なんかもう色々すごいやつ
あれから二十年の時が過ぎた、、、、、子供だった俺は世界を救った英雄となり、、、みたいな展開をもう早々に終わらせて老後のハーレム生活を送りたいと思う今日この頃である。
レミル氏現在10歳。記念すべき10歳。おめでとう10歳。ありがとう10歳。
こんにちは就活、、、ッッッッ!!!
ここで俺の学歴を教えてやろう!!!!!
何もしていない。完。
冗談抜きで何もしていないのである。
父はよく僕に対して、夢を考えておけ、と言っていたが特に思いつくこともなくダラダラ三年を過ごしてしまった。
そもそもダラダラ20年以上過ごしてきた男だ。そいつに若い身体と新しい環境を与えても無理なものは無理なのである。性根が腐ってるんだよなあ。
この世界に学校という制度はない。
いやあることにはあるんだがこれがまた格差社会なもので、中央、と呼ばれる場所、いわゆる王都というところにしか学校は建てられておらず、そこに通って学ぶことができるのも裕福な家庭のみ、おぼっちゃん達である。つまるところの貴族社会です。
そのほかにも騎士育成学校や魔法学校なんかもあるらしいがもうなんか全部似たような金持ちしか入らないらしいですよはい。
平民は平民らしく、貴族は貴族らしく。ということだ。
僕の父であるランドレは商人をしておりギルド商会というやつの割と上の方の役職についているんだそう。しらんけど。
そこらへんはよくわからんからあとでお父さんに聞いときます。聞こう聞こうと思って三年経ったので多分聞きませんね。
平民の主な職業といえば大きく分けていくつあるんだろうわかんないけど知ってるのだけあげるね!
商人、冒険者。はい!以上!
さすがに雑すぎるのでちゃんとしようと思います。
商人にも色んな種類の商人がある。
例えば、店を構えて野菜や肉を売る商人に、料理を振る舞う商人、いわゆるレストランというやつに、武器や防具、衣服を売る商人。
商売といっても星の数ほどあるわけで、商人!というひとまとまりにはし難いものを感じる。
宿屋や鍛冶屋なども商売なので商人に含まれるのだろう。
次に冒険者だが、これはまあ論外、ありえん。
決して冒険者をバカにしているわけではないが、このご時世、冒険者に憧れて辺境を冒険して帰ってこない人が後を絶たない。いい大人がなにをしてるんだと言いたくなる気持ちもあるが彼らは至って大真面目に冒険している。
僕がかつてドラクエ民を嘲笑いFFをガチでやっていた頃とよく似ている。
俺は遊びでFFやってんじゃねぇんだよ!!!!
俺はッッッッ!!、、この世界を、、救って、やりたかった、、、、だけなんだよ、、、ッッッ!!なんて言いながら学校サボってた頃とよく似ている。
要はちゃんと働けってことだ。
稼ぎになるのなら問題はないが、いかんせん冒険者というやつは、一攫千金をを狙うには度胸と運が必要すぎてニートかましてた僕にはハードルが高い。高すぎて背面跳びしちゃうくらいには高い。
そんなにうまくないですね、はい。
まあでも完全に需要のない職業というわけでもなく、薬草の採取や、迷子のペット探し、屋根の修理や、魔物の素材集めなど、きっちりとした依頼から発生する仕事もあり、こなせる人間にとってはこれもれっきとした職業なのだ。
そしてここからが本題なのだが、この世界には救済システムがある。そう!なんとスキルがあるのだ!!!!!!ばーん!!
「スキル」
格好良さげに呟いてみるがこれといってなにもしません。残念でした。
皆んな誰しも産まれながらにスキルを授かっている。国によっては言い回しも異なるらしく、天性、加護、なんかよくわからんやつ、などと、とりあえず素晴らしい力が与えられてそれに見合った職業につき、それに見合った人生を送るのだそう。
例をあげるなら私の母、レイミアは彼女の父、僕の祖父にあたるのだが、家族で町の料理屋を営んでいたらしく、家事のスキルを所有している。
家事スキルのなかには料理補正や洗い物補正的なものがはいっていてよくわからんけど向いてるんだって。
こういったスキルは平民に多い。むしろこういったスキルだからこそ平民なのだと言えるのだろう。
そのなかでも時折馬鹿げたようなスキルを所有する者が現れることがある。
たとえば東の国の勇者が最近名を挙げつつあるようだが彼のスキルは時間停止。3秒くらいらしいけど。いやお前は石仮面かって。ザッッワーールド!!!!!やってみたいよね。わかる。
そして今世間をお騒がせ中、というかもうかれこれ何年も世間をお騒がせちゃってるあのお方、名前を呼んではいけないあのお方こと魔王ギルマリアドゥーヒニッチジャムガンジェラトなんちゃらかんちゃらしらんけどさん。
みんなからは魔王ギルマリアと呼ばれているあのお方は、不敗のスキル持ち。
負けないんですって。ウケる。無理ゲーやん?
ふつうに名前呼ばれちゃってるけどな。
そんなこんなで私ことレミル氏にも救済システムがあり、あっちの世界では社会不適合だった僕にもばっちりな職業を見つけてくれる優しい世界!
そう、思ってた時期が俺にもあったんだーーーー
『スキル:【なんかもう色々すごいやつ】、なんか凄いことができる』
らしいです。ウケる。まじまんじ。