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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第二章
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第二話

飛鳥視点


「あ…え…?」


私は声にもならない音が口から出る。


「良し!言えた!もう帰っても良いや!」


…は、はぁぁぁーーー!!!


「えっ!?それだけ!?」

「いや、これ以上先を言うと死亡フラグ立ちそうだし」

「だとしたら全てが終わってから言ってよ!」


こんなお預け状態は納得出来ない!絶対その先言うべき言葉があるでしょ!?


「いつ死ぬかも分からないし、伝えておいた方が良いかなって…」


いつ死ぬかも分からないって…。


「…………なによそれ」


ムカついた。凄くムカついた。

私は明人を押して、押して、押して、ベッドへと押し倒す。


「死ぬつもりも、死ぬっていう可能性も、死亡フラグも許さない。そんな気持ちで戦場へ行くなんて許さない。戦場に行くなら未練を残して、絶対に帰りたいと思ってよ。……私が明人の未練になる」


私は制服のリボンを取って、ボタンを上から三つまで開けて、明人の手を取って私の胸へと当てる。


「生きて。生きて帰ったら…。この先の事する。約束ね」

「この先…」

「ええ…。この先」


私はそう言って明人の唇を奪い、直ぐに離す。


「この先をするから。…これで未練たっぷりでしょ?」


私はウインクをしてから身体を起こして、そのまま扉へと移動して手を振る。


「じゃあ、また明日」


そう言って私は退室した。その瞬間、顔から火が出てるのかと思うほと熱くなり、身悶えるほど恥ずかしくなる。


「〜~~~///」


やってる事、完っっ全に痴女だよっ!痴女っ!私はボタンを嵌め直し、リボンを付け直す。


「でも、明人が悪いよ。いつ死ぬかも分からないとか変な事を言うから…」


はぁ…。…でも、それくらい過酷という事だよね。魔物と戦うという事が。私は深呼吸を一つ、二つとして気持ちを切り換えて、玲子達の部屋へと行こうと右を向くと気まずそうな顔をし、腕組みしてる玲子が居た。


「あ〜と。うん。飛鳥もそう言う事に興味あるわよね。うん。大丈夫。恵那にも言わないから。何だったら少し休んできても…」

「大丈夫!そこまでしてないから!」


玲子はふ〜んと手を顎へと当てる。


「つまり近い事はしたと」

「!!?!?!!」


顔の熱さが臨界点を超えて、沸騰したみたいに脳が体温の熱さにやられそうになる。


「まぁ、焦れったいと思ってたし、貴山君と進展して良かったじゃない」

「ちょっ!だからっ……って、玲子…気付いてたの?」


熱された脳が一気に冷える。いつ気付いてたの?アキトが明人って事。そんな素振り見せなかったのに……。


「ええ。見たら分かるわ」


私の反応とは反対に玲子は大した事ではないかのように素っ気なく言い、私は少しポカンとしてしまう。


「他の皆は気付いてなかったのに…」

「気付いてるけど、知らないフリしてるんじゃない。全く変わらないし」

「い、いや!変わってるよ!身長とか体格とか!」

「そう?私、別に興味ないし」

「…そうですか……」


好きな人を興味ないと言われるのは嬉しいような、嫌なような………複雑な気持ちとなる。


「それで、彼に聞いたの?私達と組んで良いかって」

「あ、うん。昨日、玲子が言った通りにしたよ。オーケーだって。あ、あと、玲子の護衛騎士のエリスト?だっけ、その人と明人が友達なんだって。だから、連携はしやすいって」

「エリストからもその話は聞いたわ。それと樋口君の護衛騎士も友人らしいわよ」

「そうなんだ」

「聞いてないの?」

「うん」


私がそう頷くと、玲子は口を手で抑え、ニヤッ…とした笑みとなる。


「ああ。…イヤらしい事をしてたから聞いてなかったのね」

「えっ!だから、違うって!」


冷めてた筈の熱が再燃して、また熱くなる。


「じゃあ、イヤらしい約束をしたの?」


その言葉に頭の中がフッと真っ白になる。


「えっ…何で分かって…」

「え、本当にしたの」


玲子は驚きながら言うので、私の顔は自然と膨れっ面になる。


「〜~〜///もう!玲子!」

「ごめんなさい。少しからかおうとしただけで、かまかけるつもりは無かったのよ」

「それ!謝ってるようで謝ってないよ!」

「そうね。ごめんなさい」

「もうっ…」


玲子が本当に申し訳なさそうにしてるから、怒れなくなり、勢いが吐いた息と共に消える。


「それで……だけど。樋口君もチームに入れない?」

「え?何で?私達三人で良いんじゃないの?」

「いや、多分だけど男女合わせで、護衛騎士を含まない四〜五の人数で勇者が組む事になると思う」

「その根拠は?」


玲子が言うなら確かになるんだろうけど、その理由が見当がつかない。玲子は確信した顔で頷き、説明を始める。


「実は私を教えて担当してくれた騎士が言うには、この国は分隊規模で部隊を纏めて、その上に部隊長となってるらしく。中隊、小隊に分ける時も分隊規模から編成してチームを作るらしいの」

「…えっと、ごめん…そう言うのあんま詳しくないんだ…。小隊とか分隊って何?」

「分隊は部隊編成の最小の単位、小隊とか中隊はその数が増えたと考えて良いわ。日本では分隊は10〜15だけど、こっちだと8〜12を分隊として分けるらしいの。なら、チームを組むなら四人から五人。護衛騎士を含めると倍の8〜10になるの」

「なるほど。確かにそれを聞くと納得」

「ええ。それに恵那と樋口君は両想いだし、護衛騎士達が知り合いで丁度良いかなって」

「ふむ…」


…………えっ!恵那と樋口君ってそうなの!?


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