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忘却の世界で━奪われた記憶と終わらない約束  作者: 夜空るる
1章 ファンシービビット王国編
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試験開始!

前回のあらすじ

少女たちを救うため、フレディはシャドウジョーカーに依頼をしに行く。話を盗み聞きして見つかるが、リーダーのグレースに助けられ、中で事情を説明。協力は断られるが、自分の手で助けたいと訴えたことで、試験を受けることになる。翌朝、フレディは試験に挑むことになった。

「今から試験を始める。」


試験が始まる。どんな試験なんだろうと言うワクワク感。それと同時に少し襲ってくる不安。

しかしこの試験をやりきればシャドウジョーカーの仲間に入れてもらえる。

そうすればあの少女たちを助けることができる。


「それじゃあ試験の内容を説明するわね。試験は第3の試験まである。これらすべてを乗り切ったら実践部隊として前線で戦うことができる。」


フレディの目指してるのは、もちろん実戦部隊の前線。

気合いだけは誰にも負けないぐらい十分。


「それじゃあ第1の試験について説明するわ。第1の試験では逃走してもらう。オーウェンが鬼としてあなたを追いかける。10分間逃げ切れたら第一試験クリア。」

「絶対に捕まえてるからな。」

「説明は以上クリアしたら第2の試験について話すわ。それじゃあスタート。」


グレースがパンと手を叩くとオーウェンはフレディを追いかけ始めた。

素早く、彼の方に近寄り早くも捕まりそうになる。ギリギリのところで避けて回避できたものの、次避けられる保証は無い。


「なかなかすばしっこいじゃねーか。でも、まぁいつまで続くか。」


人間はまっすぐ走るよりもジグザグ走ったほうが相手から逃げやすい。これは相手を翻弄する技である。

この体制で何とか逃げ切ってるが、いつ限界が来るかわからない。


「そんな小細工してもすぐ追いついてしまうよ。」

「俺は逃げ切りますからね!」


頭を回転させて、策を探す。

ふと、ミナミからもらった袋のことを思い出した。

その中にはロープも入っていた。

ロープが何かに使えるかもと思い、ロープを素早く取り出す。

そしてすぐそばにあった木にロープを結びつけターザンのように、渡ろうとようと考えた。ロープを木に投げる。


(ギリギリ届かない…!)


ギリギリのところで届かない。そうしている間にも、後ろからオーウェンは迫ってくる。


「何やってるが知らんがそんなことしても無駄だ!さっさと諦めろ!」


何とかして、木のところまで行かなくてはならない。

そこで先ほど見た会場の景色を思い出した。

ここには土管がある。フレディの体がギリギリ入りそうな大きさの土管だ。そしてオーウェンは体が少し大きい。これを利用できるのではないか。


(そう決まれば早速…!)


進行方向を変え土管のある方向へと走っていった。

幸い、土管は横向きに倒れており、中に入れる状態になっていた。

フレディは迷わずその土管の中に入った。


「こんな土管の中に入っても意味なんてねぇのにな!」


(よし!うまくいってる!)


心の中でそう叫びながら、オーウェンが土管の中に入ってきてくれるのを待った。


「いつまで隠れてるんだ?こんなところで時間稼ぎしても無駄だぞ?」

「ならここまで来てみてください!オーウェンさんならできるんじゃないんですか。」

「ふっ、いいだろう。」


フレディの言葉に乗せられて土管の中に入ってくるオーウェン。


(よし!かかってくれた!グレースさんの言う通りだ。)


実は、フレディは試験前にグレースにオーウェンの性格を聞いておいたのだ。


----------


「グレースさん。オーウェンさんってどんな性格なんですか?」

「オーウェン?怒りっぽくて、褒められるとすぐに調子に乗る。疑り深くて、でも仲間の事は自分の命に変えてでも守ってくれる。そんなやつ。」

「ありがとうございます。」

「こんなこと聞いて何になるの?」

「少し役に立つかなって。」


----------


聞いておいて、正解だったようだ。オーウェンの性格的に褒められたらやらないと言う選択肢はない。

フレディは思い切って走り出した。


「オーウェンさん!ちょっと先にいかせてもらいます!」

「ちょっと待て!お前!騙したな!」

「俺はそこに入れなんて一言も言ってないですよ!ちょっと褒めただけです!」

「くそぉ!!」


(今しかない!)


全速力で木の方へと走る。

そして、素早く1番大きな木の枝にロープをかける。そのロープは使い木へ登っていった。

オーウェンが木に登ってきたら、ロープを再び使い、別の木に乗り移る。

この作戦で、10分間逃げ切ることにしたのだ。


「よくもやってくれたなぁ!!」


土管から抜け出すことができたオーウェンが急いでフレディを追いかける。

木に登ってきたタイミングで次の木へと乗り移る。

風を切る感覚が、今まで感じていた不安を消し去って幸せを運んできてくれる。


木から木へと移るジャンプを繰り返しているとあっという間に10分が経っていた。


----------


「第1試験クリア。体格差を使って土管にはめるなんてなかなかすごい技ね。次の試験が楽しみだわ。にしてもオーウェン、情けない。それでもあなた、私の右腕?」

「グレースこれはちょっとその言葉の罠っていうかさぁ…」

「もし敵にそんなこと言われたらどうするの?さっきみたいにホイホイ行くの?」

「そんなことない!多分…」


オーウェンが言葉につられて、土管にはまってしまったことについてグレースはかなり不満みたいだ。

組織の副リーダーが土管にはまっている姿なんて確かに見たくはない。ましてや自分の大切な部下でなんて大層嫌だろう。


「それじゃあ、次の試験に取り掛かるわ。第2の試験。罠を見抜いてもらうわ。」

「罠?」

「ドラム缶とか瓦礫そこら中に見えているでしょう?実はあれの中には罠かけられているの。それを見抜いてもらう。そしてこの地面いっぱいに敷き詰められた瓦礫の中を歩いてあと20メートル先のゴール行ってもらう。

時間は15分。それがクリア条件。

もちろん罠は危険なものじゃなくて少し音の出るおもちゃのようなものよ。説明は以上。わかった?」


先ほどまで何もなかった地面はいつの間にか大量の瓦礫で埋め尽くされていた。

シャドウジョーカーのメンバーが協力して敷き詰めたのだ。


「それじゃあ始めるわ。スタート。」


既に、瓦礫の中には罠が埋まっていて、迂闊に動けない状況。

地面にかがみ瓦礫の素材を確認する。確認したら慎重に足を進めてい瓦礫と違う素材、なおかつ少し段差のあるところを探っていく。

罠は上から触れなければ大丈夫なのだ。それを利用して素材が違うところを調べる。


しかし、悠長にこの作業をしているわけにはいかない。時間制限がある。

向こうまでに行くのに20メートル。残り時間は12分。

今はまだスタート時点から3歩ほど進んだ程度の場所。このペースでは間に合わない。


「どうしよう…」


フレディは思わず呟いた。

そして、あることを思いついた。

持っていた剣を出し、安全を確認した。瓦礫の下に剣を入れる。もし罠があるなら、黒い影があるはずだ。先ほどよりも簡単にチェックができる。

上から踏まなければ大丈夫なのだから、近くにあるまではすべて下から確認すればいい。


安全な道を確認して着実に進んでいく。

先ほどよりもマシになったとは言え、時間はかかる。急がないとまずい。


「残り3分。」


後半になるに連れて、罠の数が多くなり、確認するのが大変になってきた。

しかし、今更方法を変えるのも面倒だ。

慎重にでも急ぎつつ罠を避けて歩いて行く。


「残り1分。」


心臓の音がうるさい。今、罠の音が鳴っても聞こえないほどに鼓動が高鳴っており、世界がまるで止まったような感じていた。

間に合えと念じながら、ゴールへと近づいていく。

残り30秒。間に合うかどうかわからない。いちかばちかの賭けだ。


「…やった!クリアだ!」


何とか第2試験をクリアした。


「おめでとう。残り15秒ギリギリね。まぁクリアしたことに変わりは無いからいいけど。」

「お前なかなかやるじゃないか。ちょっとぐらいなら認めてやってもいい。」

「次が最後の試験。これをクリアすれば最前線で戦うことができる。」

「どんな試験でもかかってきて!」


フレディは今ならどんな試験でもクリアできそうな気がした。波に今乗ってきているんだと心の底から感じていたからだ。

この試験をクリアすれば、シャドウジョーカーに入れる。クリアしなくてはならない。


「最後の試験…それは、オーウェンと一騎討ちで勝負すること。」

次回予告

なんかとか第2の試験までをクリアしたフレンド。このままいけばシャドウジョーカーに入れると心を躍らせていた。しかし待っていたのは最終試験それはオーウェンとの一騎打ちだった。果たしてフレディは勝利することが出来るのか。


見てくださりありがとうございます!明日もこのぐらいの時間の投稿になります。

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