表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却の世界で━奪われた記憶と終わらない約束  作者: 夜空るる
1章 ファンシービビット王国編
9/50

作戦開始

本日から8月24日までは11時頃の投稿になります!詳しいことは活動報告を見ていただけると幸いです。


前回のあらすじ

自分が必要とされていないんじゃないかと落ち込むカイル。

本音をこぼした彼に、フレディは思いを伝える。少しずつ芽生える信頼と絆。

ついに、救出作戦が始まる!

「作戦開始。」


合図とともに、全部隊が動き出した。

計画通り、グループ1が屋敷の正面から侵入を試みた。

もちろん執事やメイド衛兵などが取り押さえようと人手が1点に集中した。


「行こう!」


カイルくん…いや、班長と呼ぶべきか。

俺たちは班長の合図で、裏口から侵入を試みる。

思っていた通り裏にほとんど人はおらず、手薄になっている。


「屋敷の構造を思い出して!空き部屋とか捕まっている人がいそうな場所、手当たり次第探そう!」

「了解!」


全員が返事をし、手当たり次第捜索にあたる。

屋敷はとても広く部屋を探しても探しても、見つからない。


「どこにいるんだ?班長、どうする?時間がかかると見つかっちゃう。」

「どこに⋯見取り図にある怪しい部屋は全部調べた。隠し部屋でもあるのか?」

「隠し部屋…」


もし隠し部屋があるとしたらその道を見つけなければ。

でも一体どうしたら、隠し部屋を見つけることができるんだ。




「一見、ただの壁。でも、目を凝らしてみれば、違いがわかるはず。」




あの声がまた頭に響いてきた。

壁?壁を探したらいいのか?でも壁を探して何か見つかるわけではない。ならこの声は?何を教えてくれている。考えろ。

もしかして…


「フレディさん!見ましたか?」

「壁を見て!」

「壁?何のために?壁を見たら何かが見つかるんですか?」

「うん!壁だけじゃなくて床とか何でもいい、ただ周りと違う部分を探して!その場所を押したりしたら、きっと隠し部屋が見つかるはずだ!」


一瞬考え、俺の意図を即座に理解してくれた。

この情報はメンバー全員に回して、全員が壁やら床やらいろんなところを捜索する。

傍から見たらただの変な集団だ。


「これもしかして…みんな!来て!」


班長に呼ばれ全員がその場に集合した。


「これじゃない?」


そこには少し色の違うタイルの壁があった。そのタイルはパカッと開閉し、中にはドアノブのようなものが付いていた。


「これだ!」


全員で思いっきりそのドアを引っ張る。

頑丈に作られているのか大人数人で引っ張ってやっと開くレベルだった。

ドアを開けるとその中にはたくさんの人が捕まっていて、その中に俺の見た2人の少女はいなかった。


「今助けてあげるからちょっとだけ待ってて!」


中の人たちはやっと助けが来た、早く出して!などここでどんな生活を強いられてきたかその声1つでわかった。

捕まっている人たちの手錠などを外し、全員が作業に追われていると少し離れたところからカツカツと言う音が聞こえた。


振り向くとそこには、屋敷の衛兵が立っていた。

グループ1がやられたのか、そのような力ない負の感情が頭をめぐる。

せっかく見つけ出せたのに、もっと俺が早く見つけ出せていれば…


「侵入者。排除する。」


襲いかかってくる衛兵。

俺は剣に手をかけた。


「俺が相手をします。」

「フレディさん…!危険です…!」

「大丈夫。ここは俺が食い止めるから早くみんな安全なところに連れて行ってあげて!」

「…わかりました。すぐに戻ってきます。」


そう言ってみんな去っていった。ここからは何人もの衛兵、そして俺だけの勝負だ。


衛兵はたいした武器は持っていない。ただ人数が多い。この相手を一気に裁ききれるか、それが鍵だ。不安じゃないと言えば嘘になる。

深く深呼吸をし、今まであったことを思い返す。今日は剣が手によく馴染む。


相手の体制が整う前に先制を撃つ。1人、1人はそこまで強くないようだ。オーウェンさんと戦った後だと、そう感じた。

決して敵であろうと傷つけるのはできるだけ少なくしたい。今ここにいる衛兵は悪い人ではない。ただ領主に言われて、ここを守っているに過ぎない。それならば、できるだけ傷つけたくない。罪のない人間を傷つけるわけにはいかない。

1人ずつ着実に着実に人数を減らしていく。


「なかなかやるな。しかしこちらは1人ではない。」


そう言うと、奥からぞろぞろと衛兵が出てきた。

囲まれた。この人数、さばききれないかもしれない。

でもやるしかない。一気に襲いかかってくる衛兵を処理していく。

ガンガンとものが当たる音。

かなり疲労も溜まってきて、息が上がってきた。すると、気づかないうちに後ろから殴られそうになった。

まずい…!


ガン!


「僕の仲間に手を出すな!」


痛みは訪れず、目を開けると、そこにはカイルくんがいた。


「フレディさん!間に合ってよかったです。捕まってた人たちは全員安全な場所へ。応援に来ました。一緒に戦いましょう!」

「うん!」


メンバーが応援に来てくれたことにより気づけば衛兵は全員が倒れていた。

そして、屋敷の中にいた使用人は全員降参し、無事勝利を収めた。


「作戦成功!」


作戦成功の声が屋敷中に響き渡った。

よかった。成功した。俺は安堵の息を漏らした。

だが気がかりなことがある。


「あの2人どこにいるんだろう。」


気がかりなことがある。2人はまだ見つかっていないということ。

まだ闇商人のところにいるんだろうか。

でもあの場所はグレースさん達が対応してくれているはず…大丈夫。大丈夫なはず。

屋敷が勝利のムードに包まれる中、グループ3のメンバーがやってきた。体には無数の傷、そして1部破けた服。良い知らせでは無い事は嫌でもわかった。

そして、1つの報告が入った。


「リーダーたちがピンチです!」

次回予告

救出作戦は成功。

仲間と共に勝ち取った、確かな勝利。だがそれは、まだ始まりに過ぎなかった。届いた、仲間の危機を告げる報せ。

「リーダーたちがピンチです!」

果たしてフレディたちは、すべての仲間を救い出せるのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ