30、噂話ですわ〜!
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30、噂話ですわ〜!
休息日。ボタンは海側の酒場に来ている。
酒は飲まないが、大変に美味しいサカナが出る店だ。休みの日はほぼ毎回きている。
「キモ鍋美味しいですわ〜!」
「おうお嬢ちゃん、それの味がわかんのか!やるじゃねぇか!」
話しかけてきたのは、この酒場でも冒険者ギルドでもたまに見かける、凄く大きな体のおじさん。
「おじさまもコレ食べるんですの?」
「おう、俺ァこれを冷やしたエールで流し込むのが好きなんだよ!」
「冷やす……?」
「ああ、一応魔法使いなんだぜ俺ァ。本業は重戦士だが、ちょいとだけ冷気をコントロールできる。便利だろ!お嬢ちゃんのジュースも冷やしてやろうか!」
「わ!お願いいたしますわ〜!!」
重戦士で冷気をコントロール出来るとなると、度合いによるが対人だと結構なアドバンテージになるだろう。不意に首筋なんかに冷気を当てられたら、反応せざるを得ない。致命的だろう。
それからいくらか言葉を交わし、重戦士のおじさんの奢りで店を出た。
どうやら今から冒険者ギルドに行くようだ。バリバリに飲んでたけど今から仕事……?
「そういえば、お嬢ちゃんも冒険者だったな。なら、ひとつ噂話を教えてやろう」
「わ、聞きたいですわ〜!」
「このあたりに最近、十数年ぶりに、新しい迷宮が発生したらしい。俺ァ今からそれの調査だ。お嬢ちゃんの階級でも、そのうち内部調査のクエストが貼られるかもな?」
これはこれは、大変いい事を聞いた、かもしれない。
「ということがあったのですわ〜!」
「……めちゃくちゃデカい魔法使える重戦士、それってこの町で唯一の2級冒険者、ゴードン様ではないでござるか……?いや絶対そうでござる」
「有名なんですの?」
ボタンは首を傾げる。他の冒険者の事はほとんど知らないのだ。
「いやいやいやいやいやなんで知らんでござる?アホでござるか?この町の救世主でござるよ??」
「いやわたくしこの街にきて10日くらいですの」
「あー、まあ、うん、そうでござった……超超有名人でござるよ。ほんとに」
「優しいおじさまでしたわよ〜!奢ってもらいましたの!」
「はァ〜?ゴードン様にィ〜?いやまあ優しいでござるからなー、拙者も一度、空腹で倒れた時に粥をもらったでござる」
「……スズナ様、毎度思いますけれど、迂闊が過ぎますわよね」
毒草で倒れかけたり、空腹で倒れたり、このまえの骨の迷宮では調子に乗ってボーンオークに力負けして切られかけたりもした。お調子者なのだ、スズナは。
「そんなことより、新迷宮でござる!楽しみでござるなー、四足とスライムの間位の難易度がいいでござる」
とにもかくにも、そのうちわかることだ。
今は自分の出来ることをしながら、その日を楽しみに待とう。
「ところで、このゴブリン討伐クエスト、如何でござるか?多分これで、3人とも8級に上がれるでござる」
「わ、ようやくですのね!それにいたしましょう!」
ひとまず、着実に成果を重ねている。
冒険はまだ、始まったばかりだ。
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