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6話 事後と策謀

目を覚ましたく無いけれど、目が覚めた。

おそらく夜明けだと思う。

隣に人の気配がある。

そちらを振り返らなくても誰がいるかは分かっている。

取り返しを付かない事をしてしまった事も、聞かされている。

しかも二人とも裸なのも分かっている。

おそらくは寝ているのだろう、安らかな寝息をたてている。

どうしよう・・・

「んんっ・・・おはよう」

目を擦りながらお姉ちゃんが目を覚ます。

「!?お、おはようアルテミスさん」

「!!なんで他人行儀なの?怒るわよ?あんな事までしたのに・・・」

そう言うと寂しそうに自身の下腹部を大切な何かがある様に優しく撫でる。

「ご、ごめんなさい・・・」

どうしよう、謝ってすむ問題じゃないと思うし・・・

「責任とって?」

そう言うと目を閉じて顔を近づけてくる。

「(これってキスってことかな?恥ずかしい・・・でも!)」

思い切ってキスしたら歯があったって痛かった・・・。

「上手くなってね?」

そういって涙目で抱きしめてくれる。

「う、うん」

ダイレクトに感触が伝わり、昨夜の感触が蘇ってくる。

も、もう忘れないと!!

「もう1回する?」

結局そういって笑顔で微笑んだお姉ちゃんに甘えちゃった。



家を出ると、やさぐれた様子の眼鏡なお姉さんがしゃがみ込んでいた。

「昨夜はお楽しみでしたねー」

「えっと・・・」

照れながら戸惑っているとお姉ちゃんが話し始める。

「ええ、とっても。とても満ち足りた気分よ?」

「でしょうねぇ・・・そんなツヤツヤした顔してればねー」

そういうと不機嫌そうに僕に話しかけてきた。

「ねぇ、ボクまだ代償もらってないんだけど?」

「あっ!ごめんなさい!」

「ほぼ1晩放置されたしなーどうしよっかなー」

そういうと僕でも分かる位、わざとらしく悩む振りをする。

「多めに僕の魔力を使って下さい」

完全に忘れてたんだししょうがないよね?

それにしても、昨日はなんであんな事になったんだろう?

全然覚えてないや・・・

「ほんと!?ありがとー!」

そういうといきなり抱きついてきて、キスをしてきた。

戸惑っていると、舌まで入れてきて暫く離してくれなかった。

苦しかった・・・。


「はぁ・・・はぁ・・・」

僕が苦しそうにしていると、お姉ちゃんにがデコピンで吹っ飛してくれた。

どこまで飛んでいったんだろう?

それにしても本当にお姉ちゃんは優しい。

でも一瞬凄く怖い雰囲気がした気がするのは気のせいかな?

「私意外にああいうことしちゃ駄目よ?」

「は、はい!」

そういうと今度はお姉ちゃんが触れるか触れないかの軽いキスをしてくれた。

それだけなのに凄く満ち足りた気持ちになった。

やっぱり僕はお姉ちゃんがいいな。

「いきなりなにすんのさー!」

そういうと眼鏡のお姉さんが怒りながら帰ってきたけど、逆にお姉ちゃんに凄い勢いで怒られて、どこかへ引きずられていった・・・。

しばらくすると遠くで爆発音みたいな凄い音がした後に二人共帰ってきた。

何故かお姉さんの服はボロボロだったけど、あの音は何だったんだろう・・・?


「ふぅ・・・それじゃあ一旦帰るわね?」

そう言うとお姉さんは僕の左手の薬指に指輪をはめてくれた。

確か何か意味があったような気がするけど、なんだっけ・・・?

お姉ちゃん曰く、凄い効果がある指輪なんだけど、今はまだ効果は秘密なんだって。

お姉ちゃんも付けてたし、きっと凄い効果があるんだろうなぁ・・・。

眼鏡のお姉さんは複雑そうな顔をしてたけど、なんでだろう?

あ、あと眼鏡のお姉さんに貰った綺麗な石はただの石じゃないんだって。

いろいろ試してみてーって悪戯っぽく言われたけど・・・

じ、時間があったら試してみようっと。


「またね!アル姉さん!クロ姉さん!」

僕が真名をもじってそう言うと、

眼鏡のお姉さん・・クロ姉さんが急に涙目になって抱きついてきた。

「・・・ありがとうっ!」

そんなに喜んでもらえるなんて思わなかった。

良かった!

お姉ちゃん・・アル姉さんに引き剥がされる様に離されると、

二人とも魔法陣から閃光と共に消えていった。

帰り際にアル姉さんが「天界で一緒に暮らさない?」って言ってたけど、

「まだ分かんないです」って言ったら悲しそうな顔してた。

だって僕の方が確実に先に死んじゃうけどいいのかな?

そ、それに突然居なくなったら・・・

ん・・・?突然居なくなる・・・?

もしかして、父さんってもしかして誰かに連れて行かれたの!?



天界

クロ姉さんの部屋


相変わらず書類に山が山積しており埃っぽ部屋である。

「はー疲れた!でもこれからもっと忙しくなるねー」

「あら?どうして?」

「どうしてって・・・アー君勇者にするんでしょ?」

「え?」

「え?」

「・・・?その為にあの呪い解かせたんでしょー?

アー君が転生すると勇者になる筈だったのを、無理矢理先取りしちゃったから、今頃魔王も目覚めてるはずだし・・・次の魔王戦役は色々間違えないぞー」

「なんてこと・・・」

軽く過去のトラウマがフラッシュバックするが、

今度こそは・・・と決意するアル姉さんのだった。



閃光に包まれ2人は帰っていった。

・・・召喚された場所へ。


「・・・・・・・えっ?」

「・・・・・・・テヘッ」

「えっとクロ姉さんなんでここに・・・?」

「帰ったよ?アクシオス君が召喚してくれた場所にさー」

そういって魔法陣から30cm離れた場所を指差す。

「そ、そうなんだ!・・・でもそうするとどうやって帰るの?」

「んー・・・まあ自力でも帰れるといえば帰れるんだけど、ね?

足りないモノがあるから今は無理じゃないかなー」

「えぇ・・・大丈夫なの?」

「んーアクシオス君がものすごーく協力してくれるなら案外早く帰れるかもしれないけど・・・ね?」

何故か頬をピンク色染めて恥ずかしそうに呟くクロ姉さん。

何か嫌な予感しかしない・・・。

「と、とりあえず今は帰れないから泊めてくれると嬉しいなー!じぃー・・・」

「う、うん僕の家でよければ」

「やったー!アクシオス君大好き!」

そういって抱きつき、キスをしてきた。

勿論舌もいれてくるやつで。気持ちいいけど、ずっとしてると苦しい・・・。

さっきは止めてくれるアル姉さんがいたけど、今は居ない!

苦しくて腕の中で抵抗すると、強く抱きしめてくる。痛い!苦しい!息が出来ない!

「むぐ!むぐー!(クロ姉さん痛い!苦しい!離して!)」

バキンッ。

何かが嫌な音を立てて折れた後、意識を失った。

意識が途切れる寸前に、「あっ!」って声が聞こえた気がした。


どれくらい時間がたったんだろうか・・・辺りが暗いから夜なのかな。

どうやら僕は自分のベッドで目を覚ます事が出来たみたい。

本当に死ななくて良かった。

背骨辺りが折れた気がしたんだけど・・・。

辺りを見回すと、

僕のすぐ横の脇でクロ姉さんがうつぶせで寝ているみたいだった。

心配してくれたたのかな。

僕ももう一眠りしよう。

おやすみ。


朝、目を覚ますとクロ姉さんが真剣な顔で覗いていた。

僕が目を覚ましたのを確認すると

「ごめんね!ごめんね!本当にごめんね!うぅ・・・」

そういうと泣きながら抱きついてきた。

今度はそっと、

凄く優しく大切なものを壊さない様に必死で気を使っている様な感じで。

「だ、大丈夫!」

そう言いながら、クロ姉さんが落ち着くまで頭を撫で続けた。


「ごめんね・・・痛かったよね」

「すぐ意識無くなっちゃし・・・」

「そうだ!身体は!?身体は平気!?何かおかしい所ない!?多分背骨が折れたっぽいんだけど!」

そう言って僕を脱がしてくる。

やめて!恥ずかしいから!(閑話的なお話に事の真相がっ)

「お、おぉぅ・・・大丈夫っぽね」

顔を真っ赤にしつつそう呟く。

だから見せたくなかったのにさ!はぁ・・・。

「ねぇ・・・ボクの背骨もへし折ってみる?」

「えぇ!?一体どうしたの!?」

「へし折っちゃたじゃん?償い的な?」

「いいよ!遠慮するよ!」

「えー!そんな遠慮しなくても・・・こう、ひと思いに・・・!」

「償いなら他の方法でお願いします!」

「あ、はい」

なんだろう疲れる。凄く。

アル姉さんが凄く恋しくなってきちゃったよ・・・。

「んーそうは言っても・・・償い・・・んー・・・エッチな事する?」

「遠慮します!」

「えー!そんなに拒否しなくてもいいじゃん!やっぱり胸か!胸が無いのが駄目なのか!くぅ!!ロリ体系じゃ駄目かっ!」

なんだか勝手に盛り上がってるけど、声かけたくないなぁ・・・。

早く帰ってくれないかな・・・。

「それならば!!ちょっとまっててー!!」

そういうとクロ姉さんの体が眩しい光に包まれる。

「これでどう?」

そこにはアル姉さんに身長、体型、雰囲気が良く似た、眼鏡を掛けたお姉さんがいた。

「どう?いい感じー?」

そう言って抱きしめてくれる。

「う、うん」

アル姉さんじゃないとは分かっているんだけど、姉妹だと似てるよね。凄く。

抱き方も微妙に違うしでも、胸がドキドキする。なんでだろう・・・。

お姉ちゃんじゃなきゃいやなのに。

「あれ?急に大人しくなってどうしたのー?」

ニヤニヤと意地の悪そうな顔でいうけど、僕、何もいえないよ。

「えっ?えっ?本当にどうしたの?やっぱり体のどこかおかしい!?」

「う、ううん」

そういって思わず強く抱きしめ表情が分からない様にする為に、胸に顔を埋めた。

安心したみたいで気が付いたら2度寝・・じゃなくて3度寝してた。


「ふぁ・・・」

なんだかいいにおいで目が覚めた。

「お、お寝坊さんのお目覚めだねー!

別に食べなくても死にはしないんだけど、やっぱりお腹は空くじゃん?

だ、だから適当にあるものでご飯つくっておいたよ!」

「あ、ありがとう」

クロ姉さんの作ってくれたご飯はとても美味しかった。

美味しいって言ったら物凄く嬉しそうな顔で抱きついてきて、

キスされそうになったけど、キスだけは素早くかわす事に成功した!

これだけ身長差があれば大丈夫!

誰かと一緒にご飯食べるのなんて久しぶり!

なんだか嬉しいな。

そう暢気に考えるアクシオスであった。


あっさり書こうとしても、

ドロドロしてくるのはなんでなんだろうなー(;´Д`)


全然関係ないですけど、

アルファポリスさんの方に閑話的なお話も併せて書いてます。

(完全にR18な内容なので、こちらに掲載する予定は今の所ないですが・・・。)

興味がある奇特な方は探してみて下さいませ。

http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/875049589/

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