表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/83

4.ラララー王国は、なんで争ってんの?

アイカ達は魔王軍四天王メイメイがいると噂のラララー王国に馬車で向かっていた。

馬車の中、薄暗い車内でサクナとアイカは静かに話を交わしていた。

外の景色はゆっくりと流れていく。


アイカは少し顔をしかめながら口を開く。

アイカ「まず、メイメイっていう魔王の手下を倒しに行くんだよね。」

言葉の端に緊張が滲んでいた。覚悟を決めたようでいて、その瞳はまだ不安で揺れていた。


サクナはうなずき、静かに言った。

サクナ「うん。僕の王国の隣にある、ラララー王国にいるらしいよ。」

サクナ「すごく変わっているって噂にきくね。」

彼女の声は落ち着いているが、その背後に秘めた決意が感じられた。


アイカ「メイメイ……どんなやつなんだろう。」

呟くように言ったその声は、不安だった。


サクナはアイカに向けて話し始めた。

サクナ「魔王軍四天王のメイメイの能力は洗脳だと噂で聞いた」

サクナ「気をつけてね」


翌日、ラララー王国の広場に降り立った二人は、早速情報収集に動き出す。

サクナは冷静に時計台を指差した。

サクナ「この国の情報が欲しいな」

サクナ「まずは情報を手に入れよう。手分けして探そう。3時間後にこの時計台の前で集合ね。」


緊張を隠せないアイカは小さく頷いた。

アイカ「わかった。」

心のどこかで、不安を打ち消すように。


二人は別れてそれぞれの道を進む。

すると、サクナの前に突然声がかかった。

男「おお! 強そうだな。俺はギィス。お嬢ちゃん、協力してくれねぇか?」

ギィスの目は鋭く光り、その口調には得体の知れない威圧感があった。

ギィス「俺たちは、メイメイを倒すための組織だ。」


サクナ「興味があるね」

警戒心を抱きつつも、サクナは男の後をついていった。

ギィスとサクナは横になり一緒に歩く。

ギィス「俺たちは、人間こそがすべての種族の頂点だと考えてる。」

その言葉にサクナは戸惑いを隠せなかった。


ギィス「けど、メイメイがこの国を侵略してから、エルフもドワーフも小人も――すべての生き物が平等になっちまった。……許せねぇ。」


サクナは言葉に詰まった。

サクナ「それって……本当にいいことじゃないの?」

心の奥底から疑問が湧き上がった。


ギィスは冷たい笑みを浮かべて言い放つ。

ギィス「平等なんて、幻想だ。人間様が支配する、それが自然の摂理だ。」


その言葉に、サクナの胸は締め付けられた。

サクナ「それは違うと思う。」


ギィス「若いな、お嬢ちゃん」

ギィス「名前を教えてくれないか」

ギィスは笑った。

サクナ「サクナ」


ギィスの拠点にて。

サクナは深く息をついた。

ギィス「新たな仲間だ。サクナっていう」

周りは歓喜する。

「よろしくな、サクナ」

サクナはなんで、仲間になっているのと焦りだす。

焦っているサクナを無視してギィスが話し始めた。

ギィス「今日、俺たちはメイメイを倒す。」

その言葉にサクナは驚きを隠せなかったが、同時に胸の中に薄い光が差し込むような感覚を覚えた。



一方、酒場の隅でアイカは一人の男と向き合っていた。

アイカ「へぇ、お前の名前、メイメイっていうんだ。なんか聞き覚えがあるような……」

メイメイはアイカに触れた。

メイメイは柔らかな笑みを浮かべ、軽く首を振った。

メイメイ「気のせいだよ。」


この時、メイメイはアイカに自身の能力を使用していた。

メイメイの能力、記憶操作。アイカはメイメイが魔王軍四天王であることを忘れさせられている。


メイメイは手にした焼き鳥を差し出す。

メイメイ「これはこの国の名物、焼いた鳥を串にさした料理だ! どうぞ。」


アイカは戸惑いながらも手を伸ばした。

アイカ「ありがとう。」

口に運ぶと、思わず目を見開いた。

アイカ「うめぇ!!」


アイカは自然と笑みがこぼれた。

アイカ「この国、いいなぁ……すべての種族が平和に暮らしてて。」


メイメイの表情は穏やかで、どこか遠くを見つめているようだった。

メイメイ「この国に住むすべての生き物は、俺の家族だ。」


その言葉は重く、アイカの胸に深く刺さった。


アイカ「……お前みたいな人間が、人の上に立つべきなんだな。」


メイメイ「ありがとう。」


だが、その瞬間、酒場の外から悲鳴が轟いた。

二人は顔を見合わせ、すぐに外へ飛び出した。

街は混乱に包まれていた。

ギィスたちが暴れ、建物を破壊し、人々が逃げ惑っている。


メイメイはアイカを見つめて、

メイメイ「おお、相棒! 手伝ってくれるか?」


アイカの心臓は激しく鼓動した。

アイカ「……ああ。」

反射的に答えた。


ギィスが小人に剣を向ける。

メイメイは剣を抜いて、メイメイは素早く動き、その剣を弾き返した。


二人の視線が激しく交錯する。


ギィスは怒りに満ちていた

ギィス「化け物……今日で、お前も終わりだ。」


メイメイも激怒する。

メイメイ「ギィス! なぜわかりあえないんだ!!」

怒りと悲しみが入り混じるメイメイの瞳に、揺るがぬ決意が宿っていた。

背後には人間たちが控え、その中にサクナの姿もあった。


メイメイ「相棒。一緒にたたかってくれ」

アイカ「しゃあねぇな!」

アイカは拳を強く握りしめ、サクナに向かって走り出した。


サクナとアイカの視線がぶつかる。

サクナ「……なんで、メイメイの味方してるの?」

サクナは呆れていた。

アイカの表情が暗く変わる。

アイカ「メイメイ……あっ! 魔王軍四天王の……」


アイカの記憶が鮮明に蘇り、心の中で嵐が巻き起こった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ