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忘却の世界で━奪われた記憶と終わらない約束  作者: 夜空るる
1章 ファンシービビット王国編
5/50

試験開始!

前回のあらすじ

少女たちを救うため、フレディはシャドウジョーカーに依頼をしに行く。話を盗み聞きして見つかるが、リーダーのグレースに助けられ、中で事情を説明。協力は断られるが、自分の手で助けたいと訴えたことで、試験を受けることになる。翌朝、フレディは試験に挑むことになった。

「今から試験を始める。」


とうとう始まるんだと言う思いに、息を飲んで、どんな試験なんだろうと言うワクワク感。それと同時に少し襲ってくる不安。

しかしこの試験をやりきればシャドウジョーカーの仲間に入れてもらえる。

そうすれば2人のこともきっと助けられるはず!


「それじゃあ試験の内容を説明するわね。試験は第3の試験まである。これらすべてを乗り切ったら実践部隊として前線で戦うことができる。」


行きたいのはもちろん実戦部隊の前線。全力で取り組む必要がある。

気合いだけは誰にも負けないぐらい十分。


「それじゃあ第1の試験について説明するわ。第1の試験では逃走してもらう。オーウェンが鬼としてあなたは追いかけてくる。

10分間逃げ切れたら第一試験クリア。」

「絶対に捕まえてるからな。」

「説明は以上クリアしたら第2の試験について話すわ。それじゃあスタート。」


グレースさんがパンと手を叩くとオーウェンさんが追いかけてきた。

素早く、俺の方に近寄り早くも捕まりそうになる。ギリギリのところで避けて回避できたものの、次避けられる保証は無い。


「なかなかすばしっこいじゃねーか。でも、まぁいつまで続くか。」



確か人間はまっすぐ走るよりもジグザグ走ったほうが相手から逃げやすい。

この体制で何とか逃げ切ってるが、いつ限界が来るかわからない。


「そんな小細工してもすぐ追いついてしまうよ。」

「俺は逃げ切りますからね!」


頭を回転させて、策を探す。

ふと、ミナミからもらった袋のことを思い出した。

その中に、確かロープも入っていたはず。

ロープが何かに使えるかもと思い、ロープを素早く取り出す。

そしてすぐそばにあった木にロープを結びつけターザンのように、渡ろうとようと考えた。


「行け!…届かない…!もうちょっとなのに!」

「何やってるが知らんがそんなことしても無駄だ!さっさと諦めろ!」


距離が離れており、木にロープを結び付けられない状態だ。

何とかして、木のところまで行かなくてはならない。

そこで先ほど見た会場の景色を思い出した。

ここには土管がある。そしてオーウェンさんは体が少し大きい。これ使えるかも…


俺は進行方向を変え土管のある方向へと走っていった。

幸い、土管は横向きに倒れており、中に入れる状態になっていた。

迷わずその土管の中に入った。


「こんな土管の中に入っても意味なんてねぇのにな!」


よし!うまくいってる!心の中でそう叫びながら、オーウェンさんが土管の中に入ってきてくれるのを待っていた。


「いつまで隠れてるんだ?こんなところで時間稼ぎしても無駄だぞ?」

「ならここまで来てみてください!オーウェンさんならできるんじゃないんですか。」

「ふっ、いいだろう。」


外で待っていたオーウェンさんが土管の中へと入ってきた。

試験前にグレースにオーウェンさんの性格を聞いておいた。




「グレースさん。オーウェンさんってどんな性格なんですか?」

「オーウェン?怒りっぽくて、褒められるとすぐに調子に乗る。疑り深くて、でも仲間の事は自分の命に変えてでも守ってくれる。そんなやつ。」

「ありがとうございます。」

「こんなこと聞いて何になるの?」

「少し役に立つかなって。」




やっぱり聞いておいて、正解だった。オーウェンさんの性格的に褒められたらやらないと言う選択肢はない。

俺は思い切って走り出した。


「オーウェンさん!ちょっと先にいかせてもらいます!」

「ちょっと待て!お前!騙したな!」

「俺はそこに入れなんて一言も言ってないですよ!ちょっと褒めただけです!」

「くそぉ!!」


今しかないと思い、全速力で木の方へと走っていった。

そして、素早く1番大きな木に上り、目の前に見える木にロープをかけた。オーウェンさんが下で追いかけてくるタイミングを見計らって、木から消えと大ジャンプをした。

風を切る感覚が今まで感じていた不安を消し去って幸せを運んできてくれる。


木から木へと移るジャンプを繰り返しているとあっという間に10分が経っていた。




「第1試験クリア。体格差を使って土管にはめるなんてなかなかすごい技ね。次の試験が楽しみだわ。にしてもオーウェン、情けない。それでもあなた、私の右腕?」

「グレースこれはちょっとその言葉の罠っていうかさぁ…」

「もし敵にそんなこと言われたらどうするの?さっきみたいにホイホイ行くの?」

「そんなことない!多分…」


オーウェンさんが俺の言葉につられて、土管にはまってしまったことについてグレースさんはかなり不満みいだ。

組織の福リーダーが土管にはまっている姿なんて確かに見たくはない。ましてや自分の大切な部下でなんて…申し訳ないことをした。


「それじゃあ、次の試験に取り掛かるわ。第2の試験。罠を見抜いてもらうわ。」

「罠?」

「ドラム缶とか瓦礫そこら中に見えているでしょう?実はあれの中には罠かけられているの。

それを見抜いてもらう。そしてこの地面いっぱいに敷き詰められた瓦礫の中を歩いてあと20メートル先のゴール行ってもらう。

時間は15分。それがクリア条件。

もちろん罠は危険なものじゃなくて少し音の出るおもちゃのようなものよ。説明は以上。わかった?」


先ほどまで何もなかった地面はいつの間にか大量の瓦礫で埋め尽くされていた。

シャドウジョーカーのメンバーが協力して敷き詰めたみたいだ。


「それじゃあ始めるわ。スタート。」


既に、瓦礫の中には罠が埋まっていて、迂闊に動けない状況だ。

地面にかがみ瓦礫の素材を確認する。確認したら慎重に腕を進めてい瓦礫と違う素材、なおかつ少し段差のあるところを探っていく。

罠に上から触れなければオッケーなのなら近くに行っても素材が違う事はわかるはず。


しかし、悠長にこの作業をしているわけにはいかない。時間制限がある。

向こうまでに行くのに20メートル。3分あれば安全に確実に行けるだろう。残り時間は12分。

今はまだスタート時点から3歩ほど進んだ程度の場所。このペースでは間に合わない。


「どうしよう…」


あることを思いついた。

持っていた剣を出し、安全を確認した。枯木の下に剣を入れる。

そしてその剣を少しずつ進めていく。すると、先ほどよりも簡単にチェックができる。

上から踏まなければ良いのであれば、近くにあるまではすべて下から確認すればいい。


安全な道を確認して着実に進んでいく。

先ほどよりもマシになったとは言え、時間はかかる。急がないとまずい。


「残り3分。」


後半になるに連れて、罠の数が多くなり、確認するのが大変になってきた。

しかし、今更方法を変えるのも面倒だ。

慎重にでも急ぎつつ罠を避けて歩いて行く。


「残り1分。」


心臓の時々が止まらない。今罠の音が鳴っても聞こえない位に鼓動高なり、世界がまるで止まったような感じだ。

間に合えと念じながら、ゴールへと近づいていく。

残り30秒。間に合うかどうかわからない。いちかばちか。


「…やった!クリアだ!」


何とか第2試験をクリアした。


「おめでとう。残り15秒ギリギリね。まぁクリアしたことに変わりは無いからいいけど。」

「お前なかなかやるじゃないか。ちょっとぐらいなら認めてやってもいい。」

「次が最後の試験。これをクリアすれば最前線で戦うことができる。」

「どんな試験でもかかってきて!」


どんな試験でもクリアできそうな気がした。波に今乗ってきているんだと心の底から感じていたからだ。

この試験をクリアすれば、2人のことを助けられる。やっとここまで来た。絶対にクリアする。クリアする以外の選択肢なんてない。


「最後の試験…それは、オーウェンと一騎討ちで勝負すること。」

次回予告

なんかとか第2の試験までをクリアしたフレンド。このままいけばシャドウジョーカーに入れると心を躍らせていた。しかし待っていたのは最終試験それはオーウェンとの一騎打ちだった。果たしてフレディは勝利することが出来るのか。


見てくださりありがとうございます!明日もこのぐらいの時間の投稿になります。

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