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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第二章
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第十二話

飛鳥視点


魔王軍と戦い、完勝を収めた次の日には第六と第七の騎士団が魔王軍を追撃したが、二週間後に魔王軍が私達の居る大陸から撤退したという。魔王軍に支配されていた領土は解放されて、支配された土地で長年暮らしていた人達も騎士団が保護し、魔王軍撤退の報告はその人達によって齎された。確認の為にまだ騎士団は滞在している。


その間に色んな人達がこの要塞を訪ねる。殆どの人が支配地域の復興か、土地の利権を得ようとしている者達。それと、今回の最大の功労者である勇者達への接待だった。勿論、私達のパーティーは嫌がり、勇者の証拠である学校の制服から目立たない現地の服を着込んだ。


この要塞が戦いの最前線でなくなった為、要塞の周辺では街を起こそうという話が上がっている。今までは最寄りでも歩いて一日掛かる街から買い付けをしなくてはいけなかった所、直ぐ近くに街が出来て、買い物も自由に出来るのは騎士団…特に第九の人達が喜んでいた。


にしても、ウザったい事態が起きてるのは確か。あの戦い以降、私や勇者達に話し掛ける騎士の人達が多く、その大半が自分を護衛騎士にしてくれと頼み込む者達だ。

まぁ、興味ないと一言伝えれば、引き下がるし、引き下がらなくても一睨みすればビビって逃げるから良いんだけど…。ウザったいのは………。


「ねぇ、アキト君。髪型変えてみたんだけど…どうかな?」

「アキト君。この香水って良い匂いじゃない」

「アキト君って何が好きなの?私、結構お料理得意なんだぁ」


明人に言い寄る女が増えてる…!

いや、正直この長い期間一緒に居て明人がこの世界の女性達にモテてるのは知ってた。けど、明人があの戦いで活躍してからこういうのが増えた。勇者以外で目立ってたのは確実に明人だ。明人は能力を持っていないのにも関わらず、勇者と同じ活躍をした。


それに明人は優しいから強く拒絶出来ないので落とせるかもと狙う女性が多い。玲子の護衛騎士であるエリストさんもかなりモテる。だが、明人程に熱烈じゃない。多分それは玲子には勝てないと思ってるから。明人に熱烈なほど人が集まるのは……私、舐められてる。


明人は言い寄られて困惑していると私を見付け、助かったという表情をした後に両の掌を合わせ、彼女達へと向かって頭を下げる。


「…ごめん!勇者様が呼んでるから!じゃ!」

「「「あ〜~…」」」


彼女達は残念そうに声を漏らし、私を見てあからさまに、明人に聞こえないように舌打ちをした。…こんな嫌な女達に渡してなるものか。


「じゃ、明人。行こうか」


私は見せつけるように明人の腕に絡み付いて、胸を押し当て、身体を擦り付ける。これは私のだとマーキングする。


「あ、ああ」


明人は顔を赤くして困ったように返事をした。


少し歩いて彼女達が見えなくなると明人は立ち止まる。


「ありがとう飛鳥。助かったよ」

「ふ〜ん。鼻の下伸ばしてるように見えたけど…!」

「伸ばさないって。俺は鼻を伸ばさないように頑張ってるんだから」


それって遠回しに嬉しかったって事じゃない。


「あっそ!ならカッコつけないでデレデレ鼻を伸ばせば良いじゃない!」

「カッコつけたいだろ。好きな人の前では」


…え?それって……。


「飛鳥の前でみっともない姿を見せたくないからな。鼻を伸ばさないように頑張ってるんだよ」


…明人ったら…。明人ったら!!なんでそんな事を平然と言えるの!?もう、もう!!明人ったら♪


「何をデレデレ鼻を伸ばしてるの飛鳥」

「べ、別に鼻は伸ばしてないよっ!って玲子!何でここに!?」

「実は妙な目に遭っちゃって…。ちょっと貴山君来て。ついでに飛鳥も」


私、ついで扱い!…という事は明人が解決するべき事態が起こったって事かな?私は明人と一緒に玲子の後を追った。


玲子の後を追った先では何やら若い騎士達が集まって揉めている。構図的には大勢対少数。…あれ?良く見ると少数側は全員護衛騎士で、その中にはエリストさんやヒューリさんとミカエルさんも居る。


「ただ第一・第二ってだけで護衛騎士なんて納得いかねぇ!!実力なら俺達の方がある筈だ!!王都でぬくぬくと過ごしてるくせに!!」

「と、言われても…。事実、実力があるから第一・第二に所属が出来たんだ。それに実践だってしない訳じゃない。第一・第二が最も優れてるとは言わないけど、実力はあるよ」


激情している若い騎士にエリストさんがそう反撃する。


「実際に俺達と戦ってないくせに自分達が実力があるというのか!?」

「いや、今君達だって、僕達と直接戦った訳でもないのに実力は自分達の方があると言い張ってたじゃないか」


エリストさんの言葉に彼は顔を真っ赤にして、屈辱的に顔を歪めてからエリストさんから背ける。すると視線は此方側へと向けられる。


「そうだ!お前も気に食わなかったんだ!」

「え?」


若い騎士はズンズンと明人の前へと歩き、眼前に突っ立つ。


「お前も勇者様のお蔭で強くなったのにチヤホヤされやがって!!調子乗ってんじゃねぇ!!」


おっと?


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