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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第一章
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第三十七話

第三者視点


エリストもヒューリに次いで跳躍で中心へと着地し、共々聖心力を切ってシリアスを睨み、エリストはシリアスの手を掴もうとするが先にヒューリが握り潰さんかという程に力を込めてシリアスの手首を握る。


「手を離せよシリアス」

「嫌だと言ったら?」

「握り潰す」


ヒューリは力を更に込めるとシリアスは顔を顰めて反射的に手を離し、ヒューリの手を払う。ヒューリは直ぐにサリアを抱き、無事を確認する。


「サリア!無事か!」

「はい。大丈夫よ、ヒューリ。ありがとう」


その親密な雰囲気に恋仲であるとシリアスは気付いて更に顔を顰める。


「サリア!お前は私に相応しい美貌を持っている!それにヒューリなんぞより私は将来有望で、誰よりも特別だ!私の婚約者になれ!」


サリアはキッとシリアスを睨み、更にヒューリへと体を密着させ、委ねる。


「嫌よ!あんたみたいな自分都合な人間!将来有望でも特別でも興味はないわ!それにあんたの顔は好みじゃないのよ!」

「なっ!」


シリアスは顔を真っ赤にしてサリアへと向かって頬を引っ叩こうと手を振り上げるが、エリストが腕を掴む。


「おい。僕の妹に何をする気だ」


シリアスはチッと舌打ちをしてエリストの手を払う。


「通りで見る目がない」

「ああ?」


エリストから珍しく恫喝するような低い声を出す。


「見る目あるわよ!あんたみたいな最低な男を選ぶのは目が曇ってる女の子だけよ!」


サリアの言葉に声を上げたのはシリアスではなく、周りの取り巻きだった。


「何を言ってるんだ君は。シリアス様を選ぶ者こそ審美眼に優れし者だ」

「シリアス様に選ばれてるんだ!さっさとこっちに来い!」


シリアスの取り巻き達がサリアとヒューリを囲うように迫るが間に騎士団の制服に身を包んだリートが入る。


「婦女暴行。騎士になる者の所業とは思えんな」

「貴様はヒューリの兄の…」

「リートだ。…それにしても伯爵家の御子息がよくこのような蛮行を出来たものだな」

「黙れ!子爵家如きが僕に指図するな!」

「騎士候補生風情が良くも上から目線で語れるな」


リートはシリアスを見下しながら蔑んだ瞳で見る。シリアスもリートを激しい怒りを乗せた表情で睨み、突如フッと笑って手袋を自身から取り、リートの隣を抜けてヒューリへと投げる。


「決闘だ。サリアを掛けて」


ヒューリは目の前に落ちた手袋を拾い、思う。この問題を放置したら後々もシリアスが関わってくるだろう。なら、自身の手で終わらそう。


「分かった。受けて立つ」


ヒューリの決断にエリストは爽やかに笑い、肩を掴んだ。


「僕も乗せてもらうよ」


エリストも参戦の意を示した事でシリアスは少しの逡巡の後に頷く。


「なら、五対五の決闘で点取り式にしよう。それで私達とお前達の差を教えてやる」


リートは手を上げてヒューリとシリアス二人を交互に見る。


「では、決闘の立会人が俺がやろう。審判役は平等になるよう王都の騎士養成施設の教官にして貰えるように話すからな」

「分かったよ兄様」

「私もそれで良い」

「では、これで解散としよう。他の皆様も解散するように!」


〜~~

アキト視点


「それからサリアを送って、ラストさんとエリアさんに事情説明と謝罪をしてから帰って来たんだ。今、多分兄様が教官に決闘の話を通してると思う」


決闘なぁ…。何とも懐かしい話だ。それに今の話的に俺も戦う事になる、と…。にしても点取り式とはそっちは転生前は何度か聞いたくらいだな。


「済まない!勝手に巻き込んでしまって!」

「それは僕が横槍を入れたせいだ。三人共、スマン」

「別に気にしてない。寧ろ、俺の友達が女の為に体張れる奴だと分かって嬉しいよ」

「アキト…」

「そうだぞ!全員でアイツ等を吹っ飛ばそう!」

「その通りだ。遠慮なく私達を頼れ」

「マイク、エグロ…。助かる!ありがとう!」


翌日、俺達五人とシリアス五人は教官の部屋へと呼び出され、教官によって設けられた決闘の詳しいルールを聞く事となった。


「決闘の方式は五対五の点取り式。全ての決闘が終えた時により多く勝っていた方の勝利。決闘の勝利条件は頭に有効打を当てる。ラインより外側に出す事。武器を地面に落とさせる事。尻餅をつかせる事。反則は鎧や兜の防具、武器以外への攻撃。身内による妨害行為。以上だ。ルールに対する不満や質問はあるか」


教官がそう問い掛けるが誰も返事をしない為、是と受け取り、そして宣言する。


「立会人はリート!審判役は私、ザイール・ガイングラウンが務めさせて頂く!」


…何気に教官の名前を初めて知ったな。しかも、ガイングラウン流の正当な血縁者とは通りで強い訳だ。


「それでは其々に要求する物を述べよ!」


先ずはシリアスが一歩前に出て大声で宣言する。


「私はサリアという娘を!」


俺はヒューリを見ると視線がかち合い、頷き合う。ヒューリは一歩前に出て、昨日話して要求する物を決めており、この事はリートさんの提案だった。さてさて、見物だな。奴等がどれほど驚くか。


「私はシリアス含めた取り巻き達全員の施設の退団を要求します!」


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― 新着の感想 ―
そうですな、ゴミは一気に、片付けるべき時に片付けないといつまでも散らかりっぱなしではね( ˘ω˘ )
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