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異世界に残った、ただ一人  作者: 梅道
第1章 魔王編
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7.ピピン王国

アイカ達はピピン王国にたどり着いた。

ピピン王国──かつて魔王討伐の使命を帯びて召喚されたこの地に、アイカは久しぶりに足を踏み入れた。


アイカ「ピピン王国か……懐かしいなぁ」

風に乗って懐かしい匂いが鼻をくすぐる。

あの時、王に命じられ、魔王を倒すため旅立った場所だ。

あれから、ずいぶん時が経った。


アイカは昔の仲間を思い出して嬉しそうに

アイカ「……そうだ。褒美、まだもらってなかったな」

苦笑いを浮かべながら、過去の記憶を辿る。

しかし、かつて栄華を誇った王国の街並みは見る影もなかった。

人々は虚ろな目をし、まるで魂を抜かれたようにさまよっている。

かつての活気は消え失せ、廃墟のような静けさが王国を包んでいた。


アイカは驚いていた。

アイカ「……こんなことになっているなんて」


その声に、一人の兵士が振り返った。

兵士の目には、一瞬にして生気が宿る。

兵士「あなたは……勇者様!? 本当に!?」

兵士「アイカ殿!!」


アイカはこいつ誰だとおもいながら

アイカ「……ああ。久しぶりだな」


兵士は興奮しだした。

兵士「私を覚えておられるのですか!!」「感激です!!!」

兵士「ハラヤです。すべては、魔王軍のハラヤのせいなんです……!」

切実な言葉が胸に刺さる。

兵士「奴に城を奪われてから、魔族がこの地を支配するようになった。人間は道具のように扱われ、城下町は地獄のようです……!」


怒りが、アイカの胸に炎を灯した。

アイカ「許せない……!」

拳を強く握りしめ、振り返って叫んだ。

アイカ「サクナ、ついてきてくれ!」

アイカ「道はわかる。案内できる!」


サクナ「うん!」


サクナの力強い返事とともに、二人は駆け出した。

目指すは、魔族の巣窟と化したかつての王城。

途中、魔族たちが次々と襲い掛かってくる。

しかし、アイカの拳は一体一体をなぎ倒し、サクナの鋭い剣技が援護した。

やがて、巨大な王城の門が姿を現す。


サクナ「ここが……!」

サクナが前に進み出て、剣を構え、一閃。

重厚な扉が真っ二つに斬り裂かれ、道が開けた。

サクナは剣を納め、振り返った。

サクナ「行こう、アイカ」


アイカは相変わらずすごい剣裁きだなと感心した顔をしている。

アイカ「ああ、ナギの件とピピン王国といいあいつだけは絶対ゆるさない。」

アイカとサクナは、王城へと足を踏み入れた。


ハラヤとの決戦が、いま始まる──。

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