ソノ頃ノ暗躍者達
エンが男性と村へと行った時
彼の育ての親達は……
??「エン、遅いわねぇ…」
そう呟いた女性……彼女はシラノ。エンの母親……である。
??「心配はいらないだろう」
それに返した男性…彼はセガン。エンの父親……である。
シラノ「そう言っても……もしも真実を知ったらどうするんです?」
セガン「その時は……決まっているだろう?」
手にした暗器を見せながら言うと、シラノは黙って俯いた。
セガン「何…心配ないさ。エンが本当の子供では無いと言う事など、知る場所も無いだろうからな。」
そうして、静かに笑った。
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同時刻…廊下。
そこには、息を殺した青年が一人。
彼はフィク。エンの兄……である。
フィク「…嘘だろ…アイツが本当の家族じゃ無いって……」
茫然としたまま、部屋へと向かって行った。
そして、部屋にある写真を眺めた。
木のぼりで怒られた写真……釣りをして大物が釣れた時の写真……。
どれも大切な思い出で…否定してはいけない思い出。
もしもエンが家族でない、と認めたら……この思い出も否定する事になる。
フィク「エン……早く、帰って来い。」
小さく祈りを込めて、フィクはエンの名前を呼んだ。
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エン「……それで…貴方は……」
困惑しつつ、エンが男性に訪ねた。
すると、男性は困った様に笑いながら言った。
??「私は……ヤゼン。エン、貴方の父親です。」
それで普通に固まった。
そして…少しだけ言った。
エン「……安心した……悪いヒトでは無いみたいだ…。」
ヤゼン「私が悪いヒトだったらここまで泣きませんよ;;」
そして…歩き出した。
エンも付いて行く。
村の中へと……。
五人が胸に抱えた思い。
それは吐き出せば消えてしまいそうで……




