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エッセイアラカルト

左官職人より壁作るのうまいかもしれない

作者: 降井田むさし

壁。


それは、素晴らしいもの。


美しいもの。


ただ。


悪い意味で使いがちだ。




◎壁を作る

→人との間に障害物を作り上げてしまう

→打ち解けられない




僕は壁を作ってしまう。


伝える情報を、最小限に抑えてしまう。


聞かれても、言いたくないと言ってしまう。


言葉数を抑えて、抑えてしまう。




心を開いてくれない。


開いてほしい。


開きたい。


そういう人が、話しかけてくれた。


そういう人がいれば、壁は壊れる。


と思う。




壁を何度も叩いて叩いて。


壊してくれたあとは。


心をかなり許せるということだ。


そう思う。




やさしさを使う。


やさしさを使って遠ざける。


それを自然としてしまっていた。


やさしさは、守りだ。


差し支えない対応。


それで、距離をはかっているのだ。


ズルいやり方だろう。




毒舌。


それが混じってきたら。


壁は登れるくらいの高さになった。


そういうことだ。


SASUKEでいう、そりたつ壁。


そこまで、壁を下げさせてくれたら。


たいしたものだ。


そんな人、多くない。




左官職人。


それは、壁を塗って仕上げる職人。


壁のスペシャリスト。


そう呼んでもいいほどの、存在。


そんな左官職人よりも。


壁をきれいに作ってるかもしれない。


僕の方が上かもしれない。




特に拒んでるわけではない。


無意識に壁を作ってるんだ。


その結果、友達はゼロだ。


友達は、今までにひとりしかできていない。


それも、幼稚園からの幼馴染みだ。


壁というものを、知らない時期。


そんな時期に、出会った人だけだ。




欲しいとは思う。


友達がいれば、世界は広がるから。


僕は男の人と、合わないのかもしれない。


趣味とか、価値観が大体の男性と合わない。


趣味も考え方も、女性と合いそうなものばかりだ。




ただ、こちらから友達になろうなんて言えない。


異性の壁を、ぶち壊すなんて、できない。


相手も、そうだろう。


僕が作った高い壁を壊そうなんて、思わない。


男女という壁もありゃ、尚更。


そんな重労働、やるかよ。


だから、友達がいないのだろう。




左官職人より、壁作りがうまいかもしれないから。


元気な人に、寄ってきて、話し掛けてもらいたい。


盛んな人に、壁をぶち壊してもらいたい。


そう思っている。

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