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第1話  はぁ、平和ですな

まぁのんびりしていってください。

桜が綺麗に咲いた春。

ここは外からは決して見えない幻の土地、幻想郷。

忘れられた物、あるいは幻想になった物が集まる場所。

種族は人間から妖怪、幽霊など様々な種族が住んでいる。

そこにある神社、博麗神社には巫女がいる。


 「あ~、今日もかったるいわね」


箒で境内を掃きながらそうぼやいているのがその巫女である、博麗霊夢だ。

外見は可愛いと、思っても良いほど整っている。

黒髪で後ろ髪を紅白のリボンで縛っており、服装は紅白の巫女服なのだが、何故か脇の部分が見えるようになっている。

そして下は紅いスカートとなっている。

これを初めて見た人は本人に、


 「これが巫女さんの服装なんですか?」


と質問したくなるだろうが、止めた方が良い。

何故ならば偶に神社に来る魔法使いがことある事に質問してきて、最終的には・・・ま、互いにとっても周りにとっても、ただただ無駄な時間を過ごすだけである。

一つだけ言えることがあるとすればそれは・・・・・・巫女さんがキレます。

それも背後から鬼が見えるくらい。

なので言わない方が安全だろう。

普段の彼女は、基本的に性格は面倒くさがりでのんびり屋だが、やるときはやるので頼りにしてる人?は多い。

ちなみに素直じゃない。


 「ちょっと、何であんたは休んでのよ」


霊夢は少し怒りながら、神社の縁側に座っている紅い天パで上が青いだぶだぶの和服と、下は色が青の袴を着ている男に、箒を向けながら話しかけた。


 「いや、掃除終わったからちょっと休憩しようかなと」


 「は、居候のくせに私より早く休憩するとは」


男は横に置いてあるお茶を飲みながら話しているせいか、霊夢は怒りが込み上げてきているようだ。


 「良いじゃない、はいお茶」


 「・・・気が利くじゃない」


男は霊夢に丁度良いくらいの熱さのお茶を差し出した。

どうやら男は霊夢の分のお茶を予め用意していたようだ。

すると彼女の機嫌が良くなったのか、男の隣に座りお茶を飲み始めた。

その横顔を見ると、まるで幸せそうに見えた。

素直じゃない所は彼女の性格の表れだが、昔は余り嬉しい事があっても顔には出さなかったが、男が来てからは表情が豊かになった。

二人はだいたいこんなやりとりをして、毎日過ごしている。


 「そういや、霊夢」


 「何よ?」


 「最近平和だよな、幻想郷」


 「そうね、というかここ最近色々ありすぎたのよ」


ここ最近何かと異変ばかり起きて、幻想郷はある意味大忙しだったのは記憶に新しい。

そして異変が多く発生し、そのたびに博麗の巫女が解決に動いたので知り合いが多くなった。

男もまた異変に巫女と一緒に解決に動いたので忙しかった、そして何より様々な人物と出会った。


 「ん~、のんびり出来るって最高だな!」


 「そうね、それには同意するわ・・・幸也」


二人はハハ、フフフと笑いながら、今日もまたのんびりした一日を過ごしすのであった。


 「・・・あの二人は夫婦なのか?」


神社の上空で箒に跨りながら、霊夢と幸也の様子を見ていた白黒の魔法使いの呟きは、誰にも聞こえる事はなかった。


 「いや、どう見ても夫婦だな、あれは」


いや、一人だけ白黒の魔法使いの更に上空を突っ立ったままで、白衣を着た青い眼鏡掛けている男には呟きが聞こえていたようだが、白黒の魔法使いは終ぞ気付けなかった。

そして二人の魔法使いは博麗神社に降りることなく、お互いの住処に帰って行った。

また、この一部始終をどっかの烏天狗が撮っていたとかいないとか。

これが博霊神社に住んでいる男の、ある日の日常だ。





ここは幻想郷にある霧の湖の近くにある真っ赤な西洋風の館、紅魔館。

ここには紅い悪魔が住んでいるという噂があるため、あまり幻想郷の住民は寄りたがらない。


 「しかし、可愛いな~!!うちのマイシスター達は!!!!」


そしてこの紅魔館に住んでいる、紅いマントにその下は黒い長袖に黒いジーパンを着ている悪魔、イリス・スカーレットは目の前で激しい喧嘩をしている妹達を見ながら頬を緩ませている。


 「・・・そうですね、しかし良いのですか?」


メイド服を着た銀髪のメイドさん、十六夜咲夜は苦笑いしながら隣にいるイリスに、今目の前で起こっている喧嘩を見ながら質問した。


 「何が?」


 「そのイリス様の大事な妹様達が壮大な喧嘩をしておりますが?」


 「大丈夫大丈夫。そろそろ終わる・・・・と思うから」


だが現実はイリスの予想を上回っていた。

何故なら、


 「も~許さないわよ!!フラン!!!」


怒りながら、妹に向かって弾幕を撃っているのは紅魔館の主、レミリア・スカーレット。

幼く可愛らしい容姿をしているが、その実は背中に蝙蝠の羽が生えており、種族はイリスと同じ吸血鬼である。


 「アハハハ!!良いよ良いよお姉様!楽しいよ!!!」


笑いながら長女のレミリアの弾幕を避けているのは二女であるフランドール・スカーレット。

こちらも幼い容姿で吸血鬼だがレミリアとは違い、宝石のような羽が生えている。


二人はかなりマジで弾幕を撃ち合っているため、部屋がもう崩れるくらいにボロボロになっている。


 「イリス様、そろそろ止めないとこの部屋が崩れてしまいます」


 「ん~、本当はもう少し眺めていたいが、仕方ない・・・止めるか」


そう言うとイリスは、弾幕を使っていた喧嘩がいつの間にか素手での取っ組み合いになった妹達に近づいて、


 「ほら、もう喧嘩は止めような」


と二人の妹達の腕を優しく労わるように掴み、妹達の動きを封じた。

というか普通は無理だろうと思うが、この男に常識は妹達の事になると全くと言うほど通用しない。


 「う~、お兄様離して!!」


 「今度はお兄ちゃんが遊んでくれるの?」


両者共まだ暴れたりないのか、兄に向けて文句を言っていたがしばらくイリスが妹達と会話していると、どうやら事態は収束したようだった。

これで一応部屋は崩れずに済む、と咲夜は思った。

だがフランが、


 「それじゃお兄ちゃん、今から全員で弾幕勝負でもしましょう!」


と言った。

咲夜はイリスが断るだろう、と今姉妹喧嘩でボロボロの部屋でそんな事をしたらどうなるかぐらい分かっていると思ったいたが・・・この男は本当に馬鹿だった。


 「そうだな、よし!お兄ちゃんも混ざろうかな!!」


 「イリス様!?」


こんなシスコンに姉妹喧嘩を止めさせるべきではなかった、と咲夜は改めて思ったのだった。

これがこの男の日常である。


ちなみに紅魔館は崩れる寸前までになり、メイドが門番に向けて大量のナイフを笑いながら投げていたとかいなかったとか。






ここは魔法の森。

妖怪でさえ近ずく事はないほど濃い瘴気に覆われている。

しかしこの瘴気は魔法使いにとってはとてもいいものなのだ。

何がいいのかと言うと、ここで長く住みついていると瘴気によって魔力の質と量が上がるのだ。

なのでここには魔法使い、もしくは瘴気に耐えられる妖怪や植物しか住み着いていないのだ。

またここには様々なキノコがあり、実験の材料や食料として使える。

そしてこの魔法の森の中間部に小さな小屋がある。


 「おっしゃ――!!!出来たぜ――――!!!!」


 「うるさい」


今この小屋にいるのは、持ち主である白衣を着ていて青い眼鏡掛けた男、レオ・マッド。

そしてその小屋で、でかい声を出していたのが、白黒の尖り帽子がトレードマーク、普通の魔法使い霧雨魔理沙だ。


 「一体、何が出来たんだ魔理沙?」


レオは椅子に座りながら本を読みつつ、目の前にいる魔理沙に話しかけた。


 「これを見ろ!!!」


魔理沙が見せてきたものは毒々しい色をした魔法薬だった。

しかしそんなようなものは毎度だいたい失敗作。

それで毎回酷いことになっているのは、言うまでもない。

というより一度も成功した試しはない。


 「これを飲めばあら不思議。どんな奴でも魔法が使えるようになる!!」


魔理沙は高らかに宣言した。


 「・・・ふ~ん」


だがレオは本を読み続けながら、別段反応もなく返事をした。


 「何だよそのつまらん反応は!」


 「いやだってどうせ失敗作だろ?」


 「酷くないか?私だっていつまでも失敗だけじゃないぜ!!」


何故か魔理沙はレオに魔法薬を差し出した。

レオは本から魔法薬へと目を移し、少し見るとまた本に目を移した。


 「何故俺に差し出す?」


 「一応レオに確認して欲しいんだ」


どうやら魔理沙はレオに魔法薬が完成しているかどうかを判断してほしいようだった。


 「別に良いが、明日にしてくれ」


 「え―!!何でだよ!どうせ今暇だろ!!!」


魔理沙は今すぐ見ろと言わんばかりに駄々をこね始めた。

しかしレオは読んでいた本を閉じ、欠伸をしながら横の本棚から新しい本を取り出し、また読み始めた。


 「俺はこれから自分の研究をするから今はやめてくれ。というか俺に確認させるんじゃなくて、先ずは適当にそこいらの妖怪で試しに使ってみればいいだろう?」


確かにレオの言う通りであるが、妖怪にとってはかなり迷惑である。


 「えー、だってお前に見せた方がまだいいじゃないか!それとも・・まさか怖いのか?・・・奇代の魔法使いさん」


魔理沙はまるで嫌味を言うかのようにボソッと「奇代の魔法使いさん」とレオの二つ名で言った。

するとレオの表情が一瞬硬くなったが内心は、


(ほ~、そうかそうか。そんなに俺を怒らせたいか)


内心キレていた。

レオは自身の事を二つ名で呼ばれるのが嫌いなのだ。

理由は過去に二つ名で散々からかわれた事があったからだ。


 「あぁ、俺は稀代の魔法使いだ。ま、頑張って俺を超えて見ろよ、普・通・の・魔法使いさん」


レオは満天の笑顔をしながら、まるで小馬鹿にするように魔理沙に言ってやった。

それが切っ掛けで・・・・今度は魔理沙がキレた。

部屋の中からカラフルな色の弾幕が見えたと思うと、凄まじい爆音が響いたのだった。

そして小屋が木っ端みじんに大爆発した。

これがほぼ毎日のように魔法の森では繰り返されているのでいつも騒がしい。森の妖怪いわく、


 「少しは静かにしろこの魔法使い共が!!」


らしい。

ちなみにここにはもう一人の女性の魔法使いが住んでいる彼女いわく、


 「もうこのやかましいのには慣れたわ」


という事なので問題ないらしい。

というよりもはやこの森で偶に騒がしく暴れる二人について、彼女は諦めている。

これが魔法使いの森の日常である。



この三人が織り成す日常ははてさてどうなるのか、次回に続く。

設定などは後ほどということで。

次回お会いしましょう。

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