33、マグロですわ〜!
よろしくおねがいします。
スライム迷宮から帰った翌日、スズナはすぐに四足の迷宮に行きたがっていたが、無視して休息日とした。当たり前だ。
スズナは興奮冷めやらぬという気持ちがヒシヒシと伝わってきたので、強引に仕事を受けさせた。
停泊している領有船の清掃だ。とてもキツい事で有名なのだが、報酬はいい。頭は冷えるだろう。
さて、ボタンとレナは、珍しく二人で散歩する事にした。
今日は海側で、まだ見ぬ食材を探す旅をする。
朝イチから向かい、軽くいろいろつまみながら散策する。
どうやら最近は豊漁らしく、いろいろ結構安くお求めできた。財布に優しくてありがたい。
しばらく海側に進むと、力強く濃い味の料理の屋台が増えていく。漁師や船乗り向けのものだ。
それらもガツガツといただきながら、まだまだ進む。
そうして進むと、ある場所に到着する。
見渡す限りに、魚や貝類、海老、蟹、海藻なんかも並んでいる。
ここは、一般開放されている市場だ。
商業関係者向けの市場とは違い、高品質なものや高価なものはあまり並ばないが、それでも珍しいものや、一段落ちるがそれでも品質の良いものが並んだりする。
買ったものをすぐに加工してくれるサービスもあるので、初心者にも優しい。
併設されているバーベキュー卓のレンタルスペースを借りるので、食べるものを見繕う。
まずは海老、貝類、魚でも小さいものを丸ごと焼いてもいいし、大きな魚の切り身でもいい。
そうして物色していると、なにやら大きな魚が搬入されてきた。
「解体ショー!解体ショーをはじめるよー!捌きたて新鮮な身の販売もあるよー!解体ショーだよー!」
「わ、解体ショー!見に行きますわよー!」
「おおきい……!」
どうやらあの大きな魚を解体するところを見れるようだ。
二人は急いで場所をとる。そこそこ人が集まってきた。やはりこっちの世界でもこういうのはみんなワクワクするのだろう。
「おっきいマグロですわ〜……!」
「まぐろ……こんなに大きいの?」
「ここから解体に解体で、寿司のサイズになりますわ〜!あ、ほら!始まりましたわ!」
マグロの解体ショーは、元の世界のものよりもド派手に進んだ。やはり身体能力が高いといろいろできるんだな、と改めて感じた。
最後までみて、中落ちとカマを買った。大出費だが、バーベキューが楽しみだ。
レンタルバーベキュー卓にて、買ったものを並べる。
色々買ったが、まずはこれ、マグロの頭だ。これは……どうしよう、焼きながらちょっとずつ食べるか。
幸い、コンロは大きい。なんなら買ったもの全部並べられるくらいにはいいサイズをしている。ありがたい。
カマを焼きつつ、貝や海老なども焼いていく。
そういえばこの世界には醤油はあるようだ。この街には貿易によって他国から入ってくるらしい。ありがたいことこの上ないな。
貝などに醤油を垂らしつつ、カマの焼けた側をつまんだり、新しく魚を網に伏せたりする。
たのしい。やはり海鮮バーベキューは音も匂いも最高だ。普通のバーベキューも良いが、貝が醤油で煮立っている音は普通のバーベキューでは聴けない。
焼けた側の、マグロの目玉を一口でほうばる。
「うううん、めっちゃくちゃ美味しいですわ〜!最高……ッ!!」
「……目食べるの?」
「もう一個だけありますわよ?食べてみなさいな?」
「………………うん」
レナの好物リストに、マグロの目玉が追加された。
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