがとう魔理沙」
レオは魔理沙の方に顔だけ向けて照れくさそうに礼を言った。
「まぁ気にするなよ。確かに私もビックリしたが、助かってよかったぜ」
するとレオに礼を言われ、内心ドキドキした魔理沙も照れくさそうに言った。
「今度何か奢ってやる」
レオがそう言うと、魔理沙は一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔で、
「本当か?なら早く治せよ」
と少し頬が紅く染ながらそう言ってそそくさと部屋を出ていった。
「あらあら、照れたのかしら?」
永琳はクスクスと笑いながら魔理沙が出ていくのを見守った。
「分かってる癖に」
「ふふふ」
「まぁ、今は本当に早く治さないとな」
レオは早く身体を動かせるようになるまで永遠亭で療養する事になった。
しかしレオはふと感じた。
何か嫌な予感がすると。
「さて、ここにいる間はしっかりと治して貰いますからね♪」
そう言うと永琳は両手をワキワキと動かしながらレオに近づいて行った。
「ちょっと待て。どこ触ってる、そこはちょ、あーーーーーーーーーーーー!」
「師匠~、頼まれおいた物持ってきたって、何してるんですか師匠ー!?」
・・・・・治すのに、レオにとって何か大事なものが失われそうになったことをここに記す。
ちなみに部屋の近くを歩っていた耳にうどんげ同様に兎耳を生やしてこの永遠亭に住んでいるてゐは、
「こりゃ、久しぶりに家が騒がしくなるね」
と言って我関せずといった具合で口笛を吹きながら部屋の近くを通り過ぎていくのだった。
レオが永遠亭で療養してから約2週間後、
「・・・暇だったな。いや、ある意味疲れた」
永遠亭の玄関でレオは背伸びをしながらそう言うと、見送りにきた永琳に、
「早く行きなさい」
急かされる。
あれからレオの永琳の治療のおかげで体は治った。
だが基本的に寝ているばかりだったので体が重く感じてダルい。
というか今だに体の痺れは完全に治っていない。
若干手足が痺れて震える程度だが。
それでも粗方体は動かせるので今日退院を許された。
「世話になったな」
レオは永琳にお礼を言ったが永琳は、
「はいはい」
と流した。
レオは永遠亭を出て迷いの森を永遠亭に住み着いているウサギに道案内を頼み自宅に戻って行った。
そして戻る際、レオはある場所に向かった。
「あー、久しぶりに戻った感じがするな」
レオは家に着くとすぐに掃除を始めた。
何せ2週間近く家に帰れず、家はそのままの状態だったので埃などが溜まっていた。
少し面倒臭そうに溜息を吐くと、とりあえず部屋に溜まった埃やゴミを片づけるため掃除を開始した。
「あ~、終わった終わった。しかし、ここまで汚れるとは」
今度からはこまめに掃除をしようと心の中で決めたレオは一服するため紅茶を呑もうと思い、いつも紅茶の葉が仕舞ってある筒の蓋を開けると、
「・・・茶葉が全然ない」
筒の中には茶葉が無ければ紅茶が飲めないので、
「仕方がない。アリスの所に行こう」
紅茶の茶葉をたくさん持っているアリスの所に向かうことにした。
しばらくして歩いているとアリスの家に着いた。
コンコン
「はい、どちら様で」
「茶葉を分けてくれ」
アリスが扉を開けると、そこには2週間近く連絡がなかったレオがそこにいた。
「はぁ、分かったわ。上がりなさい、その間にいつもの茶葉を用意してあげるから」
アリスは溜息を吐きながらキッチンに向かい、レオは家に入るといつもと同じようにソファーに座る。
(まったく、連絡くらいよこしなさいよ・・・馬鹿レオ)
一応アリスは魔理沙からレオが倒れて永遠亭で治療している事は聞いていたが、直ぐ治るものだと思って3日経ってレオの家に行ったが居らず心配した。
アリスはレオに茶葉と紅茶を出し呑み始めた。
「・・・心配掛けて悪かったな」
レオはボソッと言った。
アリスはいきなり言われたため少しドキッとしたが、すぐに冷静になり、
「全く気をつけなさいよ・・バカ」
そして二人は紅茶の味を、静かに楽しんだのだった。
ちなみに魔理沙は、
「どうしよう、どんな顔してレオと出掛ければいいんだ!?」
そんなことを家で実験もしないで、2週間ずっと考えていたのだった。
今日の博霊神社には参拝客が誰も来ていない。
なぜなら今日は雨が降っているから。
と言いたいが実際雨降ろうが降らまいが同じだ。
相変わらず誰も参拝客は来ない。
そんな博霊神社に住んでいる幸也に異変が起ころうとしていた。
「あ~、あ~、ヴぁ~、ン、ン、なんか喉が痛い。な~、霊夢~、喉の薬どこにあるか知らないか~?」
幸也はいつも通りに居間でだらだらと仰向けになりながら過ごしており、昼を食べ終えた後位から喉の痛みに気が付き特に気にしていなかったが今頃になって痛みが治まらずイライラしてきた。
なので薬を飲めば痛みも和らぐと思い霊夢に聞いた。
「箪笥の上に置いてある薬箱に入ってなかったかしら?」
同じように居間で茶をススりながらだらだらと過ごしていた霊夢は幸也に薬の在処を教えた。
ちなみに薬箱にはある程度の怪我や病気に備えられるようにしてある。
薬自体は、定期的に村に薬を売りにやってくるうどんげから買っている。
「あ~あったあった。さてこれ飲めば治るだろう」
幸也は薬箱から薬をとり、霊夢がまだ飲み終えてないお茶を水がわりにして飲もうとした。
が、
「ちょっと!勝手に私のお茶飲まないでよ」
霊夢は顔を紅く染め、台を思いっきり叩いて幸也に注意した。
「いいじゃんいいじゃん。俺とお前の仲だろ?」
そう言うと幸也は一気に粉末状の薬を口に入れ、お茶で流した。
だがこの時、まさかあんな事になろうとは、二人は、知るよしもなかった。
しかし、最近の暑さは以上でしたね。
まぁ、最近時間が作れるようになったので遅れを取り戻す感じで小説を書いていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
ではでは、また次回にお会いしましょう。