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怒りに羽ばたく紅蓮王/我を忘れた狩猟王

ほのおがもえて


はねがみえた


        さっかくじゃなかった


ひのなかから とりがでてきた

炎魔法は確かに当たっていた。


だが…何がおかしかったのだろう??


まさか…………翼が見えるなんて。



バサリ……バサリ……。


驚きで静かになった中を、羽ばたきの音だけが支配した。


浮き上がったのは、巨大な鳥。


元は紅蓮色だったのだろう……黒ずんだ体が、炎の中から現れた。


眼の色は漆黒で……透き通っている………のだろうか。


大きさは巨大としか言いようがない。


巨大な身体には…翼が、4翼。


つまり…二対の羽が生えている。


その鳥が……あからさまな敵意を浮かべて、睨みつけていた。


そして……


エン「コ―――――――――――――――――!」


一声、大きく啼いた。


大きく、大きく……まるでその場にいる全員の耳を壊そうとしている様に。


生徒79「グウアアアア!?」


生徒117「み…耳が…っ!」


殆どの全員が耳をふさいだ。


塞いでいない数人は、魔法を詠唱しようとした。


だが、それを放つ前に―――


エン「コゥアアアア!!!」


エンが放った炎によって、消し墨にされてしまった。


生徒95「な、なんて事だ…!!」


生徒88「に、逃げるぞ!」


生徒の一人が言った言葉で、皆は一斉に散り始めた。


エンも後を追おうとしたが、地上の敵はいささか早過ぎた。


だから…


エン「コ―――――――……グオオオオオオン!!」


姿を、変えた。


黒ずんだ紅蓮はこれまた黒ずんだ赤茶色に。


漆黒の瞳は黄色い…肉食獣のそれに。


大きさはやや縮まり…翼は消えた。


口から、大きな牙が覗いた。


そしてそこに………一匹の獣が現れた。


その獣の名は……スミロドン。


別名サーベルタイガーという。


エンはそのまま地を蹴り、すぐさま追いついた。


そして……その長い牙で、急所を貫いた。


生徒189「ウワァァァァ!!」


生徒220「皆、引け!引くんだ!!」


必死の指示も悲鳴の中では届かず………気がついた時には、僅か数名しか残っていなかった。


エン「グオオオオオオオオオオオ!!」


獣は、高らかに吼えた。








スミガとホヅキはその日、結託を結んだ。


これ以上、犠牲を増やさない為に。

紅蓮の王は聖なる炎を持って、悪を焼いた。


狩猟の王は聖なる咆哮を持って、悪の心を正した。



怒りに囚われた今では、どちらも意味がない。

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