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適性無しの転生者  作者: 福王聖二
第二章
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第四十七話

明人視点


「何だと!?生存数は分かっておるのか!?」


先程まで言い争いをしていたベテラン騎士が焦燥を帯びた表情へと変わり、入ってきた騎士に状況を問う。


「それは…………分かって、おりません…」

「何だと!?では、何故そのような情報が入ったのだ!?」

「命からがらではありますが、第三の者がこの村へと辿り着き……被害にあったと伝えるとそのまま気絶しており、現在はミヤタ様が治療したお蔭で完治しております。ただ、いつ起きるかは…」

「治療してるなら起こせ!!」

「ですがミヤタ様が治療疲れがあるから暫しの間は眠らせて上げろと仰られて…」

「…仕方ない。一人を付けておけ。起きたら直ぐに事情聴取しろ」

「はいっ!分かりました!」


入ってきた騎士は敬礼をしてすぐさま部屋から退出する。女性部隊の団長であるエリーファが憂い気な瞳で団長を見る。


「団長…どうしますか…。あの様子だと既に敵は撤退しているか、撃退してるか……。考えたくもありませんが全滅も…」

「ああ…。…では、少数精鋭で向かわせよう。アキト、エリスト第三の所に行ってくれるか」


それは構わないが、俺の嫌な予感を信じるとそれでは駄目だ。


「全ての村に向かいましょう。予想ですけど、騎士団が滞在している場所に敵襲してると思います」


団長は少し顔を顰め、他の人達は「まさか…」と呟きながら顔を真っ青にする。


「…何でその様な結論に?」


団長は少しだけ間を開けてから問う。


「この村に突如空中から奴等は訪れて、勇者様を探すような素振りを見せました。それに今の凶報を考えるともしかしたら何処に勇者が居るか分からないから、全ての村に強襲を掛けた。あくまで勇者狙いだと予想し、第三を襲ったのは勇者の場所を教えなかったからか、殺すべきと判断したからとかの理由でしょう。他の騎士団も同じような状況になってると考えるのは普通かと」

「なるほど。……分かった。では五つ……いや、一様六つだ。村に向かう者達を考えよう」

「だったら、俺と飛鳥…様はニつで、同じチームの他六人でニつはどうでしょう。一番奥の最初の村は俺達がやります。そして、他の村への編成は女性部隊一つ。団長と副団長と数人で一つずつでどうでしょう」


団長は頭の中で何度も反芻し、他の案を巡らせてるのか唇が動き、言葉に出て無いが何かを呟いて、頷いた。


「………うん。現時点で一番良い策はそれしかない、か。君達二人には苦労を強いる。頼んだ」

「「はい!!」」

「では、勇者達を呼んできてくれ。それまでにルートを考える」


俺達は早速飛鳥達と合流する。清水さんは深刻な表情で俺達の姿を見て、覚悟を決めた面へと帰る。


「行くわ。私達と飛鳥、明人で別れて二つの村を見るんでしょ。武器を持ったら向かうわよ」

「「「は、はい!」」」

「う、うん…」

「りょ、了解っす」


六人は清水さんを先頭にズカズカと倉庫にしているテントから武具を取りに向かう。


「…話は玲子からの推測で分かってる。今直ぐに行くよ。ルートは玲子が団長さん達に伝えるから」

「お、おう…」


今出した結論を推測だけで当てるとかやっぱり清水さんの頭脳はマジの化物だわ。俺達は鎧も装着する時間さえ惜しんで村を目指す。飛鳥は腰に挿してた羊皮紙を取り出して広げる。それは清水さんが作った周辺の地形と村の場所が詳細に描かれた地図。


「私達は村を出て、この直線で第六の村を目指し、安全を確認したら最初の村へと戻る玲子は私達から見て、横に直線で進んで第七と第九の村を見る。私達が通らない斜めにある第八の村を団長さん達に、女性部隊の方々には第三を見てきてもらうって」

「…本当に何処まで読んでるんだ、清水さん」


俺が提案しようとしたルートと一緒だ。直線的に機動力がある俺達と清水さん達が二つの村を通る。少し離れた第八は次に機動力がある団長達。第三は第一が滞在している村から近い為、人数が多い女性部隊に頼む。何時から考えていたんだか。


「そろそろ第六に着くよ」

「ああ」


第六の村へと到着すると凄惨な光景が広がっていた。


「これは…」


家は幾つも焼き焦げ、テントは今だに燃えている物さえある。地面には炭化した人や、岩に押し潰されて圧死している者。地面から突き出る土の槍に腹部を穿かれて亡くなってる者達。地面一帯に足の踏み場が無い位に死体が積み重なっていた。


「火と土の魔法使う魔物が現れたか」


飛鳥は大丈夫だろうかと隣を見る。飛鳥は猫背となってお腹を抑え、顔は真っ青にしてガタガタと震えている


「飛鳥」

「あっ…。うん。大丈夫。もう少し見て回ろう」


第六を襲った魔物は既に撤退しているからだろうか、戦闘音は聞こえない。周囲を駆けて回ると人々のうめき声が聞こえ、そちらへと向かうと多くの怪我人が包帯を巻き、ポーションで身体の傷を治して、シーツの上で寝かしている。


怪我人が多く居る中で片眼を包帯で覆い、片刃の大剣を側に突き刺している第六の団長を見付けて近付いた。


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