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藤枝百合子は大きくため息をつく。
思った以上に四冊の本の事実を知る人は多い。けれど、誰も五冊目の内容に触れるものはいなかった。結局分からずじまいだ。
やはり図書棟には幽霊がいるのかもしれない。
そう考えるほうがシンプルで楽だ。それにしても厄介な幽霊だ。
それにもうこの学園にはいられない。芹沢お嬢様には引きとめられたけれど、わたしもそれほどお人よしではない。責任者として責任を取らなければならないということくらい分かっている。
それとも、
と、少し考える。
もしかしたら、こうなることが計画されていたのかもしれない。わたしが学園に残ることを迷惑に思っている人がいるのかもしれない。
そして、それはどう考えても幽霊の正体だ。
頭のいい幽霊がわたしたちの運命をもてあそんでいるのだ。
だけど、そんなことはありえない。
幽霊なんて存在しない。
わたしには最後の仕事が残っている。
学園の正門で、大きくお辞儀をすると藤枝百合子は去っていった。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。卑怯ですかね、すいません。前の話に引き続き、活躍してそうで実はあまり活躍してない甲斐くんでした。
動機らしきものも見え隠れしてますが、尻切れトンボのような終わり方にしてあります。「タナトス~」の最後の章を読まれると、ここの話の続きにも触れてますので、多少のフォローにはなるかと思います。




