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その日は、やたら寒々しかったのを覚えている。
雪も積もっていただろう。 ただ目的もなく歩いていたとき、すすり泣く声が聞こえた。 もしかしたらただの空耳だったのかもしれないが、僕には聞こえた気がしてその方法へ歩きだした。 「グスッ・・ヒック・・・」
目の前で電柱に寄り添って体育座りをして泣いている女の子がいた。
「どうしたの?」
後に、一生涯後悔するであろう第一声をしてしまった。
その子はゆっくりと顔を上げた。
髪は短く、肌は雪のように真っ白で
笑いながらも泣いている状態で大きく目を見開きながらこちらを向いてきた。