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二度目の人生をここから  作者: ミラ
1章〜アルディセイム学院〜
10/14

練習日和

「ムムム...」

「いいよ、その調子」

 俺とミリアは魔法戦の後からほとんど毎日魔法練習場に来ている。

 魔法戦の時にミリアに無詠唱発動を教える約束をしたからである。

「...あ」

 ガラスが割れるような音を響かせ構築していた魔法陣が割れてしまった。

「まだ時間はあるしゆっくりやっていこう、次はもう少し力を抜いてね」

「はい...」

 その後も暫く練習をして解散となった。


「ただいまー」

「...おかえり」

 なんだ?シィ姉が元気ない、でも俺が聞いても答えないだろうしな...おじさんに聞いてみるか。

「ねぇ、シィ姉なんかあったの?」

「いや分からねぇ、だが元気無いのは1週間くらい前からだぞ」

 1週間前?なんかあったかな?

「まあ少し考えてみるよ、ありがとう」

「おう、もう少ししたら飯にするからな」

「はーい」

 夕飯の時も風呂の時も考えてみたが何も思いつかないまま数日が過ぎたある日。


 昼休み開始の鐘が鳴ると同時にシィ姉が俺のいる教室に入ってきた。

「あ、シィ姉どうしたの?」

「暫く一緒に食べてないからたまには一緒に食べようと思って...」

 俺達は2週間近く一緒に昼飯を食べていなかった。

「ああいいよ、じゃあ屋上にでも行こうか」

 屋上へ向かった俺達は昼飯を食べ始めたのだが、昼飯どころかあまり話してもいなかったからか全く会話が無い。

 何か話題がないかと考えているとシィ姉が口を開いた。

「ねぇ、今日もミリアちゃんと練習場に行くの?」

「うん、行くと思うよ」

「今日は私も行っていい?」

 どうしたんだ?いつもなら勝手に付いてくるのに。

「別にいいよ、人数多い方が楽しいし」

「ありがと、じゃあ帰りは校門で待っててね」

「了解」

 会話が終わると同時に昼休み終了の鐘が鳴った。

 軽く話しながらそれぞれの教室へ戻り睡魔と戦いながら午後の授業を乗り越え放課後になった。

 校門でシィ姉とミリアと合流して魔法練習場に着いたのだが、着いたと同時にシィ姉が1人でどこかに行ってしまった。

「シィ姉は何のために来たんだか...」

「まあすぐに戻ってきますよ、私達も練習を始めましょう!」

 それもそうか、シィ姉の事だすぐに戻ってくるだろ。


 暫く2人で練習しているとシィ姉が駆け足で戻ってきた。

「できた!やっとできた!」

「何ができたんだよ...つかどこ行ってたんだよ」

「まあまあちょっと見ててね無詠唱でも出来るんだけどとりあえず詠唱も付けるから」

 こちらの話を聞かずにシィ姉は詠唱を始めた。

「『我求めるは三元素 束ねるは我が魔力 我が名の下に力を示せ』トライコントロール!」

 シィ姉がその場で跳んだ、しかし地面には着地せずに空中に留まっている。

 俺もミリアも唖然としている、恐らく誰が見ても同じ反応をするだろう。

「...なんで浮いてんの?」

「これはねトライコントロールっていう魔法で私の場合は水の魔力、風の魔力、土の魔力の3つの魔力を同時に制御して足場を作ってるの。いやー2週間くらい前にこういうのできたらいいなーって思ってずっと練習してたんだよね」

 ん?2週間前から?

「魔法のことは分かった、その前にいま2週間前からって言ったか?」

「うん、2週間くらい前からだよ」

 そういう事か...今日までの行動全部繋がった...。

「ちょっと聞くぞ?最近朝からいなかったのは?」

「ああ、ずっと朝練してたからね」

「俺が帰った時にだるそうに返事してたのは?」

「夕方ずっと練習してると結構魔力使っちゃってさ」

 何かあったかと思ったら...別に何も無かったのか...。

 そんなことを考え、シィ姉と話していると唖然としていたミリアが我に返った。

「待ってください!ノイターはなんでそんなに平然としてるんですか!?オリジナルの魔法ですよ!それをたったの2週間ですよ!?あり得ません!新しい魔法を作るのにはどんなに努力しても1年は掛かるんですよ!?」

「ああ、そうなんだけど...」

 俺の言葉を遮りシィ姉が喋りだした。

「この魔法にすると決めたのが2週間前、でも私は5年前から毎日欠かさず魔力制御の鍛錬をしてたの」

 俺達は魔法はまだ早いと教えて貰えなかったし魔法に関する本も読ませてもらえなかった、だから教えてもらった魔力制御をひたすら練習し続けた。その結果が今の無詠唱発動であり、シィ姉のこの魔法だ。

「だからこれは才能があったからありえない早さで魔法が完成したんじゃなくて5年間の練習の成果なんだよ」

「5年...?どうしてそんなに前から...?」

「お父さんとお母さんが冒険者をやってたんだ、お母さんは魔法が得意だったから何でか聞いてみたの、そしたら昔から暇があれば魔力制御の鍛錬をしてたからって言ったの。私もノイターもお母さんとお父さんに憧れてたから、それからは魔力制御の事を教えて貰ってお母さんと同じように魔力制御だけをやっていたの」

 話が終わり少しの間無言の時間が続いた、最初に口を開いたのはミリアだった。

「...今の魔力制御能力はどのくらい何ですか?」

 やっぱりなこれは聞かれるとは思ってた。

「多分発動させようと思えば上位魔法位は発動出来ると思う」

 本当は魔力制御能力だけじゃない、俺達は魔族の血が少しだけ流れているから普通の人間よりも魔力を制御しやすいだけ。たが本当のことを言えばどうなるかなんて分かりきっている、だから5年前から練習してると嘘をついた。

「まあとりあえず練習しようか、まだ時間があるし」

「いえ...今日はもう終わりにします、また学校で」

 そう言ってミリアは帰ってしまった。

 俺達もすることが無いためその後すぐに帰路についた。


 それから月日が流れ今年最後の魔法戦がまもなく始まろうとしている。

遅くなりました!

いやーデータが何回も消えるとほんとに心が折れそうになりますね笑

そんなこんなで次回で1年目最終回!

早いって?すいませんネタが思いつかないんです...

では次回をお楽しみに!

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