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「はぁ・・・」朝からため息が出てくる。いったい昨日の子は何だったのだろう。確かミヤちゃんだっけ、
いろいろと意味不明な事を話していたが・・・
まあいいや、余り考えないことにしよう。
登校時に悩む事は恋の悩みで十分だ。
僕は今年高校に入ったばかりで、これがとてつもなくなにもない高校なのだ。とりあえず成績が普通の奴なら誰だって入れちゃうし、二時募集で[とりあえず迷ったらこれ!]と言われるくらい普通だ。高校側もそれでいいらしく、〔特徴が無いのが特徴〕という、果てしなく何もない所なのだ。なんでこんな高校に決めたって?イワセンナハズカシイ。
「よっす。」 後ろから何か聞こえたが人間スルースキルというものが大切だ。常に鋼の平常心というものが<グキ>腕がねじ曲がるぅぅぅ!
「ぎゃあぁぁぁいってええぇぇ!!」
「朝からなにを騒いでいるんだお前は。」朝から騒がした張本人が平然と話しかけてきた。
「僕がなにしたってんだい優希!」「全部お前のせいだろうが。」朝から僕の腕をねじ曲げてきたのは、優希。僕と中学一緒というだけで高校では平穏無事にいきたいと思っていた僕の夢をあっさりぶち壊した奴だ。頭が良いいくせに倍率の高い高校にいかずに、その理由を聞くと「面倒だから。」頭がよろしくない僕にとっては大変憎たらしい人物だ。
「で、いったいなんの用なの?」
「用もクソもあるか。ただ挨拶しただけだろうが。」
「ふ~ん。まあいいや。さっさと行こうよ。」「誰のせいで足止め食らったんだと思うんだ。まあいい、おら、いくぞ。」お前のせいだよ。
ゆっくり話しながら歩いていたが、けっこう早く着いた。ここから3年間こんなんと一緒なのか・・まあいか、人生明るく生きていかないとね。
「・・・やっぱりこの高校ね。待ってなさいよ。ブタさ・・じゃなくって光くん。」
背中から寒気がしたけど気のせいだろう。
ここから新しい生活が始まった。