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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
第一章 私達の出会い
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早田音さよ6

「その呼び方はやめて。やっぱり今日はあんたと一緒の部屋で寝るわ。やっぱり年頃の男女が同じ部屋で寝るなんて考えられないから」

「だから私もさよを呼びに行ったんだけど――そしたらあんなことしてたの。意外な収穫があったわ」

 イラッ!そうだった。こいつは私がキスしてるとこ見たんだった。

「本当にそれは言いふらさないでね。絶対よ?いい?」

「分かってるって。絶対に言わないから安心して」

 本当にわかってくれてるのだろうか?優香が絶対とか言う時は大抵嘘をつく時だ。きっと明日の朝には吉田さんもこのことを知ってるだろう。下手したらギルドのやつにもばらしてそうで怖い。

「ねね、さよのベットって時葉君が使ってるんだよね?帰った後に匂い嗅いだりとかやめてね」

「そ、そんなことしないわよ!!」

 思わず全力で否定してしまう。でもさすがに私でもそんなことはしない。多分……。

「それよりあの子のどこがそんなに良かったの?さよがベタ惚れなんて只者じゃないわ」

 うざい。あきらかに今日の優香はおかしい。いつになくご機嫌だ。私をいじるのがそんなに楽しいのか?私に好きな人ができたのがそんなに嬉しいのか?

「だから、好きじゃないって何回言えば分かるの?キスもあんたの見間違いでしょ?あんなやつ――」

 私は見え見えの嘘をつく。ばれてるにしろとりあえず否定しないと――

「そうね。確かにあの子何にもできなさそうだし、見た目もちんちくりんだし、魔力も大したことなさそうだし、本当にだめだめだと思う。はっきり言ってなんで生きてるのかが不思議くらい」

 優香は何言ってるんだ?いきなり好きない人バカにされた。こいつは直也のこと何も知らないくせに。私もほとんど知らないけど……それでも直也をバカにするやつは許せない。

「なっ――そこまで言わなくても、あんたは見てないからわかんないと思うけど意外に頼りになるのよ。ちゃんと私のことも守ってくれ――」

 ハッと我にかえる。くそ、騙された……。なんでこんな単純なことに騙されたんだろう。優香はうっすらと笑みを浮かべ煽るようにこちらを見ている。ほんと嫌な性格なやつだ。

「私は人を好きになるのはいいことだと思う。で、どこが良かったの?」

「へ、別にどこだっていいでしょ。全部よ。全部好きなの!文句ある!?優香にバレるなんてまじ最悪……死にたい気分だわ……」

「最初からバレバレだよ?なんで両思いなのに告白しないの?付き合っちゃえばいいのに」

 できるものならそうしてる。でも、今日告白できなかったってことはきっと私が直也と付き合えるのは当分先になってしまうだろう。

「バカなこと言わないでよ!!最初に思いっきりみんなの前で振っちゃったのよ。それなのやっぱり好きでしたってそんなこと言えるわけないじゃない……助けてくれる人なら誰でもいいちょろい女だって思われる……」

 別にちょろい女って思われたっていい。それに直也は絶対に私をそんなふうに見たりしない。ただ私には告白する勇気がないだけだ。

「そんなこと気にする必要ないと思うけど」

「それに私もちゃんとけじめをつけたいの」

 これは言い訳だ。告白できないから適当な理由を付けて告白しないようしてる――私はただ直也を正面から向き合うのが怖いだけだろう。

「そう、いつ告白してもいいけど付き合うことになったら私にも教えてね」

「ぜっっったいにイヤ!!」

「そう言うと思った」

 優香は笑いながらそう言った。きっと優香は教えなくても付き合い始めたら気が付くだろう。

「あの子がいいってことはあのギルドに入っるってことでいいの?」

「そうね……私から言わせてもらったらもうあのギルド以外ありえないわね」

 私はドヤ顔でそんなことを言ってしまう。自分でも思う。仕方なくあのギルドに入ろうと思ってたころが懐かしい。


 ――失敗させる魔法を使うチート級の魔法使い。

 ――謎の時期外れの転校生。

 ――私の最高の親友。

 ――そして私が惚れた最愛の人。ついでにその双子の姉。

 楽しいギルドになりそうだ。


「でもあのギルドみんな可愛いし時葉君取られちゃうかもよ」

 言われてみれば確かに皆可愛いかもしれない。おっとりした性格でいろんなことに気を使ってくれる優しい雛井さん。性格はムカつくけど黙っとけば可愛い時葉美穂。そして普段はクールぶって本を読んでなかなか喋らなくて可愛げがないけど、気が付くと毒舌になっているもっと可愛げがなくなる優香。でも――

「いやそれはないわね。だってあの子私にべた惚れだし私も大好きだし私以外みんな幼児体型じゃん。あんた達がどんだけ頑張っても私たちの愛は裂けないわ」

 私は自信満々に言い放つ。言ってて自分でも少し恥ずかしくなる。

「ありえないほどデレデレね。さすがに少し引くレベル。でも良かったね、さよ。大切な人ができて」

「な、何よ。どうしたの急に。気味が悪いわね」

 さっきからどうしたんだろ?優香の様子があきらかにいつも違う。

「別に。さよが私のことどう思ってるかは知らないけど私はさよのこと好き」

「な、何言ってんのよ!」

 私は不意にそう言われ顔を赤らめてしまう。

「でも、寝てる間に何回もキスしようとするのはちょっとアレだからやめてね」

「あんたはいつも一言余計なのよ」

「どういたしまして」

 優香は無表情で何考えてるか分からない時が多い。でも私のこと大切に思ってるんだ。私って結構大切に思われてるんだな…………。いつも一人だと思っていたけど私には優香や吉田さんがいつもそばにいてくれた。

「さよは今までずっと自分が一人だと思ってきてたの?さよにとって私と吉田さんって何?もっと私たちを頼っていいんだよ」

 考えが読まれるかのように優香が聞いてくる。だから優香は嫌いだ。隠し事ができないから。

「べ、別にあんた達を頼らなくても一人で――」

「その考えが間違ってる。もっと周りの人を頼って。人は支え合って生きてく生き物だよって子供の頃のさよが言ってた」

「そっか、そんなことも言ってたな……」

 懐かしい私の子供時代――家族に裏切られて人を信じたくなくなった……。きっと私は優香達がいなかったら今この場所に私はいなかった。

「さて、今日はもう遅いから寝よ。二人で寝るのって久々」

「部屋が分かれてから初めてかもね。その……なんて言うか……今までありがと。それとこれからもよろしく」

「デレたさよは可愛いね。私も改めてよろしくね」


 私達は私の部屋の前から移動して優香の部屋へ移動する。昔からあんまりわからない私の親友の部屋。本棚には几帳面に並べられた本の数々。ホントかウソかわからないが優香は一回読んだ本をほとんど完璧に覚えることができるらしい。私からしたら優香や雛井さんの方がよっぽど天才に思える。

 そして私は自分のベッドのように優香のベッドに倒れこむ。そして意識が遠のき始める。

「ねえ、さよ少しいい?大事な――――」

 ああ、優香が何か言ってるけどもう頭に入ってこない。今日もいろいろあったな。いや、いろいろありすぎた……。でもこれからはもっといろんなことが起こるはずだ。退屈でつまらないと思っていた生活が終わる……。明日から毎日が楽しくなりますように……。そんなことを考えながら私は眠りについた。

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