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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第二章 私達のギルド
21/50

顧問2

 ギルドマスター 雛井森里

 副ギルドマスター 早田音さよ

 ギルドメンバー 神山つかさ、時葉直也、時葉美穂、神奈月優香


 いつの間にギルドマスターとか決まってたんだ?まあ俺以外なら誰でもいいけど。

「――――ま、ま、待ってください!ど、どうして私がギルドマスターなんですか!?おかしいです!」

 雛井は期待通りいいリアクションをしてくれる。分かっていたことだけど雛井には何も知らされてなかったようだ。こいつが自分からリーダー的なことをやるとは思えない。

「誰か反対意見の人?」

 神奈月の質問に意見するやつはいない。俺はもちろん雛井がリーダーになるのは賛成だ。普段は頼りないがここぞというときはしっかりしているし、一番みんなのことを気遣ってくれそうだし適任だと思う。リーダーとしてと言うよりも皆を癒してくれるマスコット的な感じだと思うけど。

「な、なんで誰も反対しないんですか?わわ、私が反対しますよ!生徒会長さんがいるんですから生徒会長さんにやってもらえばいいじゃないですか?」

 慌てながら雛井が自分にはあってないと否定する。

「んー私がやってもいいけど一応生徒会長だしね。生徒会にギルド作ったのはばれたくないのよね――けどそれを理由に生徒会の仕事サボれるってのはかなりのメリットか……」

「なら――」

「ねえ雛井さんは自分を変えてみたいと思わないの?」

「え……」

「私は人が変わるのに一番必要なことって現環境の変化だと思うの。今までやったことなかったことに挑戦すること――それが自分を変えることだと私は思うわ」

 生徒会長はいきなりもっともらしいことを言い始める。

「でも……私には……」

 それでも雛井は納得できないらしい。雛井の性格からしたらギルドのリーダーなんて荷が重すぎるだろう。俺はそれでも雛井にやってもらいたいけど……。

「俺も雛井が適任だと思うぞ?」

「あ、それに私がリーダーになったら気分を害する人がいるかもしれないし……」

 生徒会長がそう言いながら全員の顔を見渡す。そんなやつこのギルドにいるわけないだろ――

「そ、そうですねー、私も生徒会長がギルドマスターならこのギルドに入るか考え直すかもしれないですー」

 完全に棒読みの美穂。

「私もさよがギルドマスターならこのギルドに入らないわ。さよがギルドマスターとかマジないわー」

 なんでお前まで一緒に言い始めてるんだよ!生徒会長を連れてきた本人のくせに何言ってるんだ!この流れなら俺もやらないといけないのか?

「お、俺も生徒会長がリーダーなら別のギルド行くぞ」

 これだけこんな簡単な嘘はさすがの雛井だって気づくだろ……。

「は?みんな何言ってるの?だって――ぐはぁ」

 直也に美穂の軽いボディーブローが炸裂する。

「わ、私の弟も生徒会長がギルマスだと抜けちゃうって言ってるわ。あははは――」

 おい……さすがに無理があるだろ。直也のやつも雛井と一緒で空気を読めないやつなのか。さすがにこれくらいは嘘だってことに気づいてほしかった。

「わ、分かりました。みなさんがそこまで言うなら私がやります。で、でももし何かあったらごめんなさい」

 そしてこんな嘘に簡単に雛井は騙されてしまう。これが終わったら一応さっきのは雛井をギルドマスターにするためについた嘘って説明しとくか……。

「大丈夫だって雛井さんなら私よりがやるよりいいギルドマスターになれるわ。なんたってこの超天才の私が認めたんだもの。もっと自分自身に自信を持っていいわよ」

 こいつどんだけ自分が凄いと思い込んでるんだよ……。

「あ、ありがとうございます」

「雛井さん頑張ってね。って言ってもギルドの管理は私や優香がやるつもりだからそんなに仕事はないから。でも、このギルドのリーダーはあなた――それだけは覚えておいてね」

「は、はい」

「雛井、ギルドマスターがんばれよ」

「森里お姉さま!私にもできることあったら何でも言ってくださいね。弟も頑張ってって言ってました」

 そう言いながら後ろで腹を抱えて座り込んでいる直也を指さしながら言う。

「時葉君大丈夫ですか?なんか――」

「いやーな説明するのに何回かなぐ――じゃなかった。いろいろあって……」

 何回も殴ったのか……もっと簡単にやさしく説明してやれよ。

「ちょ!あんたなにしてんの?大事な弟でしょ?何殴ってんのよ!」

「はあ!?最初に言いだしたのはあんたでしょ?あんたがそんなこと言いだしたからこんなことになってんのよ」

「あんたが勝手に嘘に乗ってきたんでしょ?私は優香に言ったつもりだったし――」

「大体あんた昨日直也の告白断ったくせになんでそんなに気にするわけ?別にいいじゃない!私が直也をどうしようとあんたには関係ないでしょ?」

 美穂に言われた瞬間、生徒会長の顔が一瞬で真っ赤になる。どうしたんだ?

「――なななななな、えっと、それは、その、なんて言うか、ね?あれよ。いろいろあるのよ……」

「待って――――さすがにあんたちょろすぎない?」

 美穂が少し考え込みそう言った。

「そ、そんなの自分でもわかってるわよ!!!!でも仕方ないじゃない!!全部あんたの弟が悪いのよ!!私は全く悪くないわよ!!」

 うーん。何の会話をしているのか理解できない。これが女特有の女子にしかわからないことなのだろうか?この場の雰囲気的に実は生徒会長は直也のことが好きだったってことか?って、さすがにそれはないか。あんな振り方したんだから一日で好きになるなんてありえないか。

「昨日何があったかしならないけど、あんたその立場で私にそんな態度とっていいの?私に対して敬語とか使ってくれてもいいんだけど?私は直也の姉なんだけど?」

「むっか!だからあんたに知られたくなかったのよ!今更だけどあんたこそ年下のくせに上級生にその口の聞きかたはどうかと思うわ」

 ますますエスカレートする二人。俺のクラスがもめていた時に一瞬で問題を解決してくれたかっこいいと思っていた生徒会長の姿はもうここにない。まあ、俺からしたらこっちの生徒会長の方が仲良くできそうな気がするけど。

「ほんとに今更ね。自分の立場が悪くなるとすぐに話を逸らす。天才にお似合いの行動ね」

「は?べ、別に逸らしてないわよ」

「でもまあ、それでも天才なのよね?学校では――ぷっ」

「……あんた私にケンカ売ってんの?」

「これでケンカ売ってないように見えたら凄いですよね~」

 二人が火花を散らし睨み合う。これからずっと一緒にやっていくのにこいつら大丈夫なのか?気が付けば神奈月はまた本を読み始めてしまっている。直也もすでに復活しておりこっちを見ているがなん言えばいいかわからないのか不安そうに立ち尽くしてしまっている。ここは俺の出番か……。はっきりあんまり関わりたくないんだけどな――

「や、やめてください」

 そう思っていると雛井が二人を止めに入る。

「ほらあなた言われてるわよ。雛井さんのこと思ってるなら負けを認めたら?」

「なんで私が負けないといけないの?負けを認めるのはあんたでしょ?」

「二人が仲良くしてくれないと私嫌です……。喧嘩ばっかりするんでしたら私もうギルドマスターなんか――」

 今にも泣きだしそうな表情で雛井が言った。

「って言うのは冗談よね?」

「そ、そうですよ。森里お姉さま。私達こう見えて仲いいんですよね。先輩」

「ほ、ほんとですか?良かったです」

 安心したのか雛井は今にも泣き出しそうになってしまう。さすがだ……きっとこれは考えてやってることじゃないんだろうな。天然ってこんなに恐い。

 この二人を仲裁できるのは雛井だけっぽいし、そう言う意味でも雛井がギルドマスターってのは良かったのかもしれない。

「やっと終わったのね。次は顧問ね。誰か信頼できそうな人いない?」

 神奈月が全員を見回す。俺は教師に知り合いなんていないに決まっている。他のやつもまだ入学して一週間しかたってないのに知り合いなんているのか?

「いるわよ。とっておきのやつがね」

 生徒会長は自信ありげに答える。生徒会長は俺ら五人とは違い一年間長くいるんだ。しかもあの猫かぶりようだ人脈はかり期待できる。

「なってくれるかは知らないけどね。まあ教師って言うか友達みたいなもんだし多分おっけーしてくれると思うわ。何より私はこの学校の中で数少ない信頼してるやつよ」

「は?あんた人は信頼しないとか言ってなかった?」

「……そ、そうね。まあ、信頼って言うより同士って言ったほうが正しいわね」

「さよにはツッコまないであげて。ああ言ってても、さよもぼっちは嫌なの」

「ちょっと!変なこと言わないでよ!」

「まあどうでもいいわ。じゃあ、五人で交渉に行ってきて。私はまだギルドのことでここに残らないといけないの」

「…………」

 生徒会長が神奈月をじっと見つめる。

「何――」

 神奈月は生徒会長に本を取り上げられてしまう。

「神奈月さん。集団行動を乱さないようにしましょうね?」

 生徒会長は口調を生徒会長に戻し神奈月に言った。

「……わかった。行けばいいんでしょ」

「っとその前に――髪型変化(ヘアーチャンジ)

 生徒会長は再び魔法を使い髪型を戻し眼鏡をかける。

「ふふっ、これで準備は完璧。では、みなさん行きましょう」

 そして俺達はみんなでその先生がいる教室まで行くことになった。

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