なのかごのあくむ
ろうごくではせいねんがねむっていました
もうなのかかんもねむっています
このままめざめないのかな
それともめざめるのかな
薄暗く、もっとも深い牢獄で…青年は眠っていた。
眠って眠って眠って眠って眠って眠って眠って…もう一週間が過ぎた。
その間も、地上では戦いがあった。
そう、エンをとらえてから、同盟はすぐに無くなったのだ。
だから、再び戦火が燃えた。
どんどん傷つき、中には帰ってこなくなる者も。
それでも、悲痛な叫びを怒りへと変え、戦は続く。
それらの声はエンには届かない。
…牢屋は滅多に人が来ない。
だからだろうか?
闇が一層と深くなったのに、気付く者がいなかったのは。
約六日ぶりに、その看守は牢獄を訪れた。
そして、エンが起きている事に気付いた。
看守「オイ、起きたみたいだな。」
エン「………………」
言葉は発さなかった。
看守はまだ喋った。
看守「上ではまだ、戦戦……終わる気配すらないよ。」
エン「……サ……」
看守は気付かない。
看守「全く…お前さんも大変な時に捕まったよな?」
笑いながらエンの方を見た看守の、笑顔が引きつった。
エンがいた場所には、ただの黒い球体があるだけだった。
看守は近づいて
消えた。
そして、黒い球体から 悪夢が飛び出した。
所変わって…地上。
戦の続く、荒れた地が…突如揺れた。
そして、地面が割れる。
現れたのは………漆黒の衣装に身を包んだ、誰か。
“彼”は笑いながら…謳った。
それは遠い昔…“賢者”と呼ばれた男しか知らなかった歌。
その歌と同時に
生徒達が、ゆっくりと倒れ始めた。
“賢者”とは誰なのか
謳った歌は何なのか
そして、漆黒の衣装に身を包む男は誰なのか




