作戦会議!
PV数合計100ありがとうございます!これからも投稿頑張るのでよろしくお願いします!
前回のあらすじ
最終試験でオーウェンに敗北したフレディ。しかしその直後、村に現れたオブリビオンの襲撃に立ち向かい、機転と勇気で人々を救う。そして言われた一言
「あなたにシャドウジョーカーに入る資格を与える。」
「…あなたにシャドウジョーカーに入る資格を与える。」
あまりに驚きすぎて、声も出なかった。
合格ってこと?頭の処理が追いつかず、パニックを起こしていると、グレースさんが話しかけてきた。
「あなたは試験には合格できなかった。その事実は変わらない。でもさっきの行動を見て思った。あなたはウチで、シャドウジョーカーでやっていける実力の持ち主だってこと。」
「ほんと?俺合格?」
そう聞くと、グレースさんは首を縦に振った。
「…やったぁ〜!ありがとう!」
「ここで終わりじゃないからね。助けに行くんでしょ。」
「もちろん!」
俺の嬉しそうな様子を見てか、2人はクスッと笑っていた。
これで2人を助けに行ける。
絶対に助けるんだ。
「アジトに来て。これからあなたに依頼をもらった少女たちの救出作戦を練るから。」
言われた通りシャドウジョーカーの小屋、正確に言うならばアジトについて行くことにした。
中に入ると、昨日と同じくたくさんのメンバーが何やら作戦会議をしていた。
「リーダー、お帰りなさい!」
「カイルただいま。言ってた計画のほうが進んでる?」
「はい!リーダーが出かけられている間に情報整理、それから侵入ルートの決定をしました。それより後ろの人は?昨日の依頼の人ですよね。結局どうなったんですか?」
グレースさんは手を叩き、こちら側に注目を集めた。
メンバーに説明をし、俺のことを紹介してくれた。
「彼は今日の試験を受けて、我々シャドウジョーカーのメンバーになることが決まった。今日から彼は私たちの大切な仲間。フレディ挨拶して。」
「はい!えっと、フレディって言います。よろしくお願いします。」
パチパチパチ
全体で拍手が起こり、みんなこちらを見る。
歓迎してくれているようで肩の荷がスっとおりた。
「それじゃあ今から彼から依頼を受けていた件について調査したことを報告して。」
「フレディさんから言われた件について調べたところ、我々が今進めている例の貴族と関わりがあることがわかった。」
「あの例のところですか!」
声を上げたのは先ほどグレースさんにカイルと呼ばれていた、まだ若い青年だった。
「カイル、落ち着け。」
「だってその件については僕が班長を務めていて、それと関わるとなると作戦を少し練り直さなくてはいけない可能性があるので…」
「今回は一筋縄じゃいかないかもね。報告を続けて。」
「えっと、フレディさんから受けていた依頼について男の特徴から推測し、いろいろな場所を見張った。その結果、そいつらは巷で噂の闇商人だということが分かった。」
巷で、噂の闇商人。
やはり少女たちを追いかけてきていたのは、闇商人で彼らからすれば商品が逃げ出したってことなんだろう。
人をあんな風に扱って許せない。
「その闇商人と取引をしていたのが領主ゴルド。ゴルドはその取引を通じ奴隷を買い、管理していたみたい。」
「なら、その2つを同時に潰す作戦を練ったほうがよさそうね。カイル、今の作戦を変えてもいいかしら。」
「はい、構いませんが…」
「なら、今から作戦を立て直す。ゴルドと商人が次会う時、それが実行日。この時に2人同時に潰す。」
淡々と話が進んでいく。
今回の作戦はゴルドと商人が次取引をする時に行われることになった。調査の結次の取引は新月の日だと言う事。
「ゴルドの屋敷は広いし奴隷がどこにとらわれているかなんてわからない。だから、二手に分かれて探す。1グループ目が正面。2グループ目が裏側から。
そして、もう一つのグループはゴルドと商人を捕らえる。今から作戦を言うわ。聞いておいて。」
このような空間にいることはもちろん初めてだ。しかし似たような空気感を味わったことがある。記憶を失う前何をしていたんだろう?
「まずグループ1、グループ1 は正面から行って屋敷の中の注意を引く。その後すぐグループ2が裏側から入る。グループ1が気を引いてる間になんとしてでも捕まっている人たちを救出する。幸い屋敷の地図はあるからこれはある程度頭に叩き込んで作戦実行日まで備える。
そして、グループ3 重要な部隊になってくる。現場をおさえて、全員を捕まえる。作戦は以上。それじゃ各自準備!」
今言われたことを必死に整理しながらついていく。一気に大量の情報量が来て、脳が処理できない。
ここにいる人たちは全員それができて当たり前なんだろうか?そんな疑問を抱いていた。
「フレディはグループ2に入って。直接2人を助けたいんでしょ。正直あそこにいるか分かんないし、まだ闇商人のところにいるかもしれない。それでもいい?」
「人のことを助けることに変わりは無いから、大丈夫!もし何かあっても、他のみんなが助けてくれるって信じてますから!」
「お願いね。」
グループ2に配属された俺はそこにいる人たちと話し合っていた。そこにはカイルくんもいてカイルくんを班長として話し合いを進めていた。
「正面のグループが入ったら、僕たちは屋敷に入る。そこから屋敷の中をくまなく探索して捕まっている人たちを探す。何の変哲もない作戦だけど、これが1番安定してていい気します。この作戦で良いですか?」
「いいと思うぞ。班長なんだからカイルがしっかり引っ張っていってくれよ。」
「はい!」
作戦会議が無事に終わり、アジトと出た頃には、もう夜だった。昨日と同じ宿に泊まって寝る準備をしていたが一向に睡魔が襲ってこない。そのため俺は夜風にあたろうと外に出た。
すると、そこにはカイルくんがいた。その背中は少し寂しそうで、思わず声をかけてしまった。
「こんばんは。」
「あっ…こんばんは。」
「なんでこんなところにいるの?俺は寝れないから、ちょっと夜風にあたりに来たんだけどもしかしてカイルくんも?」
「…少し考え事をしていただけです。」
その声はとても暗く、また顔も何か悩んでいる様子だった。
「何か悩んでるなら相談乗るよ。ほら、俺たち同じグループなんだからさ!」
「…あなたが来たからですよ。悩んでるの。」
次回予告
決行日に向け、着々と進む救出作戦。
しかし夜の静けさの中、カイルが吐き出した本音
「…あなたが来たからですよ。悩んでるの。」
交差する想い、すれ違う決意。
仲間として、信じることはできるのか。