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7、野生のゴブリンですわ〜!

よろしくおねがいします。



「おはようでござる、ボタン殿!」


「ごきげんよう、スズナ様!」


翌日。

冒険者ギルドで待ち合わせをして、さっと準備を済ませて町から出る。


今日も昨日と同じ、森の浅い所で薬草採取だ。




「そういえば、スズナ様が食べてらっしゃった毒草、どういったものですの?」


「あ、あー……えっと、これでござる。腹痛、嘔吐、目眩を起こすんでござるよ。似た草がとても甘くて美味しいんでござるが……欲に負けて間違えたんでござる」


パクリ。


「ん……たしかに甘いですわ〜!」


「え!!食べちゃダメでござる!毒!毒草でござるって!」


「わたくし、経口摂取では毒は大丈夫なんですのよ!」


「え、いや、にしても急に……大丈夫ならよいでござるな!ヨシ!」





今日も今日とてそこそこの薬草を摘み、そろそろ昼休憩にしようかという時。


「シッ……なにかいるでござる」


「不穏ですわ〜……」


ガザゴソと、森の奥の方から音がきこえてくる。

前回は行き倒れだったが、今回はさすがに違うだろう。野生動物か、魔物か。


「……!ゴブリンでござる!一匹のみ!拙者に任せるでござるよ!」


「わ、わー!応援しますわ〜!がんばれ〜!」


とびかかってきたゴブリンを半身で避け、すれ違う前に膝蹴りで横っ面を吹っ飛ばす。

よろけてたたらを踏んだ隙に何かを投擲し、腕と頭にヒット。……ゴブリンは倒れた。


「ふ、早めに決着がついてよかったでござるなー」


「つ、つよいですわ〜……!!」


素早く鮮やかな手並みだった。ボタンなら倒せたかというと、まぁ怪我は負うかもしれないが無理ではないだろう。が、スズナは無傷、汗もかかずに始末した。


「さて、魔石だけ回収して……ボタン殿、穴掘りするでござるよー」


「あ、承知ですわ〜!」


魔物は放置しておくと、アンデッドとして生まれ変わる事がある。それを防ぐためには、地中に埋めるか、燃やすかをする必要がある。

穴をほり、ゴブリンを埋める。


「ああ、魔石の分配はいかがいたそうか?」


「わたくしなにもしていませんから、さすがにスズナ様のものですわよ?」


「……では、護衛料としていただいておくでござる」


スズナも9級とはいえ、護衛として雇った場合は薬草採取二日分ほどの料金がかかるものなのだ。それを実質無料でしてくれているのだ、魔石くらいなんでもない。



魔石は冒険者ギルドが買取をしていて、重さと大きさで値段がかわる。魔物の質によって密度が違うのだ。

大抵は大きくて重いほうが高い。

ドラゴンほどの魔石になってくると、小さく重いもののほうが高くなったりもする。魔石を使用する道具の小型化などに関わってくるからだ。

ゴブリンのものは、日本円換算でだいたい500円から、大きくても1000円くらいになる。こっちでいうと、銅貨5枚から10枚。

ドラゴンのものだと、安くても金貨10枚にはなるらしい。日本円換算で1,000万円ほど。夢のある話だが、そのぶん当然命懸けだ。


「さて、今日はこのくらいにするでござるか?そこそこ集まったでござる」


「ええ、これなら銅貨50枚くらいにはなりそうですわね!」


「臨時収入もござったし、串を奢るでござるよ!」


「わ、ありがとうございますわ〜!タコ串が食べたいですわ〜!」


「え、タコでござるか……?アレ食うでござるか……?」


そういえば、ゴブリンは食べられないのか。魔物を食うのはいまのところ聞いた事ないなあ、と思うボタンだった。

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