39、新しい街ですわ〜!
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カルフェ、という街がある。
エフェリアより南東、広大な平野にある大きな街だ。
平野を活かした農畜産業で賑わっており、食料自給率が良い為に他の商業も活発。
交通の要所でもあるため、活気がありあまるほどあり。近隣の街道は人が行き交うため、魔物も少なく治安もいい。
観光名物の見渡す限り一面の小麦畑や、街のそこかしこで景気よく金銭がとびかう様から、『黄金の街』とも呼ばれる。
そして、その黄金は、冒険者によって、近隣の迷宮からも運ばれてくる。
この街の付近には、七つもの迷宮がある。
カルフェの冒険者は、景気のいい街で景気よく生きるため、今日も迷宮に潜る。
冒険者は、この街を『迷宮の街』と呼ぶこともある。
近隣の平野は治安がよいため、討伐や採集クエストが少なく、かわりにほかの街などへの護衛依頼が多い。
なので、この街でそこそこの稼ぎを得ようとすれば、迷宮に潜るしかないのだ。
幸いなことに、迷宮はそれぞれわかり易く難易度が別れている。この街を迷宮の街と呼ばせる理由のひとつでもある。
さて、ボタン、スズナ、レナの三人は、エフェリアから馬車でカルフェまで来た。
8級ではカルフェまでの護衛依頼はなかった。世知辛い。
「うおお、都会でござる」
「お広いですわね〜!道が!広いですわ〜!」
「迷子なる……」
この街を選んだのにはいくつか理由がある。
まず、飯が美味いという噂があった。
広大な穀倉地帯があるため、野菜、穀物、肉、乳製品に加え、お茶系も豊富にあるらしい。ボタンにとっては一番大事な要素と言っても過言ではないかもしれない。
そしてもうひとつ、この街の付近の迷宮、七つともが、インスタンスダンジョンらしい。
そう、なんと、パーティ単位で迷宮内部が生成されるのだ。つまり、迷宮内で他の冒険者パーティとは出会わずに済む。三人の魔法などはまわりには隠しておきたいので、これはとても良い。
しかし、迷宮というのは不思議なものだな、とボタンは思った。
「ひとまず冒険者ギルドに届出を出して、ホーム変更登録ですわね。それからお宿を探して……わ、アレ美味しそうですわ〜!」
「アレは串でござるか。何肉でござろうか?」
「人……酔う……」
屋台の牛串は、美味しかった。
……値段を見て、三人が顔を見合わせた。ちゃんと稼ぐぞ、と。
結局、ギルドに到着するまでに道中の屋台で散財し、オススメされた宿屋でも食事が美味しすぎて散財し、初日から先行きが不安になった。
この宿では、三人で二人部屋に泊まらせてもらえることになった。部屋代は二人分だ。
宿の店主が、ボタンの食いっぷりを気に入ったのだ。
「この街、危険ですわね」
「もう少し節制というものをでござるな……」
ボタンにとって、そしてこのパーティにとって、前途が不安な一日となった。
明日から、すぐに迷宮に稼ぎに出よう。三人は意見を一致させた。
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