幸せな日常
「ふぅ、今日はこんなもんかな」
やっと今日の薪割りが終わった。
ここはフラニスという国の外れにある村アデル。
俺はこの村に住むごく普通の家族の子供として転生し、ここで生まれた俺はノイターと名付けられた。
そして、
「ノイター!お昼ご飯にするよー!」
彼女の名前はシィナ・フォーデル、俺の自慢の姉だ。
「はーい!今行くー!」
今日の昼飯はなんだろう?シィ姉の作るご飯は何でも上手いからなぁ。
「ノイター、待ってるからちゃんと手洗ってきてね」
「わかってるよ。シィ姉もいつまでも子供扱いしないでよね」
「まあまあ、シィナはノイターの事が好きなだけなんだよ」
この人は母親のミレイ・フォーデル、俺とシィ姉の生みの親だ。
「ちょっと、母さん!変なこと言わないでよ!」
「いいじゃないの、二人だけの姉弟なんだから」
「何の話してんの?早くお昼食べようよ」
「もう!何でもない!」
?まあいいや、今日の昼飯は......サンドイッチか。いつもの事だけど美味そうだ。
「「「いただきます」」」
「ごちそうさま。やっぱりシィ姉の作るご飯は美味しいや」
「ふふ、お粗末様」
「じゃあ母さんは町まで行ってくるから」
町というのはここから歩いて30分位のところにあるミーシアという町の事だ。
「なんか買いに行くの?だったら俺が行くよ?」
「いいのよ、たまには身体を動かさなくちゃね」
「そう?じゃあ気をつけてね」
「はーい。行ってくるね」
「いってらっしゃーい」
さて、今日の薪割りも終わったしする事が無いな。
「シィ姉、なんかすることある?」
「うーん、特にないかなぁ。あ!することないなら森の入口辺りにあるリルの実を取ってきてよ。あれお父さん好きだし!」
あ、そうか明日は久しぶりに父さんが帰ってくるのか。
「うん、わかった!じゃあちょっと行ってくるね!」
「何も無いとは思うけど気を付けてね!」
「大丈夫だって、この辺りの魔物には負けないよ。」
そう、ここは日本ではないどころか地球ですらない。
この世界には普通の動物以外に魔物と呼ばれる生物がいる。魔物は普通の動物と同じような見た目のものから、それらとはかけ離れたものまでいる。
そして魔物の特徴は体内に魔力を宿していて、魔物以外を捕食の為ではなく殺戮のために襲ってくるのだ。
しかし、町や村の近くの森や平原は冒険者達によって討伐されるためほとんど魔物が生息していない。森に入れば狼などがいても、この辺りに魔物は出現しない。
「じゃ、いってきまーす!」
さて、どのくらい取ってこようかな?