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のんびりまったり異世界生活  作者: 和奏
第二章 異世界はやっぱり異世界です
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1 変わらない朝が始まります

ご無沙汰しております。またぼちぼち投稿していこうと思いますので、お暇なときにでも読んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 すでに目覚まし代わりとなっている鳥の声で目を覚ますと、ベッドの上でうーんと伸びをする。

 いつものようにイヴァンと階下へ降りると待ってましたとばかりにシロが姿を現す。


 朝の支度を終え、、キッチンに立った私は何を作ろうか考える。

 炊飯器には炊き立てのご飯。


 そうだ、おにぎりにしよう。


 早速、おにぎりの具材にすべくフライパンにアルミシートを敷いて鮭を焼く。

 同時に隣のコンロでお味噌汁の準備。

 中身は玉ねぎ、人参、おあげでいいかな。


 鰹節にめんつゆをたらしておかかおにぎり。

 種を取った梅干しを一個そのまま入れた梅おにぎり。

 シンプルに塩昆布を入れただけの塩昆布おにぎり。

 ふっくら焼けた鮭の身をほぐして鮭おにぎり。

 天かす、ゴマ、ご飯にめんつゆをかけて混ぜ合わせた天かすおにぎり。


 五種類のおにぎりと味噌汁、春キャベツに塩昆布を混ぜただけの簡単浅漬けをテーブルに並べると、


 「イヴァン、シロ、ご飯できたよー」


 私の呼びかけにイヴァンはさっと自分の定位置に座る。

 シロもイヴァンの頭の上からテーブルの上に移動してきた。


 「やっぱりシロも毎日ご飯食べるの?本当は食べなくても問題ないのよね?」


 「うむ。サキの飯は美味いとやたらとフェンリルが自慢するのでな。それに実際に美味い」


 嬉しいことを言ってくれるわねとシロの言葉に喜んでいたら、イヴァンが早く食わせろと催促してきた。


 照れてるの?

 本当にかわいい。


 手を合わせていただきますとしようとしたところで、ふとシロにはこのおにぎりは大きすぎると気が付いた。


 「シロ、ごめんなさい。もう少し小さいサイズのおにぎりにすればよかったわね」


 「何の問題もない」


 そう言うなり、シロは元の大きさに戻った。

 元の大きさといってもニシキヘビサイズだけど。


 「これならちょうど良かろう」


 まあそうなんだけど、そのサイズでテーブルの上にいられるのには少し抵抗があるので、椅子の上に移動してもらう。

 それぞれの前に、とりあえず一種類ずつおにぎりを置くと、早速イヴァンが一つ口に入れて食べ始めた・・・途端ピタッと動きが止まった。


 「どうしたの?」


 『な、何だ、これは・・・。変な味がする。ブルっと震えるような・・・』


 変な味?


 どうやらイヴァンが食べたのは梅干しのおにぎりらしい。


 やっぱり甘党のイヴァンには無理だったかしら?


 しばらく考え込んでいたイヴァンだったけど、おもむろに、


 『サキ、これに砂糖をかけてくれ。たっぷりとな』


 と真剣な顔で言った。


 いや、ないから。

 砂糖まぶしたおにぎりとかおにぎりじゃないから。

 次からはイヴァンの分は蜂蜜で漬けた甘い梅干しで作ろう。

 はちみつ漬けなら食べてくれるかもしれないし。


 シロはどうかと思って見てみれば、おにぎりを一個丸ごと飲み込んでいる。


 うん、蛇だもんね。

 これなら甘かろうと酸っぱかろうと関係ないよね。

 でも、見慣れないせいか、なかなかインパクトのある食事シーンだ。

 そのうち慣れるかな。


 気を取り直して私も朝ご飯を食べ始めた。

 梅と鮭のおにぎりを一個ずつ食べたところでお腹がいっぱいになった私は、のんびりお茶を飲みながらイヴァンとシロが食べるのを眺めていた。


 イヴァンは梅のおにぎりを避けてそれ以外をお腹の中に収めていく。

 特に天かすのおにぎりが気に入ったようだ。

 結局梅のおにぎりは全てシロのお腹へ。


 おにぎりを平らげ、満足そうな二人を横目に後片付けを済ます。

 片付けを終えてふとリビングに目をやれば、イヴァンはいつものようにラグの上でまったりとしていたが、シロはサンキャッチャーが作る小さな虹の間を嬉しそうににょろにょろと動き回っていた。

 よほど気に入ったらしい。


 そんな二人はほっといて私は今日の予定を立てる。


 まず、マルクルさんに預かっているお肉を返しに行くでしょ。

 それで今日こそは市場を覗いてみたいから帰りに少し寄り道して・・・。

 でもせっかく街まで行くのならみんなにお世話になったお礼がしたいな。

 何か作って持って行こうかしら。

 何がいいかな。


 しばらく頭の中でいろいろ考えていたらいいのがあった。

 砂糖を使わない蜂蜜のパウンドケーキ。


 あの時のサラトスさん、蜂蜜は普通にありそうな感じで言ってたものね。


 よし、作ろう。

 

 ボウルにバターを入れて柔らかくしている間に、小麦粉とベーキングパウダーを混ぜておく。

 柔らかくしたバターに卵、蜂蜜を入れ、泡立て器でしっかり混ぜる。

 そこへ小麦粉を投入し、なめらかになるまで混ぜると生地ができる。

 できた生地をパウンドケーキの型に流し込み、あらかじめ温めておいたオーブンに入れて三十分ほど焼けば完成。


 パウンドケーキは焼き上がるそばからペーパーバックに入れ、アイテムバッグの中へ。

 これでアツアツのまま渡すことができる。

 これを材料がなくなるまで作り続けて、気が付けばもうお昼だ。

 ケーキの焼ける甘い匂いにつられてイヴァンが食べさせろとうるさいが、無視した。

 

 おかしいな。

 最初はあんこを使った和菓子が気に入って従魔契約したはずなのに、今じゃ何でもござれ状態だもんね。


 シロはイヴァンほどうるさくないけど、私が作ったかどうかが重要らしい。

 どうも私の作った料理やお菓子を食べると魔力の吸収量が増えるそうで、イヴァンとはまた違う意味で食べたがる。

 この世界のものを食べても魔力の吸収量は増えないと言うので、地球産だからじゃないのかと思ったけど、そうでもないらしい。

 イヴァンいわく地球産でも私の手が加わっていないものには魔力がなく普通に美味しいだけで、私が作れば魔力をまとった、なおかつ自分好みのものになるらしい。

 普通は魔力がある者が料理を作っても魔力のこもった料理になることはないみたいだけど。


 不思議だね。


 昼食は朝に作ったおにぎりの残りを焼きおにぎりにしてお茶漬けにしようと思う。


 人参は細かい千切りに、椎茸は細切りにする。

 鍋に人参、椎茸、かつおだし、水を入れて火にかける。

 おにぎりをグリルに乗せ、焦げ目がつくまで焼く。

 器に焼いたおにぎりを入れ、だし汁を注ぎ、上に刻み海苔をのせて完成。


 イヴァンの分は先に焼きおにぎりを少し崩しておいた。

 

 シロは朝食後、存分に虹と遊んだ後、湖に行ってしまった。

 ここの湖も思いの外、居心地が良かったみたいだ。

 昼食の準備が整ったところで、シロに念話で話しかけた。

 従魔契約を結んだので、多少の距離があっても問題ないらしい。


 戻ってきたシロと三人で仲良く食事をして、しっかり完食すると、街へ出かける準備をした。


一時間後、もう一話投稿します。

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