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早田音さよの超絶物語  作者: 中二病少女
プロローグ
1/50

序章

 朝、目が覚める。

 ここは……どこだ?辺りを見回すとそこは自分のいつも寝ている部屋ではなかった。ほとんど物の置かれていない殺風景な部屋に俺はいる。寝起きでぼーっとしていた頭が働き始め昨日の出来事を思い出す。

 そう言えば俺はあのまま玄関で寝たのか。あいつがここまで俺を運んでくれたのか?

 ベットから起きカーテンを開けて外を見てみる。まだほんの少し日が昇っている程度で薄暗い。周りの家も初めて見るが別にいたって普通の家だ。

 今何時だろ……。が、この部屋には時計が置いてない。そもそもここにはあいつが一人で暮らしてたんだし、当たり前か。

 俺ははぁーとため息をつく。腹減ったな――言われてみたら結局昨日は何も食べなかった。昨日買ったコンビニで買った材料で朝飯でも作るか……。


 部屋を出て一階に向かう途中に俺の寝てた部屋の隣の部屋の前で立ち止まる。あいつは多分この部屋で寝てるのだろう……。一瞬開けようかと思ったが思いとどまる。多分あいつはまだ起きてないだろう。昨日のことでいろいろ言いたいが起きてきたらでいいか。あいつにも迷惑かけたしな。俺は少し急ぎ足になりあいつの部屋の前から去った。


 リビングにたどり着き部屋の中をしっかり確認する。昨日は玄関で寝てしまいまともに家の中を見ることができなかった。

 リビングは生活に必要なもの以外置かれておらず地味な部屋だ。あいつの部屋もこんな感じなのだろうか。そしてこの部屋にも時計がない。もしかしてあいつの部屋にしかないのか?そもそもこの世界に時間なんて存在するのだろうか?とりあえず昨日コンビニで買った材料で朝飯でも作るか。

 冷蔵庫にも入れずにそのまま部屋に放置してある材料に手に取りキッチンへ向かう。冷蔵庫を開けてみるとみごとに何一つ入っていない。いや、よく見ると中にはミカンが一つだけぽつんと置いてある。どうしてミカンなんだ?あいつミカン好きなのか?

 そして冷蔵庫の前に置かれたインスタント食品のようなもの。女の子の一人暮らしとはとても思えない。そういや料理とか苦手とか言ってたな……。それでも冷蔵庫がミカン一つっていうのは重症だろ!本当に今までコンビニ弁当やインスタントばっかりだったのか……。昨日あいつにはいろいろ世話になったし朝から気合い入れて作るか。俺は冷蔵庫やキッチンを勝手に整理して朝飯を作り始めた。

 ――――朝飯が完成して一人で食べ始める。一応フライパン等の調理するための道具があって良かった。とりあえず簡単にできるフレンチトーストを作ってみた。トッピングに蜂蜜をかけることによってより美味しそうに見える。なんだかんだ言って朝はこれに限るな。めんどくさい時はこれに限る。あいつはまだ起きないのだろうか?せっかくの料理が冷める前にあいつを起こそうと思ったが、寝ている女の部屋に行くなんて俺にはできない。

 退屈すぎる。一人には慣れているつもりだったが、いろいろ暇つぶしできることがあったからこそだったのかと今ならわかる。何度もこの部屋の中を確認したが本当に何にもおいてない寂しさを感じさせるような部屋だ。せめてテレビくらいないのか?そもそもこの世界にテレビなんて存在するのか?うーん、もっとこの世界のことを知りたい。ちゃんとした情報がほしい――すると、二階のほうからゆっくりと階段を降りる音が聞こえてくる。やっと起きたのか。リビングのドアが開きもう一人の同居人が入ってくる。

「おはよ、俺って確か玄関で寝たよな?わざわざ運んでくれたんだろ?ありがとな」

 俺は朝の挨拶に紛れさせて適当に昨日の礼を言う。が――

 挨拶した彼女は俺のことを見る気もせず、可愛く欠伸をしながらおぼつかない足取りでキッチンに向かう。部屋に似合わず可愛らしいパジャマ姿でナイトキャップを被っている長い銀髪の少女。髪もぼさぼさで完全に寝起きといった感じだ。

「あれ……ないです……」

「そこに置いてあったインスタント食品は全部閉まっといたぞ」

「えっと……どちらさ…………」

 ようやく俺の存在に気が付き急に顔を真っ赤にする。

「――ごごごご」

「ご?」

 そう聞き返すと物凄い速度で部屋を出て行った。何なんだあいつは?訳が分からん。冷める前に食っとくか。


 ――それからしばらく一人でご飯を食べてるとまたあいつが戻ってくる。今度はしっかりと制服に身を包んでおりぼさぼさだった髪もしっかりセットされている。

「ご、ごめんなさい。さっきは見苦しい姿を見せてしまって」

「気にするな。朝なんて誰だってそんなもんだぞ」

 目の前の女の子はまだ顔が真っ赤になっている。よっぽどさっきのことを気にしてるのだろうか?

「き、気にしますよ……あんな気の抜けた姿を他人に見せてしまうなんて……」

 俺に見られたのが相当ショックなのか?ここまで露骨に嫌がれるなんて……。女からしたら男に寝起きを見られるのはそんなに嫌ものなのか?

「そんなに俺に寝起きを見られるのが嫌だったのか?」

「べ、別にそういうわけではないです。神山君に見られたことを気にしてるわけではなくて、そ、その、人に寝起きを見せるのってなんか……照れるっていいますか……その……こんなこと始めてだったので……」

 ――良かった。それを聞いて少し安心する。さすがに昨日会ったばっかりでこれから一緒に暮らしていくのにその同居人に嫌われてるのは気が引ける。

「まあ、そんなに気にするなよ。これから一緒にやってくんだから仲良くやってこうぜ」

「そ、そうですね。これから一緒に――」

 気のせいか。一瞬こいつが微笑んだように見えた。

「そういやこの家ってテレビとか時計ってないのか?」

「テレ……ビ?ごめんなさい。ちょっとよくわからないです」

 この世界にはテレビがないのか!?嘘だろ……。いつの時代の人間だよ……。車とかも普通に存在してたし、この世界の基準がいまいち理解できない。テレビがないなんて一体どうやって世間の情報を手に入れてるんだよ!いや、こいつは世間知らずっぽいし、もしかしたらこの家にないだけかもしれない。そう信じたい……。

「時計って言うのはこれのことですか?」

 そう言いながらスマホのようなものを見せてくれる。この世界は時間を聞いて携帯?を出してくるのか。時計もないのかよ。いや、最近じゃ時間って言われたら携帯で確認するやつがほとんどだしな。うん。本当にこれが携帯なのかわからないけど……。画面には四月十四日の六時五十五分と書かれている。一応時間という概念はあるらしい。日付は四月十四日か……。

「ああそんな感じのやつだ」

「その一つ気になったんですけど……その朝ご飯は神山君が作ったんですか?」

 机に並んでいる俺の作ったパンをじーっと見つめている。

「そうだけど、それがどうかしたか?」

「い、いえ、なんでもないです……その男の人って料理とかって苦手なイメージだったので……昨日コンビニで買ってたのってこれを作るためだったんですね……」

「何だと思ってたんだ?最近じゃ男でも料理してるって結構聞くけどな。それにこれくらいお前にも作れるくらい手軽な料理だぞ?しつこいようだけどこれからこの家の飯は俺が作るからな。これを見る限りお前には任せておけない」

「ごめんなさい……私何にも出来なくて……」

 どうやら俺が強く言ったせいで目の前の彼女が落ち込んでしまう。自分では軽い冗談で言ってるつもりでも相手からしたら全く違う意味でとらえてしまうのか?はぁー……辛い。これまで人と関わるのを極力避けてたせいか出合って間もないやつと話すのはやっぱり苦手だ。だから、一人の方がいいのに。

「いや、悪い――少し言い過ぎた。むしろお前には感謝しまくっているぞ。結局、この飯の為に買った材料費は全部お前が出したものだからな。それにあのわけわからん校長に言われたからって俺をお前の家に住まわせてもらってるしな。ほかにもなんか俺にできることがあったら言ってくれ」

「そ、そんな全然気にしてませんよ。このお金は本来なら生徒全員に配布されるものですし、それに校長先生に言われなくても多分私は神山君を家に泊めてたと思いますよ」

「そうか……お前いいやつだな」

 悪いけど俺は見知らぬ人を家に泊める勇気はない。こいつこんな性格で大丈夫なのか?今後が心配になる。同年代の男子と同居するなんてもっと警戒してほしい。

「そんなことないですよ。困ってる人がいたら助けるのが普通です……」

 彼女はまるで自分に言い聞かせるかのよう言った。

「その、さっきできることがあるならって言ってましたよね?一つだけお願いがあるんですけど……」

 顔を少し赤らめながらそんなこと言い始める。

「ああ、って言っても変なことはなしだぞ?」

「変なことかどうか分からないんですけど……そ、その……私のこと名前で呼んでもらえませんか?」

「名前か?えっと、確か……森里だったよな?森里って呼べばいいのか?」

「え、えええと、その名前はまだ恥ずかしいので苗字でお願いします」

 俺が名前を呼んだ瞬間、彼女の顔がかぁーっと顔が赤く染まる。

「ごめんなさい、無理なお願いしてしまって。私『お前』って言われるの少し嫌なんですよ……」

 年頃の女の子だ。こいつにもいろいろ思うことがあるのだろう。

「悪いな、全く気が付かなかった。親しいやつにはこんな感じでいつも話してるんだ。これからは気を付けるよ」

 自分でそう言ってて空しくなってくる。親しい友達なんてそんなにいない。むしろ一人しかいなかったせいで他人を名前で呼ぶのを避けてしまうのかもしれない。

「親しい……い、いえ、これは私のわがままですから気にしないでください」

 少し照れながら雛井がそう言った。

「そんなことより早く朝飯食べようぜ」

「そうですね。せっかくの料理が冷めてしまったら台無しですよね。その改めてこれからよろしくお願いします。神山君」

「よろしくな、雛井」

 こうして俺と雛井森里の同居生活が始まった。

文章書くのは苦手なので変な文章などあったら教えてほしいです。あとは感想などありましたらぜひよろしくお願いします!

最初の方はたくさん書いてこうと思っているのでお願いします!

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