4、海鮮ですわ〜!
よろしくおねがいします。
潮の香り、市場の喧騒、横切る馬車から香る魚の匂い。
まさに、港町。
「この町はなんといっても海鮮が美味くてな、オススメの店もいくつかあるから、あとでひとつ奢らせてくれ」
「わ、ありがたいですわ〜!」
「じゃ、さっと冒険者登録を済ませよう。……じろじろ見られるだろうけど、気にしなくていい」
「冒険者なら手はだしてこないだろうから、大丈夫さ」
どうやら、冒険者は街中で暴力沙汰を起こすと、とてつもなく評価に影響するらしい。
そのぶん、町の外では……警戒しなければならないらしいが。
「あと10分くらい歩く。ガンマ、串を買ってきてくれ」
「あいよ!」
串、とは、この町では海鮮焼串の事だ。
今回ガンマが買ってきたのは、海老。
「おい、初心者にこれは……」
「わ、美味しそうなエビですわね!いただきますわ〜!……んー!美味しい!」
「ははっ、頭からバクっといったぞ!肝が座ってるなぁ嬢ちゃん!」
この国では魚は普通に食べられているが、やはりタコやエビなどは、その見た目から忌避されがちらしい。
ボタンは海鮮は全部好きなのでなんの問題もない。焼きエビは頭から殻ごとがベストだと思っている。
口内に、香ばしい香りが充満する。
「まあ……よろこんでるならいいか。ガンマ、貴様の悪戯癖もほどほどにするんだぞ。命の恩人なんだから」
「心から感謝しているからこそ、こうやって打ち解けようとしてるんじゃねぇか」
「ふむ……まぁ、貴様が良いならいいが」
「嬢ちゃん、あとはこれもあるぞ!」
「わ!ありがとうございますわ〜!……歯ごたえがすごい!ジューシーですわ〜!」
「おいガンマ!貴様……!」
「嬢ちゃんすげぇな、初見でがっつきやがった……」
「タコもいいですわねぇ……エビもタコも、最高ですわ〜!」
エフェリアの町、最高ですわ〜!
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