表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦闘シーンの試し書き

作者: プルトニウムとホットオレンジジュース

設定とか即興で作ったのでおかしい所があるかも

 江戸の川辺りに小さな茶屋で、黙々と団子を頬張る少女がいる。

艶のある黒髪が、群青から橙へ移り変わる空に反射し、頭蓋に虹色の輪を描いている。

少女は無名の剣士。自分の弟を殺した人物の仇を取るべく、ここまで来たのだ。

 彼女は誰が鍛錬したのかも知れない淡白な刀を腰に差し、様々な花が刺繍された紅の着物を着こなしている。その風体ゆえ、無名の剣士に誰もが目を向ける。

 そんなことも気にせず少女は声帯を震わす。

「ありがとう。この店の団子は美味しい」

背後から、また来るようにと催促する言葉をしかと聞き入れ、そのやけに目立つ着物を翻させてゆったりと茶屋を出る。

 刹那、彼女は刀に手を掛け、正面の人物を目に据える。

「予想より十遅かったが...」

 言葉をぶつけられたその人物は少し驚いているようだ。

 彼女は大きく息を吸い込み、そして吐き出した。

「...こいつは、人殺しだ...!」

 ざわめく街。何事かと軒先に出る野次馬。

夕焼けに染まる空を後ろに、2つの刀に光が跳ねる。


 彼女は半歩踏み込み相手の動きの隙を狙って刀を打ち込む。空を切る刀。

その目は、人殺しの目を、足を、腕を、全て眼中に捉え、先の動きを読もうとする。だが、相手も人殺しなのか、無駄な動きが少なく、少女は隙を狙えずにいた。

 固く踏み固められた土に幾つもの足跡がついていく。

「弟の仇は必ずやーーー」

 すると、彼女の剣の周りの空気は歪み、刀を正確に視ることが出来なくなった。不可視になった訳ではない。ただ、刀の挙動が歪んで見えるのだ。

 少女は一秒経たずとも、人殺しと距離を詰めた。彼女の刄が人殺しの心臓を打ち抜く認識した瞬間、人殺しの背後から刀が一直線に降ってくる。だが人殺しは何かを感じ取って、一気に横に跳躍した。そして茶屋を飛び越え、川辺の橋の方へ駆け出す。少女は人殺しを追うように、身軽に街を駆け抜ける。

着物が風を受け、これ以上進ませまいと抵抗するが、少女には関係のないことだった。



 神社の境内で向き合う影が二つ。二人とも息も絶え絶え、相当走ってきたようだ。

 少女は口を開く。

「弟は、多少憎まれる奴だったかも知れないが、誰よりも正直な男でもあった。だから私は、表面上の性格だけで人を切り捨てるお前が許せないーーー」

 彼女は自らの体にぐっと力をかけて怒りを抹消しようとする。

ここで冷静を破れば弟の未練も自分の命も全て水泡に帰す、と。

 

 人殺しが初めて口を開いた。

 「あんたの剣術には驚いた。馬鹿みてぇに真っ直ぐだ。だからよーーーー隙が見えてしかたねぇんだわ」

 少女ははっと息を飲む。境内の紅葉が地に落ちた瞬間、二人は同時に飛び出した。


 少女の初めの一撃。人殺しはそれを軽く受け流し、下から切り上げようとする。

少女は素早く後方に跳び、大木の幹を踏み台に、人殺しに飛びかかる。

だが、人殺しはそれを判っていたのか、見事に避け、少女に斬りかかる。

二人の刄は再び交わる。剣の挙動に沿って光が空間に残響する。日はすっかりくれ境内を照らすのは刀の反射光のみ。


 再び強い追撃。彼女は何とか受け止めるが、両者一歩も譲らない。

ふと彼女は力を緩めた。途端、人殺しは前のめりにバランスを崩す。

少女は刄の中腹を人殺しの腹に刺し、その腹に沿うように人殺しの周りをぐるりと回転させる。

噴き出す鮮血。人殺しは、どの方向から見ても腹から血を垂れ流している。

だが人殺しはまだ諦めなかった。少女の頭上に刀が振り落とされる。しかし、瀕死の彼の一撃は易々と避けられるに決まっている。少女はトドメの一撃と言わんばかりに、人殺しの心臓に無名の刄を突き刺した。

血を避けるように彼女は鳥居の上に飛び乗る。

少女はいずれ死にゆく命を俯瞰(ふかん)する。

月夜の境内を鮮やかな赤が支配していく。

「少しこの(あか)は刺激が強すぎる。」

そう呟いて、満月を仰ぎ見た。

仇を取り、なんだか虚しい心の内を隠しながら。

人殺しの死体って誰が回収するんでしょうね(メタ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ