5、冒険者ギルドですわ〜!
よろしくおねがいします。
「では、登録はこれで完了です。公職者様からの推薦ということで、登録料と、10級の試用期間は免除とさせていただき、9級としての登録となります。こちら9級の冒険者カードになります」
騎士様からの推薦ということで、本来なら必要なものがいくつか免除された。
本来なら、10級から9級にあがるために、20回のクエスト成功と、昇級面接試験の合格が必要になる。面接試験の内容は簡単な常識の質問。
最低限まともな人間だと証明するための期間となっているため、公職者からの紹介では、公職者の信用度のため免除とされる。
「クエストについては、あちらのボードから、もしくは、手が空いている職員に話しかけてくだされば、いくつか見繕う事もできます。迷宮探索に関しては出入り自由となっていますが、完全な自己責任となっておりますので、ご了承ください」
「迷宮……」
「迷宮には、様々な宝が眠っています。もちろん、ギルドでの買取もおこなっております。迷宮の踏破率は冒険者カードに自動記録されます。……ギルド職員としてはクエストによるランクアップを目指していただきたいですが、迷宮の踏破率によっても、評価ポイントが大きく加算されます。その分のリスクがありますので、活動方針に合わせてお考え下さい」
「お宝……!楽しみですわね!わかりましたわ。ご案内感謝いたしますわ〜!」
「4級からは、真の冒険者としての依頼が発行されます。弛まぬ研鑽と、無事を祈っております」
「ありがとうございますわ〜!」
というわけで、冒険者になれた。
身分証を手に入れたので、これでアルファとガンマからのお礼も受け取れる。
迷宮に関しては、この町の周りには3つあり、上層と中層の難易度は差程高くないらしい。下層はそこそこの難易度で、深層は未だ攻略されていないそうだ。
「お、登録できたな?よしよし。これで嬢ちゃんも一端の労働者だ」
「ガンマ、言い方。ボタン殿、我々からの礼金は、明日にでも振り込ませていただく。重ね重ね、感謝する」
「ああ、迷宮行くなら、四足の迷宮がオススメだぜ。あそこは肉が落ちるからな」
「……難易度でいえば、スライムの迷宮か、骨の迷宮のほうが簡単だぞ」
「と、あとは……」
「ああ、仲間がいないとな……」
「仲間、ですの……?」
「さすがに1人で迷宮は、なぁ」
仲間、か。すこし難易度が高い気がするなと思う、異世界人、ボタン。
「……ひとまずは薬草採取からだな。俺らは1ヶ月くらいこの町にいるから、なにかあったらこの住所に来るといい。居なかったら、メイドにでも言伝を残しておいてくれ」
「わ、なにからなにまでありがとうございますわ〜!」
「命の恩人だからな、いくらでも頼ってくれ!」
というわけで、薬草採取からはじまる冒険者生活がはじまる。
……肉が落ちるというのであれば、はやく四足の迷宮にいってみたい。
クエスト中に、行き倒れている強い冒険者なんかいると、話が早いのだが……と思うボタンであった。ご都合主義脳である。
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