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会話回
しかしあれだよね。最初の自己紹介で変な事口走ってしまうと、しばらくは、何気ない時間帯にものすごく恥ずかしいやら後悔やらのいろいろな事を想像してしまうね。
・・・・なんでこんな話しするかって?ご想像にお任せします。
「・・お前ホントバカだよな。」一時間目が終わると速攻で優希にバカにされた。優しいという漢字が入っているくせに僕には一度も優しさを見せた事がない。
「うるさいなー誰だって失敗はあるものだよワトソン君。」
「お前のような奴がホームズだったら、この世の全ての事件が迷宮入りになるな。」なんてことを言うのだこの男は。 「ねぇ優希。」
「なんだ?また三角形の求め方を忘れたのか?」「失礼な!いくら何でもそれくらい分かるもんね!」「ほう?なら答えてみろ。」 「底辺×高さ!これくらい楽勝さ!」 「・・・÷2を忘れているが?」
「…………」 「…………」
何だろう、この象すら殺せる重さは。
「バカが。」うわあぁぁぁぁん!!
やめて!そんな生ゴミを見るような冷たい目線で僕を見ないでえぇぇぇ!!
「まあお前が小学生以下なのは良く分かったがお前、なにを言いかけたんだ?」そうだった。大切なことを聞くのを忘れてた。
「今日来れなかった人ってどんな人だろうね。」「ああ、そんな奴いたな。」そう、今日は入学式だというのに、1人だけ来なかった子がいたのだ。 「名前知ってる?」
「興味ねぇからな。女子だっていう事なら分かるぞ。」なんだと!?女の子だと!「どうじで覚えていなかったのさバカ優希!」ちくしょう!こんなんだったら寝たふりして本当に寝なかったら良かった・・!
「誰がバカだ。」ぐぎやゃあぁああ!!あ、足があらぬ方向に・・!
《ガラッ》その時、誰かが入ってきた。