第69話
京の町中-
中條が一人で歩いている。
中條「山野先輩が言ってたお店はここだな?」
中條、とある店へ入っていく。
店の主人「おこしやす。」
中條「こんにちわ。」
店の主人「お侍はん、お一人どすか?」
中條、顔を赤くする。
中條「ええ。…ちょっと贈り物を…」
店の主人「へえ、贈り物どすか。よろしいなぁ。どうぞ、よう選んでおくれやす」
中條「ありがとう。でも、私はこういうのはよくわからなくて…」
店の主人「相手はんは、どんな感じの人どすか?」
中條「…清楚な感じで…芯の強い感じかな…」
店の主人「…それどしたら、こういうのはどうですやろ?」
店の主人、箱の一つを中條に渡す。
中條、箱を開けて、少し顔に近づける。
中條「……」
店の主人「?…気に入りまへんか?」
中條「いいんですが…ちょっと違うような。」
店の主人、ふむ…と考えて、違う箱を渡す。
店の主人「これはどうどす?」
中條、受け取って、箱を開き顔に近づける。やがてにっこりと微笑む。
中條「ああ、素敵ですね。あの人に合うような気がする…」
店の主人、にこにこする。
中條「これにします。」
中條、代金を払って、嬉しそうに店を出て行く。
中條(…気に入ってもらえるかなぁ。…どう言って渡そうかなぁ…)
暮六つが近づいている。




