封ズル鎖/最後ノ一音
とある人達だけが使える封印。
間に合う筈の鎖。
間に合わなかったら何がある?
間に合ったら何になる?
詠う天使は空へと飛ぶ。
大切な事を詠いながら――――――空へ。
その時、地面から鎖が伸びた。
それは素早く………エンの腕へと巻き付いた。
地面に引きずり下ろすのと一緒に別の鎖が足をとらえる。
そしてそのまま、グルグルと巻きついていく。
足元が殆ど見えなくなった時、あの大臣達が姿を現した。
大臣1「やっと見つけたぞ…」
大臣3「ま………ったく……動きまわ…り……おって……」
大臣4「息を整えてから発言せよ;;」
大臣5「これで終わりだ」
大臣2「残念だな?」
大臣6「……待て……周りの様子が……?」
天使は嗤っている。
呪詛が完成したから。
呪歌を歌い終わったから。
そして――崩壊は始まった。
地面が割れ
空が陰り
植物は萎れ
水は蒸発し
山は失せた
それに便乗するかの様に――――――――空間が裂けた。
エンの体の鎖はいつの間にか消えていて…エンはそのまま、空間の裂け目へと吸い込まれていった。
大臣5「しまっ―――――――」
大臣の言葉は最後まで聞こえずに
惑星はその日
宇宙から消えた。
星が消えて
天使が消えて
どうなるの?
どうなるの?




