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11日目、作戦開始

前回のあらすじ

潜入5日目。フレディはチュラメリダの行動を1日観察し、鍵を狙えるタイミングを探る。そして

ついにひとつの弱点を掴んだ。チュラが鍵を机に置くのは食事中のみ。この瞬間こそ、鍵をすり替える最大のチャンスだと確信する。その情報を仲間と共有し、偽の鍵作りも順調に進む。

決行日潜入11日目。いよいよ作戦が始まろうとしていた。

11日目。

今日は作戦の実行日だ。朝、3人で集まり最終確認をする。


「じゃあチュラさんが食堂に来て鍵を置いたら、ヴィレがちょっとした騒ぎを起こす。気を取られてるうちに鍵をすり替える。すり替えた鍵を使って資料保管庫に入る。これでいく。」

「任せといて師匠!派手に騒ぎ起こすから!」

「危険なこととかはしないでよ。」

「わかってますよ!」




昼時。たくさんの人が食堂に集まっている。その中にはもちろんチュラさんの姿もあった。


「じゃあヴィレ、お願いしますできる?」

「任せてください!」


俺たちはチュラさんの近くの席に座りタイミングを見計らう。

ヴィレは中央へと向かう。


ヴィレはトレイにスープとパンを乗せ、ふらふらとチュラさんのテーブルのそばを歩く。わざと足元をもつれさせ、派手にスープを隣の席のガラの悪そうな男にぶちまけた。


「おいコラァ!なにしてくれとんじゃ!」「あーごめんなさい〜でも、僕躓いただけなんで。それに…睨まれても怖くないっすよ。あなた弱そうだし。」


耳元でヴィレはそう囁いた。


「…は?」「聞こえませでしたか?僕優しいんでもう1回言ってあげますよ?」「テメェ…!」


男が椅子を蹴って立ち上がり、食堂中が一気にざわつく。チュラさんも眉をひそめ、騒ぎの方へと視線を向ける。次の瞬間辺りに響く衝撃音。

とるなら今だ!ドロシーが素早く鍵を入れ替える。チュラさんは入れ替えられたことに気づいてないようで、偽物の鍵を持って騒ぎの方へ行ってしまった。


「フレディさん。」

「ありがとう。行ってくる!」




ヴィレが注意を引き付けている間になんとしてでも情報を抜き取らなくては。

資料保管庫はもうすぐ目の前。急がなくては…

重い扉を開けると、大量の資料が置いてあった。短時間でもこの膨大な資料を見ることが出来るのだろうか?いや、とにかく今はやるしかない。

俺が探しているのは裏切り者についてのこと。一段ずつ一段ずつ、調べていく。


「違う…これでもない…」


なかなか見つからない。早くしないとバレてしまう。…と言うかどうやってチュラさんに鍵を返そう。返せなくないか?鍵を渡したらすり替えてることがバレるし…もしかして詰んだ?思考をいくらめぐらせても思いつかない。…とにかく!今は裏切り者の資料を探そう!鍵のことはどうでもいい!


「これは…違う…こっちも…違う。」


ない。どこにも。手がかりとかないのかな?手がかりがあればいいんだけど。

部屋は暗くて何も見えない。どうするべきだ。


「あれ…」


奥の方に何やら棚を見つけた。その棚には一般観覧禁止と書かれた本があった。

その本を手に取り開いてみる。


「これ…」


中には裏切り者についてのことが書かれていた。




Code Number 6384

Code Name ×××××ス

Real Name ××ラ×


彼は組織の情報を外部に漏らしたとして、告発されている。

尋問をした結果、彼は自分はやっていないと罪を否認。何度聴いても、何十時間その場に拘束しても答えは変わらない。

証拠は十分。折れるのも時間の問題だろう。


拷問も尋問の時と同様、自分はやっていないと罪を否認。

1度懲罰房に入れ、様子を見る。


数日したが、未だ罪を否認。その場に残っていたもの、目撃情報、バディ、チュラメリダの証言。証拠は十分すぎるほどある。よって5日後に罰を執行する。


組織の情報を外部に告発。これはこの組織の最も重要な掟を破ったこととなる。よって鞭打ちの刑の後死刑とするのが妥当。


記録人 チュラメリダ




本の内容はそんな感じだった。名前の部分は黒く塗りつぶされており、見えない部分が多かった。それに記録人チュラメリダって…チュラさんは裏切り者について何か知っているのか…?


他の場所を探してみるもこれといった記載はなく、見つかったのはあの本だけだった。

それともうひとつ気になるものがあった。

真新し紙に書かれたオブリビオンについての研究記録。



3月26日

オブリビオンの能力を研究すればこの国はもっと強くなれる。そのためにもこの「記憶の媒体」の制作を急がなくては。


4月5日

オブリビオンを捕らえることに成功。しかし、危険でなかなか近づくことが出来ない。安易に近づくと記憶を消されかねない。この一週間で5人の記憶が消された。なにか作を考えないと。


5月11日

捕らえたはずのオブリビオンが数体消えていた。たしかに昨日まではここにいた。今朝来たら数体居なくなっている。自然消滅する可能性があるを視野に入れておかなければならない。


5月16日

オブリビオンは話すことが出来ない。まるで壊れた人形のようだ。オブリビオンが人を襲うのは本能。誰がこんなバケモノを生みだしたのだ。少なからずこれは自然に生成されるものではない。明らかには人工だ。




オブリビオンについての記載はここで止まっていた。この前食堂でオブリビオンの研究について話している人がいた。

この施設のどこかに研究室があるのかもしれない。時間があればそれも探ろう。



資料保管庫を出て食堂に戻ると、なんとまだ騒ぎは続いていた。チュラさんだけでなく、たくさんの看守が集まり2人を引き離していた。


「ヴィレさん、思ったより激しくやっちゃって…」

「危ないことはしないでって言ったのに…」

「どうでした?資料保管庫。」

「少し情報は集まったかなって感じ。それでこの鍵なんだけど…どうやってチュラさんに返そう…」


その時、背後からチュラさんの声がした。


「…何を返すって?」


背筋を冷たいものが走る。心臓がいやにうるさく響いた。

次回予告

鍵のすり替えは成功し、フレディは資料保管庫から裏切り者とオブリビオンに関する記録を手に入れた。

しかし

「…何を返すって?」

背後から響いたチュラメリダの声。すべてを見抜かれたかのような冷たい視線。計画はここで潰えるのか、それとも突破口を見出せるのか。仲間を守るため、真実を知るため、フレディの決断が試される...

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