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第2話 さて・・今日はどうすっかな

どうもこんばんわ。

今回は少し長くなりましたが楽しんでいってください(笑)

ここは博麗神社。

その一室に、居候で住み着いている半人半妖である紅幸也が眠ていた。


 「・・ん、起きますか」


彼は起きるとすぐさま顔を洗って目を完全に覚ましいつもの服装に着替え、朝食の準備に取りかかる。

ちなみに現在の時刻はAM7時半である。

ちょっと遅い感じがするが、何時もこの時間帯に起きるのだ。


 「さて、朝食を作るか」


いつもは霊夢が幸也より早く起きて朝食を作るが、どうやら今日は幸也の方が起きたのが早かった。


 「あぁ、まだ寝たりねーな。・・・・寝みぃ」


愚痴っても仕方ないと思いながら、自分が作らないと飯が食えないと割り切り朝食を作るのだった。


(さて、今日は普通に飯と目玉焼きと漬け物でいいか)


大体のメニューが決まったところで調理を開始した。

ちなみに幸也が朝食を作るのは少し珍しい。

幸也が台所で朝食を作っていると、誰かが台所に侵入してきた。


 「あら幸也。今日は早いじゃない?・・・槍が降るわね」


 「おはようさん霊夢。そして槍なんて降らない」


いつの間にか台所に来ていたのは、この神社の巫女さんである博麗霊夢であった。


 「今日は何かあるかもね」


 「そんなに俺が早くお起てるのが可笑しいか?」


幸也は頭をポリポリと掻きながら霊夢に訊ねた。


 「可笑しいわね」


霊夢は可愛らしく人差し指を唇にあてながら即答した。


 「酷いな霊夢。俺だって早く起きれるっつーの」


 「それじゃ、今度から早く起きてみなさいよ?」


 「それが出来たら苦労しないっつーの」


幸也は朝に弱く、起きたとしても寝ぼけているのでほぼ早く起きるのは無理なのだ。

そんな会話をしているといつの間にか朝食を作り終えたため、皿に盛り付け普段使っている居間に運んだ。

そして二人で朝食をのんびりと食べ、食器を片付けた。

今日も二人は普段のように神社で一日を過ごすかと思いきや、


 「あ、俺今日は紅魔館に行ってくるから」


そう言うと幸也は出発の準備に取り掛かった。

どうやら幸也は、紅魔館へ遊びに行くようだ。


 「そう、それじゃ私はのんびり一人で過ごすわ」


霊夢は幸也が神社を出るまでお茶を啜っていた。

しばらくして幸也の準備が整い、二人は神社の外に出た。

ちなみに幸也の背中には着替えの服やちょっとした茶菓子などを包んだ風呂敷を背負っている。


 「んじゃ、行ってくるわ」


幸也は空中に浮かびながら霊夢に手を振った。


 「はいはい、行ってらっしゃい」


霊夢も手を振りながら見送った。

そして幸也は博麗神社から紅魔館へ向けて飛び立って行った。



一方その頃、紅魔館では。


 「あ~、ん~、ん~?」


 「フッ、今日は私の勝ちねのようねお兄様!」


イリスの部屋でさっきから唸っているのはイリス自身で、勝ち誇っている方が妹のレミリアである。

どうやら二人はチェスをしていたようで、イリスがもうほとんど追い込まれいる状態だった。

しかもこの勝負、敗者には罰ゲーム付きだ。


 「うん、もう無理だから降参するわ」


 「フフフ、それじゃ罰ゲームは何にしようかしら」


レミリアが考え込んでいる様子を見てイリスは思った。


(あ~、今日も我が妹は相変わらず可愛いな~!!)


こんな事をほぼ毎日のように考えているこの吸血鬼の兄は末期かもしれない。


 「それじゃお兄様」


 「何だいレミリア?」


どうやら罰ゲームの内容が決まったようだ。


(なんだろうな?・・・ハッ、まさか「お兄様の膝枕~」とか「お兄様のハグ~」なんて甘い声で言われたらもう!!!)


・・・この吸血鬼の兄は本当に末期かもしれない。


その頃の幸也はというとたった今紅魔館の門に着いたところだった。

幸也は門の前で立ったままで寝ている女性、紅美鈴に話しかけた。


 「お~い、起きろ門番」


 「・・・・・・・・」


どうもこの門番は全然起きる気配がしない。

仕方がないので幸也は奥の手を使うことにした。

それは、


 「あーーーーー、咲夜が来たぞーーー」


幸也は門番の耳に近づき棒読みで言った。

すると目をカット見開きフルフルと震えたかと思うと、


 「すっすみませーーーん!!!!」


と叫びながら周りをグルグルとダッシュで回り始めた。

その後しばらく回っているとどこからかナイフが飛んできたかと思うと、咲夜が門の前にいた。


 「いいのか、あのままで?」


幸也は咲夜に近寄ってクルクルと目を回しながらデコにナイフが突き刺さったまま倒れている門番に指をさしながら聞いた。


 「大丈夫ですよ、それよりもすみません。家の門番が」


咲夜は頭を下げた。


 「いや大丈夫だから、案内してもらって良いかい?」


 「はい、ではどうぞ」


そう言うと咲夜は門を開け幸也は紅魔館へと入っていった。

幸也が紅魔館の門に着いた頃イリスの部屋ではというと。


 「失礼しますお嬢様。イリス様にお客様が参られました」


咲夜がいつの間にか部屋に現われた。

どうやら誰か来たようだ。


 「お!来たか。んじゃ咲夜、こっちに連れてきてくれ」


 「かしこまりました」


咲夜はイリスに言われると、直ぐに部屋を出て来客を連れに向かった。


 「お兄ちゃん今日誰が来たのか分かるの?」


部屋でおとなしくしていたフランがイリスの肩に後ろから抱きつきながら訊ねた。

フランはチェスのようなボードゲームはあまり得意ではないのでいつも一人で二人の様子を見ている。 


 「ん、誰って幸也だよフラン」


イリスは抱きついてきたフランの頭を撫でると嬉しそうな表情を浮かべた。


 「幸也って・・・確かお兄様のお友達の?」


レミリアは少し不機嫌になりながら、今し方来た客についての話題をふった。


 「あぁそうだよ。ま、アイツが来たということは今日から一週間ここに泊まるか遊びに来たかのどちらかだな」


 「そうだね、今日はどっちなんだろう?お兄ちゃん」


 「さぁ?どっちだと思うレミリア」


イリアは不機嫌になったレミリアに気づいたのかレミリアの頭を優しく撫でた。


 「・・・どうかしらね?」


レミリアは少し恥ずかしそうに頬を赤く染め、機嫌を治す。

どうやらこの姉妹はイリスに撫でられるのが好きなようだ。

イリア達が部屋でこんな事をしていると、コンコンとノックした音が聞こえ、


 「失礼します、お客様をお連れいたしました」


咲夜が幸也と一緒に部屋に入ってきた。


 「いや~、今日も微笑ましい兄妹愛だな」


 「よう幸也。羨ましいか?羨ましいだろう?」


イリスはドヤ顔をしながら幸也に聞いた。


 「ん~、俺的にはそんなに羨ましいとは思わないが微笑ましい限りだな」


幸也はイリスのドヤ顔をスルーしながら答えた。


 「久しぶりです、幸也」


 「こんにちわ~、幸也お兄ちゃん!」


レミリアとフランが幸也に挨拶すると、幸也は背中に背負っている風呂敷を下ろし中身を広げ、


 「よ、久しぶりレミリア、今日も元気だなフラン。はい二人にはお菓子な」


幸也も二人に挨拶が終わると、しばらく四人で談笑が始まった。

つい最近の出来事や人里での出来事などなど。


 「しかし何で今日来たんだ?」


イリスは幸也が持ってきた茶菓子を食べながら聞いた。


 「そんなの、ムシャ・・ただ単純に暇だったから」


幸也はさも当然といった感じで手に持っていた茶菓子を食いながら答えた。


 「そうか。ま、お前は昔からそういう奴だったな」


 「何だ?俺がどういう奴か忘れたのか、痴呆症か?」


幸也は冗談で言ったつもりだったのだが、


 「そうなの!?お兄様大丈夫!?」


冗談を真に受けたレミリアはイリスの肩をつかみ思いっ切り揺さぶった。


 「ちょっ、ちょっ、ちょっとレ、レミ、レミリア止まっ、止まってくれ!」


 「ちょっ、レミリア冗談だから、今の冗談だから落ち着け!!」


イリスは目を回しながらレミリアを落ち着かせようとし、幸也は冗談だと言ってレミリアをイリスから離れさせようとした。

だが、レミリアはさらに混乱状態に陥りさらにカオスになった。


~数十分後~



 「・・・取り乱してごめんなさい」


レミリアはシュンと落ち込んでいた。


 「いや、俺も冗談がすぎた」


幸也もレミリアに謝りつつ励ました。


 「お兄ちゃん面白かったよ!」


フランは三人の様子を見ながら腹を抱えて笑っていた。


 「面白くは無かったけど、レミリアがこんなに俺の事を思っていると分かったからむしろ感動だ!!」


 「お兄様!」


レミリアはイリスの言葉で一気に元気になり、感激したような眼差しを送りつつイリスに飛びついた。

二人が幸せムードを展開し始めた。

まるで恋人がイチャイチャするかのように。


 「なんか・・・・暑いなフラン」


 「・・そうだね幸也お兄ちゃん」


残った二人は遠くでただ傍観するのだった。


ちなみに部屋の扉が若干開いておりそこから、


(お嬢様、可愛いすぎです!!)


と一人のメイドさんが興奮して鼻血をだしながら覗いているとは、誰も気が付かなかったのであった。

ちなみに門の前で倒れている美鈴は妖精メイド数人に悪戯されていた。


所変わって魔法の森。

ここでは最近ある魔法使いの住処であった小屋が爆発したので、ある魔法使いは家無しとなった。

そして現在その家無しとなった魔法使いはというと、ある一軒家に居候する羽目になっていた。

今は片手にある物を装備している。


 「おい、魔理沙」


爆発した小屋の持ち主であった魔法使い、レオは向かいあっているもう一人の魔法使いである、白黒の尖り帽子にこれまた白黒のドワーフを着ている魔理沙に呆れながら聞いた。


 「なんだ、レオ」


魔理沙は片手に持っている箒に寄りかかりながら、ため息を吐いた。


 「どうして俺達はこんな事してるんだ?」


 「知らないぜ」


レオが今居候として身を置いている家というのは、魔法の森の入口にある古道具屋、香霖堂である。

この店の主、森近霖之助は半人半妖で白髪に眼鏡、蒼と白の和服のような服装をしており、ここでは様々な物や品を扱っているがその大半は霖之助自身の趣味の物になるため、よほど彼が興味を示さない物しか売られていない。

というか趣味の物が多いくらいだ。

そんなところで過ごすことになったレオだが今現在、魔理沙と一緒に埃まみれになっている。


 「おやどうしたんだい魔理沙に居候君?まだ倉庫の掃除が終わってないじゃないか?」


二人が会話していると部屋の入り口から顔を覗かせてきたのは霖之助だった。

そう今この二人は霖之助に頼まれ倉庫の掃除と整理をしていた。


 「おい、何で俺達がこんな事しなくちゃいけないんだ?いくらなんでも客に倉庫の掃除を手伝わせるか?」


 「そうだそうだ!!」


レオと魔理沙は抗議した。

だが、


 「なぜって、そんなの君達が一番良く分かっているはずだが?」


 「「うっ」」


実はあのレオの小屋が爆破した際に飛んだ破片の一部が、香霖堂に降ってきたため屋根が破損しさらに屋根から入ってきた細かな破片が、不運なことに霖之助の大事に取って置いた品物を破壊してしまったのだ。


 「あの時君達が壊してくれた物は滅多にない掘り出し物だったんだよ?それを君達が壊したんだからこのぐらいはやってもらわないとね」


霖之助は掛けてある眼鏡を直し、当時のことを思い出しながら話した。


 「だからそれは何度も謝っただろうが!」


魔理沙は大声で怒鳴った。

そうこの事を最初に知ったのは魔理沙でそこからレオに伝わったのだ。

そしてさすがに悪いと思った二人は、揃って霖之助に謝ったのはつい昨日の事だ。

しかも土下座で。


 「それは君達が勝手に土下座したんだろ?僕はあの時土下座しろなんて言わなかったんだけどね」


霖之助が言った事は本当の事だったので、言い返せない二人は罵詈雑言を言い始めた。


 「この鬼!!」


 「鬼畜」


 「はいはい。分かったからさっさと片付けてくれ。これでは夜まで掛かってしまうよ」


そう言って霖之助は倉庫から離れていった。

霖之助が離れていったことを魔理沙が確認するとレオに話しかけた。


 「なぁレオ」


 「なんだ魔理沙」


 「霖之助は怒らせない方が良いと改めて思ったぜ。アイツ怒るとお前より面倒だ」


魔理沙は心底そう思った。


 「そうだな」


レオもそれに同意するかのように頷いた。

そして二人は黙々と倉庫の掃除に勤しむのだった。

二人が掃除をしている間霖之助はというと、台所で何かを作っていた。

どうやら二人への感謝の印らしい。

ちなみに二人が掃除を終えたのは完全に日が暮れていたそうだ。


そして・・・幻想郷に夜が訪れた。



 「さて、今日は帰るわ」


そう言ったのは紅魔館に遊びに来ていた幸也だった。

あれから色々な事を四人でしながら過ごしていた。

今はトランプをしており、ついさっきまでイリスがババを持っており結局誰も取らなかったためイリスがビリとなった。ちなみに一番はフランで今の所全戦全勝である。


 「何だ、これからが本番だと言うのに」


吸血鬼にとっては夜は朝。

そして吸血鬼の本能が目を覚ます時間帯でもある。

なのだが実際紅魔館の吸血鬼達は普段から朝起きて夜寝ている。


 「いや今日は泊まる予定はなかったらな~」


するとフランが幸也の服の袖を引っ張った。


 「え~、もう帰っちゃうの幸也お兄ちゃん?」


 「んじゃ、せめて咲夜の料理でも食ってけよ」


イリスの言った言葉に幸也は悩んだ。


 「ん~・・・・・(まっ、偶には遅く帰っても罰は当たらないか)それじゃお言葉甘えますか」


幸也はフランの頭を撫でながら答えた。


 「そうこなくっちゃな、良いかレミリア?」


イリスは隣にいたレミリアに聞いた。


 「もちろんですわ。咲夜」


レミリアが指をパッチンと鳴らすと、


 「何でしょうかお嬢様」


いつの間にか咲夜がレミリアの後ろにいた。


 「今日は幸也の分も頼むわ」


イリスは咲夜に幸也の分の食事も頼んだ。


 「分かりました。では部屋で少々お待ちください」


 「あれ、もしかして準備してた?」


 「もちろんです」


どうやら咲夜は幸也の分の食事をすでに用意していたようだ。

さすがはメイド長と言ったところか。


 「流石は咲夜ね、上出来よ」


レミリアに褒められた咲夜は一礼した。


 「ありがとうございます、お嬢様」


 「俺からもありがとう咲夜」


幸也も感謝の意を伝えた。


 「いえ、このくらいは当然です。では失礼いたします」


咲夜はそう言って部屋からいつな間にか消えた。


 「あいかわらず、すげーな咲夜って」


幸也は咲夜の有能ぶりに驚きつつ感心した。


 「当たり前だろ?うちの自慢のメイド長だぞ」


イリスの言葉にレミリアとフランが頷いた。

この男、普段はだらしない姿をしているせいか、カリスマが似合わないと思いがちだが何気に凛とした姿は絵になる。


 「んじゃ、行くか」


イリスの言葉で四人は食堂へ向かった。

食堂に行くと紅魔館の住人が集まっておりちょっとしたパーティーになっていた。

しばらくして楽しい食事も終わり、幸也は紅魔館の門まで来ていた。


 「いや~今日は悪かったな。飯までご馳走になっちゃって」


幸也は腹をさすりながらそう言った。


 「あぁ、またいつでも遊びに来いよ」


 「あぁ」


幸也とイリスは互いに話合っていると、一緒に門の前まで来ていたレミリアとフランがイリスと同じように別れの言葉を告げた。


 「またね幸也お兄ちゃん!」


 「それでは今度はこちらから行くかもしれないので、霊夢に宜しくと伝えておいてください」


 「おう、しっかり伝えておく」


そうして幸也は博霊神社へと帰って行った。

そしてイリス達も幸也が見えなくなるまで見送り紅魔館へと戻って行った。


ちなみに魔法の森のレオと魔理沙はというと霖之助が作っていた料理を食べつつ朝になるまで酒を飲み明かしていた。


さてさてどのような日常が彼らに待っているのか次回に続く。


いや~最近は創作意欲がバンバン出て書きまくっています。

あっ、ちなみこの幻想郷の季節は春です。

すみません後で第1話にくわえさせていただこうと思います。

ではまた次回に。

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