最終章・プロローグ
勇者と魔王の最終決戦、その日の魔王城の王の間では四天王三名は配下の三人を隣に従え、レッドカーペットを挟んで自身の我が主を待ち、遂に時が来た。
観音開きの扉は骸骨の兵士二体により開かれ、威風堂々とした姿で魔王は王の間へと足を踏み入れ、その後ろにはマルディを追従させレッドカーペットを渡り、玉座へと座る。
マルディは玉座の前に流れるように跪き、他の四天王は彼女より前で、配下の者共は慕う者の後ろで跪いた。
「さて、四回…いや、三度目の勇者との争いだ。今回は複数人。今回ばかりは四天王からも消滅する者が出る。実際、カマエルも消滅した。一人、二人、三人……全員かも分からぬ。だが、消えるなら役割を果たせ」
魔王は全員を見回して不敵に笑う。
「しかし、だ。我は勝利を確信している。バラキエル」
「はっ!」
「アザゼル」
「…………」
「シャムハザ」
「はっ!」
「そして……マルディ」
意味も分からずに自身の名前を呼ばれ、暫くの余白の後に戸惑いながら「は、はい!」とマルディは返事をする。魔王はその様子を不快に思う事も、咎める事もなく四天王全員を見回し、鷹揚に頷く。
「四天王であるお前達が居る。何も問題は無かろう」
「「「「「「「!?!?!!!」」」」」」」
魔王のその言葉。それはマルディが四天王であると魔王直々に認めたものだった。四天王と配下、マルディとはその後の反応は全く違う。四天王は喜びを含んだ笑みを浮かべ、配下は悔しさと自身が慕う者と同格であるが認められないと顔を顰めていた。そして、マルディは……。
「わ、私が……良いの…ですか?四天王という栄誉ある称号を…」
「構わない。お前はカマエルの代わりに良くやってくれている。お前が継げばカマエルも喜ぶだろう」
「あ、ありがとうございます!魔王様に!そして、カマエル様に恥じない活躍をしてみせます!」
「ああ。期待している」
魔王は立ち上がり、腕を前に出して勇ましく宣言する。
「これより勇者殲滅戦を開戦する!!この戦いに勝利したら世界の掌握へとかなり前進するだろう!!全員!!作戦通り配置につけ!」
「「「「「「「ハイッ!」」」」」」」




