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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第二章
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第一話

明人視点


一月前


俺と飛鳥が再び出会った次の日、勇者達が選んだ騎士を指名する為に王城の外庭で勇者達が並び、その後方で国王陛下と近衛騎士が見ている。


宰相が前へと出て、宴へと呼ばれた騎士達を全員見渡す。


「では、これより勇者様方が其々騎士をお選びになる!!静粛にし、騎士として堂々とした振る舞いをし、呼ばれるのを待て!!」

「「「「「はいっ!!」」」」


勢い良く返事はするものの皆選ばれるどうかソワソワしている。中には自分が選ばれる事に絶対の自身を持つ者も居る。因みにではあるが、宴へと呼ばれた条件は十代後半から二十代前半までの騎士で、其々の騎士団長が選出した者達。所謂、選ばれし若手騎士という事だ。全員の実力は折り紙付きだ。まぁ、家柄で選ばれてるのも少なくとも居るが。


「では、先ずは青山薫様!」

「はい!…私は…」


青山は迷わず女性騎士達が居る方へと赴き、一人の女性の前へと止まる。


「エレナ。是非、私と来てほしい」

「はい!喜んで!」


金髪のゆるくパーマが掛かっている綺麗な女性、海外アーティストみたいな容姿。ああいうのがタイプなんだ。選ばれた騎士は勇者の隣へと一緒に移動する。次々に男子生徒達が呼ばれ、皆女性騎士を選ぶと思ったが…。


「俺はヒューリと戦う。宜しくな!」

「ああ!」


大和とヒューリは互いに拳を差し出して、ぶつけ合う。大和だけは男性騎士を選んだ。他の男子生徒達はその姿を見て、男色なのではとヒソヒソ話し合う。大和の場合はただ単に女性が苦手だからだろう。俺の時はだる絡みするけど、飛鳥と話す時にめっちゃ緊張するからな。志村もそれを面白がってちょっかい掛ける事も多い。


次からは女子生徒達。一番最初に呼ばれたのは確か相澤さんだったな。宰相に呼ばれた相澤はビクッと肩を跳ね上げるとビクビクした様子で女性騎士達の前へと進む。


「わ、私は…ミカエルさんで」

「はい。お任せ下さい。貴方を必ずどんな魔物からも守ってみせましょう!」


女性を選んだのは相澤さんのみで、呼ばれた女子生徒全員が男性を選んでいく。


「エリスト。私と共に来て」

「イエス。マイマスター」


エリストは清水さんに選ばれた。確か清水さんって凄い面食いって噂があったけど、どうやらエリストは御眼鏡に適ったようだ。


次に志村、津川と選んでいき、次に飛鳥が呼ばれる。飛鳥と俺の視線はかち合い、俺の前へと立ち、手を差し出す。


「明人。私と一緒に来て私を守って」

「分かりました。勇者様」


俺は跪いて飛鳥の手を取り、手の甲に忠誠を誓う口付けをし、その後に立ち上がり、飛鳥の顔を見ると耳まで真っ赤にしてるのが分かった。飛鳥は俺の腕を掴んで、誤魔化すみたいに踵を返し、俺を引っ張って元の位置へと戻る。その途中、小声で「バカッ!」と罵られた。


最後の一人も騎士を選ぶと王様が近衛騎士と共に前へと出て、壇上へと登る。


「選ばれた者も!選ばれたなかった者も!今回の魔王討伐の為に戦う!決して選ばれなかったとはいえ、自身が劣ってるなど思わないで欲しい!君達の実力は英雄となれる程だと私は確信している!実力を示せ!勝利を得よ!自身の栄華を見せ付けよ!」

「「「「「はい!!」」」」」


と、返事するが何人か不服そうなのは居る。マイクとエグロは選ばれなかった。しかし、あまり気にしてる様子がない。自分達は自分で成果を上げようと考えているんだろう。


王様が演説を終えて王城へと戻った後、勇者と選ばれた騎士達は勇者と一緒に捌ける。選ばれた騎士は勇者の隣室へと案内される。


「うわっ。良い部屋」


今まで泊まってた部屋に比べて随分上等な物だ。俺の元の世界の部屋より良いぞ。ベッドに座ると元の世界と競るレベル。そんな感想を抱いているとコンコンと扉が叩かれる。


「はい」


俺は立ち上がり、扉を開けると俯いている飛鳥が居た。


「どうした?」

「少し…良い?」

「良いけど…」

「じゃあ、部屋に入れてくれる?」

「うん」


俺は飛鳥を部屋の中へと入れて扉を閉める。すると、軽くではあるが手刀でゴンッと殴られた。


「あてっ」

「あんな人前でっ!恥ずかしいでしょ!」

「でも、嫌じゃなかったろ?」


俺は冗談めかして言うと飛鳥は顔を赤くして絶句する。


「あれ?本当に嫌じゃなかった?」


飛鳥は俺をキッと睨んでベッドにある枕を取ってバンッと殴られた。


「だ、だって!女の子なら騎士とか王子様に手の甲をキスされるなんて一度は夢見るでしょ!」

「今どきそこまでメルヘンなのは飛鳥だけだっ、ぐっ」


また枕で殴られた。


「うるさい!」


飛鳥は呆れたように息を吐き、枕をベッドへと戻す。


「こんな話をする為に来たんじゃないの」

「ん?じゃあ、別に話があるんだ」


飛鳥はコクンと頷き、上目遣いで迷ったようなモジモジした態度で見てくる。…コイツ、ワザとやってるだろ。可愛い…。


「…明人……私…一緒に組みたい人が居るんだけど…」

「別に良いけど…。誰?」


俺は内心の想いを隠しながら問う。


「玲子と恵那なんだけど…知ってる?」

「まぁ、宰相様が仰られてたから分かるけど。清水さんは面食いのイメージで、相澤さんは申し訳ないけど、特に印象がないなぁ」

「そっか。でも、直ぐに仲良くなるよ。二人共優しいし」

「そう。あ、でも清水さんの護衛騎士は俺の友人だからある程度の連携取れるから組んでも問題ないかな?」

「えっ!本当!?じゃあ早速二人に伝えて来る!」


飛鳥はそう言って部屋を出ようとする。えっ!もう帰るのかよ!

俺は飛鳥の腕を掴んで抱き寄せる。


「えっ…」

「……飛鳥。…また会った時に伝えようと思ってたから言うけど…」


俺は自身の口を飛鳥の耳元へと近付けて…。


「好きだよ。飛鳥。愛してる」


そう囁いた。


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