ボイス
会社帰りの優香は聖也と待ち合わせの場所に向かう。今日は「付き合って五周年記念」のディナーの予定だ。途中、電話が入る。声は聞こえない。場所変更のメールだけ入るが、そこで優香は聖也からのサプライズの指輪を見つけ、5年の月日を思い出す。
喧嘩をしたことも、離れていた半年の期間もあったのだが聖也といると、惜しげもなく何でも話してくれて、もらったものは何か、恐竜の卵みたいだった。この人は傷つける声を持ってない生き物なんだな、と思った。体から湧き出るものが全て羊水で包まれているような。この人といたら私は傷つくことがないだろうと思えた。優しく静かに愛を育んでいく二人だったが…
喧嘩をしたことも、離れていた半年の期間もあったのだが聖也といると、惜しげもなく何でも話してくれて、もらったものは何か、恐竜の卵みたいだった。この人は傷つける声を持ってない生き物なんだな、と思った。体から湧き出るものが全て羊水で包まれているような。この人といたら私は傷つくことがないだろうと思えた。優しく静かに愛を育んでいく二人だったが…