5.魔王軍四天王メイメイ
ギィスたちの計画は見事に成功した。ついにメイメイを倒したのだ。
ギィスたち:「やったぜ! メイメイを倒したぞ!」
歓声が上がり、勝利の喜びに満ちあふれていた。
だが、戦場の片隅で、メイメイの体は光の粒子となり、ゆっくりと空へと昇っていく。
エルフ:「消えないで、メイメイ……」
声が震え、胸にこみ上げる悲しみを抑えきれない。
ドワーフ:「あなたがいなければ、この国は……」
言葉が詰まり、視線を落とした。
メイメイ:「……みんな、ごめんね」
儚げに微笑みながら、声はかすかに震えていた。
小人:「あんたは魔王軍かもしれないけど、俺たちにとっては英雄だよ」
瞳に涙を浮かべながら、心からの言葉を贈る。
メイメイ:「……ありがとう」
その言葉はまるで風に溶けるように優しく響いた。
そこへ、サクナが一歩前に出て問いかけた。
サクナ:「メイメイ、一つ聞いていい?」
胸の中に湧き上がる疑問と優しさを込めて。
メイメイ:「ええ、なあに?」
静かに応じ、空を見上げる。
サクナ:「どうして、あなたは平和を求めたの?」
メイメイ:「どうしてだろうなぁ……
私は魔王様から生まれた存在。
でもね、魔王様は――きっと昔は人間に恋をしていたんだと思うの」
「今はもう、人間を憎んでいるかもしれない。
でも私は、その失われた心の一つ……なのかもしれないね」
翌日、メイメイの光の粒子はなかなか成仏せず、ふわふわと漂い続けていた。
メイメイ:「ここでひとつ。布団が吹っ飛んだ。」
どこか気まぐれで、ふざけたような口調。
エルフ:「早く、消えてください。」
苛立ちと焦りが混ざった声が響く。
2日後。
メイメイ:「どうやら、ここまでのようだ。」
少し疲れたように呟く。
ドワーフ:「うるさい。」
簡潔に一喝。
3日後。
メイメイはついに完全に消えた。
その直後、ギィスたちはドワーフ、エルフ、小人たちに襲いかかり始めた。
ギィス:「ラララー! 王国は人間様のものだ!」
凶暴な声が響き渡る。
空から光の粒子が降り注ぎ、メイメイが復活する。
メイメイ:「ブレス。」
口から炎の息を吐き出した。
ギィスが斬りかかるが、メイメイは幽体のまま。攻撃はまったく効かない。
4日後。
ギィス:「差別しません。成仏してください。」
嘲るように言う。
メイメイは静かに消えたかと思うと、再び復活した。
ギィス:「うそだよ!」
叫びながら、メイメイは再び火のブレスを放つ。
アイカはあきれ顔でため息をついた。
アイカ:「サクナ。次の魔王の手下のところに行こうか。」
サクナ:「そうだね。」