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のんびりまったり異世界生活  作者: 和奏
第一章 こんにちは異世界
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28 初めて異世界料理食べました

 ギルドに着くと、ロザリーさんがいたので挨拶をする。

 聞くと少し時間には早くてまだみんな集まっていないそうだ。

 なので、少し広場の辺りを散策することにした。

 相変わらず、街の人はイヴァンを見るなり悲鳴を上げたり、避けたり、隠れたりするけど気にしない。


 そのうちに慣れるでしょ。


 と開き直ることにした。


 最初に目についた屋台を覗くとソーセージを焼いていた。


 フランクフルトかな?


 棒はついていないようで、焼きあがったソーセージをくるくると紙で巻いて、赤っぽいタレのようなものをかけて客に渡していた。


 あの赤いタレって何だろう?

 ケチャップじゃなさそう。


 値段は銅貨一枚。


 うーん、日本円で百円くらいかな?

 あのくらいの大きさのフランクフルトならコンビニで百円くらいで売っていたような気がする。


 その隣にはキッシュみたいなものが売っている。

 生地に野菜やら何かの肉やらを混ぜて焼いたパイみたいなパンみたいなもの。

 どんな食感なんだろう。


 こちらも値段は銅貨一枚。


 その次の屋台からは香ばしい匂いがしてくる。


 あれ?

 この匂い、どっかで嗅いだような気が・・・と思って振り返れば商業ギルドの入り口が見えた。

 あの時最初に見た屋台だった。

 何かの肉の串焼き。


 何の肉なのかしら?


『ホーンラビットだな』


 イヴァンが教えてくれた。

 この近くの森に生息する比較的弱い魔物で主に食用なんだそうだ。

 名前の通り、額に一本黒い螺旋状の角が生えていて、この角は素材として売却できるらしい。

 冒険者レベルを上げたいのならこのくらいの魔物は狩れなければダメだとイヴァンに言われた。


 頑張ります。


 どんな味なんだろう。


 気になった私は一本購入することに。

 アイテムバッグから昨日作ったばかりのがま口財布を取り出し、支払った。

 これも銅貨一枚。


 一口食べてみると鶏肉みたいな感じ。

 それに酸味の強いソースがかかっている。

 ソースはともかくホーンラビットの肉も案外美味しい。


 残りの肉をイヴァンにあげると、食べるには食べたがあまり口には合わなかったらしい。

 味付けの問題かな?

 これなら照り焼きにした方が合うかも。


 本当はもう少し見て回りたかったけど、話し合いに遅れるわけにもいかないので、冒険者ギルドに戻ることにした。


 少し急ごうと足早に歩き出した途端、誰かにぶつかった。


「わっ。ごめんなさいっ」


 慌てて謝ると頭の上からそれはもういい声が降ってきた。


「大丈夫ですか?お嬢さん。怪我はありませんか?」


 顔を上げるとそこには金髪碧眼の美青年(イケメン)がいた。


 うわあ、テンプレのイケメンがいるっ。


 少し長めの髪を後ろで縛り、前髪をサラッと左に流している。

 目鼻立ちもくっきりした精悍な顔つきの、でも優しそうな目をしたイケメンだった。


 ぼおっと見惚れていたら、


「あの・・・」


 と声をかけられ、はっと意識を戻す。


 しまった。

 こんないかにも外国人的なイケメンを、こんな近くで見たことがなかったから見惚れちゃった。


「本当にごめんなさい。ちゃんと前を見てなくて・・・。私は大丈夫です。そちらこそお怪我はありませんか?」


「私も何ともありませんよ。それよりもお嬢さん、そちらはあなたの従魔ですか?」


 イヴァンを見てイケメンが問う。


「はい、そうです」


「シルバーウルフですが・・・。初めて見ました。ではあなたがサキですね」


 イケメンににっこり笑って告げられたが、私は知らないよ、こんな人。


「申し遅れましたが、私はグリセス・ブレンナーと申します。以後、お見知りおきを」


 グリセスさんはそう言うと胸に手を当て、少し膝を折って挨拶してくれた。


 私も慌てて、


「サキと申します。よろしくお願いします」


 と頭を下げたけど、結局誰なの?グリセスさん。


「もしかしてこれから冒険者ギルドへ行かれるのですか?」


「ええ、そうですが・・・」


 訝しげな顔をする私にグリセスさんがにこやかな顔で、


「私もこれから冒険者ギルドに行くところだったんです。そこであなたに会えると聞いていました。寄り道をしたおかげで一足早くあなたに会えました」


「じゃあ、グリセスさんもマルクルさんに呼ばれていらっしゃるんですか?」


「ええ。よろしければご一緒しても?」


「あーはい。全然大丈夫です」


 どうせ同じ所に行くんだもんね。

 それにすぐそこだし。

 でもこんなイケメンと連れ立って歩いていると、また別の意味で目立つような気がするんだけど。

 実際、道行く女性たちが頬を染めながらグリセスさんを見ている。

 大きな声で言いたい。


 私、関係ないですからっ!


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― 新着の感想 ―
[一言] この小説を書いていた頃はコンビニでフランクフルトが100円ぐらいでしたが、今では200円以上することもあります。
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