幕上げ 「それが、お前の名前なのか?」
初投稿です。嘘です。
あけましておめでとうございます、フィアと申します。
特殊な電波を感じ取ってしまったので新作開始。
宜しければ暇つぶしにでも読んでいってくださいな。
真っ暗、だ。
他に表現が、出来ない。
ただただ混沌としている世界に一人、俺がいるという異様な画。
目を開けても、認識できるのが自分の体だけで背筋に嫌な汗が流れる。
俺はこの暗い世界を立つでもなく座るでもなく、漂っていた。
ふわふわと縦横無尽に体が浮く感じ。
……何だコレ。
夢でも見てんのか?
と、正常に動いている(はずの)耳が音を感じ取る。
…何か、聞こえる。
【…ネ、ル……】
「え?」
名前を呼ばれた気がして、回りを見る。
しかし誰もいない。ただ真っ黒な環境。
だけどまだ声は聞こえる。
【…大丈夫……ここに、いる…から…】
「……? 誰だ?」
変だ。
この中性的な声が、一定の場所でなくこの世界全体から聞こえるのもそうだが。
この声の主、普通の状態じゃない。そんな感じがする。
疲れている…いや、違う。
それよりも…死にそうな、生まれそうな…生まれそうな?
「お前は、誰?」
【 ハ リ 】
「ハリ? それが、お前の名前なのか?」
答えは無かった。
その代わり、世界が動いた。
ぐるんぐるんと渦を巻いて、俺を飲み込もうとする。
本能的に渦の中心には危険があるような気がして。
でも、そこに行かなきゃいけないような気もして。
俺は漆黒に飛び込んだ。
□■□■□■□■□■
目を開ける。
ここは、どこだ。
辺りを見回す。
空には永遠の闇と無数の星。
周りは豊かに、しかしやや物騒に生い茂る木々。どうやら森の中の小さな空き地のような場所みたいだ。
俺が座っているのは……コレ、王座かなんかか? それっぽい装飾がこの森の風景とあわせてなんかシュールなんだが。
で、足元にはよくRPGとかで見かける円形の魔法陣。
その中心に俺はいて、
陣を囲むように祈るように手を合わせ膝を付く人達がいた。
…いや、人じゃない、と思う。
だって、人間には、
黒い翼が、あるはずがない。
俺は困惑していると、俺を囲む内の一人が礼儀正しく近づいてきた。
それは俺よりもずっと小さくて、でも俺より2倍近くある翼を持った少女だった。
黒いドレスに身を包み、にこやかに笑みを浮かべる少女。
年齢としては見た目14くらいか。
その雰囲気からして、かなり尊大な人(?)である事は確かだろう。
彼女は俺のすぐそばで、少し高い位置にある王座の傍に立つ。
目線は彼女の方が下。まるで俺が崇められているみたいだ。
そして彼女はドレスの裾を摘んで、深く頭を下げた。
「お待ちしておりました、魔王様」
…おk、だいたい話が読めてきた。
だからお願いしたい。
その~…皆さん、涙目と希望に縋る目をお止め下さい…。
いきなり心が痛いです……!
不定期更新です。週に一度くらいは更新したいと思ってます。
たまに連日更新する時期があったりなかったりです。その時は報告します。
感想とか書いてくれると発狂する程嬉しくなるので是非お願いします。