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のんびりまったり異世界生活  作者: 和奏
第一章 こんにちは異世界
14/160

13 私が冒険者だなんてびっくりです

 ロザリーさんの説明によると


 冒険者ギルドは各国にあること。

 冒険者のランクはFからSでSランクが最高ランクとなり依頼を熟すとランクが上がっていく。

 依頼を失敗したらペナルティがあること。

 暴力行為等禁止事項を破ると登録抹消となること。

 ちなみに冒険者同士の喧嘩も禁止されている。

 国に治める税金等はギルドが代わりに手続きをするが納税場所は拠点登録している国、していない場合は出身国になる。

 なお、拠点はいつでも変更可能である。


 最後にロザリーさんは


「冒険者は全ての行動が自己責任ですので、くれぐれも怪我には気をつけてくださいね。ギルドとしてもなるべくお手伝いさせていただきますが・・・。サキさんは回復魔法が使えるようですが、自分が死んだら終わりですから本当に気をつけてくださいね」


 と、とても心配してくれた。

 よほど頼りなく見えるのだろう。


 見た目は子供ですけど、中身はおばさんですから!


「あと、依頼の達成状況や失敗などの情報は随時ギルドカードに記録されますので、毎回ギルドカードはお持ちください。以上ですが他にも質問はありますか?」


「あっいえ、大丈夫です」


 いっぱいいっぱいではあるが、何とか理解できたと思う。

 そしてわかったことは・・・登録料の銀貨五枚を三ヶ月以内に稼ぐこと・・・だよね。

 この分じゃ商業ギルドも同じように登録料が必要になるだろう。

 家に籠っていれば生活には困らないだろうけど、せっかく異世界にいるのに関わらずにいるなんてなんとなくもったいない。


 というわけでとりあえず、依頼を受ければいいのよね。

 でも私でもできる依頼なんてあるのかな。


 なんて頭の中で取り留めもなく考えていると、エドさんが


「俺はそろそろ詰所に戻るがサキはどうする?宿が必要ならギルド直営の宿があるからマルクルに聞けばいい。冒険者価格で泊まれるぞ」


 と教えてくれた。


「えーと、ここへ来るまでにお金を全部使い果たしてしまって、宿に泊まるお金もないのでとりあえず、今からできそうな依頼を探してみようかなーなんて」


 適当に誤魔化すと


「そうか、わかった。じゃあ俺は戻るが困ったことがあったら俺のところに来い。いつでも相談に乗るからな」


 そう言うとエドさんは戻っていった。


 本当にエドさんはいい人だなあ。

 知り合えてよかったよ。


「それならあちらの壁にFランクの方でもこなせる常時依頼がありますよ。初めての依頼でしたら薬草採取がお勧めです」


 ロザリーさんが私の左後方の壁の掲示板を指差して教えてくれた。


「ありがとうございます。ちょっと見てみますね」


 移動しようとする私をマルクルさんが何か言いたげにチラチラ見てくるので困ってしまう。


「マルクルさん、いつまで油を売ってるつもりですか?お仕事溜まってるんですよね?」


「いや、そうなんだが・・・」


 チラリと私を見ては何か言いたそうなマルクルさんにロザリーさんが忠告してくれるが、動く気配のないマルクルさん。


 もう、仕方ないなあ。


「マルクルさん、私は冒険者になったばかりのひよっこですので、しばらくこの辺りで経験を積もうと思っています。今すぐどこかへ行ったりしませんよ」


 私の場合、どこかへ行く=家に引きこもるになるんだけどね。


「本当かっ。助かるよ。じゃあ俺も仕事に戻る」


 私の言葉にマルクルさんは笑顔で戻っていった。


 強面の人が笑ったら怖さが増すだけなのねと見当違いのことを考えていると、ずっと黙ったままだったイヴァンが


『さっさと依頼を受けてしまえ』


『うん、わかった。でも私薬草なんて見分けられないけどどうしよう?』


『心配するな。我が教えてやる。ほら早くしろ』


「じゃあ、ロザリーさん。いろいろありがとうございました」


「いえいえ、これも仕事ですから。常時依頼はいちいち窓口に依頼表を持ってきていただく必要はありませんので、依頼品を持って直接窓口まで来てくださいね」


 なるほど、つまり常時依頼以外は窓口で手続きが必要なんだ。

 そりゃ依頼を受けた人が被ったら報酬のことで揉めちゃうものね。


 早速、常時依頼を見てみる。

 途中私に話しかけたそうな人もいたがスルーしておいた。


 リオラ草×五   銀貨一枚

 フォルモ草×五  銀貨一枚銅貨二枚

 カウラリア草×五 銀貨五枚


 この辺りが初心者向けで無難そうだけど、どんな草なのか全くわからない。


『それなら風の森にいくらでも生えているぞ』


 そうなんだ。

 じゃあ・・・


 私はまたロザリーさんのところへ戻ると商業ギルドの場所を聞いた。

 先に商業ギルドで登録の手続きをしておいた方が何かと手間が省けるだろう。


「薬草採取できたら、また来ますね」


「街を出て右手にある森なら比較的安全に薬草が採取できますよ。まあ、シルバーウルフがいれば弱い魔物は寄ってこないと思いますが」


 親切なロザリーさんにお礼を言ってギルドを出た。

 周りの冒険者たちはイヴァンが威嚇してくれたので、絡まれずに済んだようだ。


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