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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第二章
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第五十話

明人視点


会議室として使われている部屋でベテラン騎士に見てきた事、聞いた事を報告する。とはいえ、第六の被害は甚大以外に特筆すべき情報はなく、ただただ魔王軍にしてやられた形だ。それが分かっているからこそ報告を聞いたベテラン騎士は顔を悔しそうに歪めていた。


「…報告御苦労。下がって良いぞ」

「はい!」


頭を下げて部屋から出ると丁度清水さんとエリストが此方へと向かって歩いていた。そっちはどうだったかと聞こうとは思ったが、二人の暗い表情を見て察した。


「ああ…明人君。私達はこれからだけど…君は…既に報告は終えてるわよね」

「はい。……気分が悪いなら少し休憩してからでも良いと思いますが…」

「いえ、こういうのは早めに報告しなければいけないから、そういう訳にはいかないのよ。でも、ありがとう」

「そう…ですか。…あまり無理はされないように」

「ええ」


清水さんはそう言って部屋の中へと入り、エリストも後に続いた。…二人が居るなら他四人も居る筈だよな。何処に居るんだ?清水さんなら既に屋敷の中で休ませてる可能性があるな。


俺は結論に基づいて大和の部屋を目指す。その途中で志村と手を繋ぐ飛鳥と合流した。


「飛鳥、まだ部屋に戻ってなかったのか」

「え、う、うん。戻る前に葵ちゃんと会って、お散歩してた」

「そう。…なら良いけど……」


志村の方に視線をチラッと送る。彼女は肩を竦める仕草をして俺は自分の不甲斐なさに気付いた。やっぱり飛鳥……具合が悪くなっていたか。ちゃんと確認すべきだった。俺は自身の鈍感さを呪いながら志村に感謝する。


「志村。本当に飛鳥と仲良しだな」

「モッチロン♪親友だからね♪」


志村はギュッと飛鳥の左腕を抱き締めた。


「飛鳥を頼んだ。俺は帰って来た四人に会ってくる」

「オッケー♪久々に沢山お話しよ♪」

「う、うん」


俺達は其々の部屋に向かう為、その場で別れた。俺は先ずは大和の部屋へと向かい、扉をノックした。 


「大和、居るか?」

『明人?』

「具合はどうだ…?」

『…良くはないな』

「そうか…。じゃあ、しっかり休んでおけよ」

『おう』


俺は大和の部屋の前から隣に移動してヒューリの部屋をノックする。


「ヒューリ、居るか?」

『おお。何だ?』

「具合はどうだ?」

『まぁ、気分は悪いが、具合は大丈夫だ』

「なら、中に入って話を聞いても良いか」

『勿論だ』


扉が内側から開かれ、部屋の中へと入る。


「多少長くなる。その椅子に座ってくれ」

「ああ。助かる」


ヒューリはベッドに座り、俺はヒューリの目の前になるよう椅子を移動して座った。


「じゃあ、俺達が見てきた事を話そう」


ヒューリが語った内容は概ね俺達と同じ状況だった。同じとは第六の方だが。しかも二つの村も同じく凄惨な様だったと云う。


「シミズ様はかなりあの光景を見て悔いておられたし、しくじったとも仰られていた」

「そうか…」


しくじったと言った事は予測出来たものだったのだろう。清水さんも長らく緊張感が無かったから彼女も気が緩るんでしまったか…。


「ありがとう。助かった」

「いや、見てきた事を話しただけだし、大した事じゃない」

「それでも、だ。じゃあ、俺はこれで。ありがとうな」

「ああ」


ヒューリの部屋から退出して相澤さんの部屋の前に着いたが、その時に中からえずく音とミカエルの心配する声が聞こえて、ノックする手を止め、部屋を尋ねる事は諦めた。


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