親友の死
戦は何もかも破壊しつくす。
どうでも良いモノも。
穏やかな日常も。
……大切な、モノも。
フォウはいつもの様に、狩りに行った。
それを、OPは後ろから付けた。
フォウは気付きつつも、無視して歩き続けた。
そして、また狩る。
昨日と同じ様に。
全くもって違う武器の組み合わせで。
OPは緊張した様に息をひそめていた。
ずっと前方にだけ、気を付けていた。
だからだろうか……。
痛みを、それ程感じなかったのは。
気付いた時には既に、背後に敵がいた。
あの死神はまだ前にいる。
後ろに立っているのは誰なのかは分からなくて……
そのまま、OPは前に倒れた。
フォウは、その時になって、初めて振りむいた。
既に今日は狩りは終わりだった。
そこで、OPの死体を見た。
そして、それを刺した人物も。
…それは……OPと同じチームだった筈の奴だった。
フォウ「何故刺した?味方だろう?」
生徒16「味方?笑わせんな。…それとも、コイツの友達だったとか?」
ソイツは、あざける様に笑って、死体を蹴った。
フォウには…異変が起きていた。
だが、ソイツは気付かない。
生徒16「ハハハハ…不思議だよなぁ?俺が殺してもお前のせいになるってさ。」
クスクスと笑って続ける。
生徒16「俺は味方を沢山殺した!戦争ならどっちだって関係…な……」
揚々と喋っていたその顔が、見る見るうちに青ざめていく。
やっと…異変に気付いた様だった。
だが…遅すぎた。
生徒16「お前…何で……!?!?」
フォウ……いや、元に戻ったエンは……嗤っていた。
エン「 サ ヨ ウ ナ ラ ? 」
そして……刺した。
刺して刺して刺して…刻んで……気付けば、みじんも残っていなかった。
少しの間、ボンヤリとたたずんだ。
周りをジリジリと囲まれて、縛られても、エンはOPを見ていただけだった。
数時間後…エンは柱に巻きつけられていて、周りでは魔法を詠唱していた。
生徒68(!?)「言い残す事は?」
エン「無いよ」
そして――――炎魔法が放たれて………
刹那、紅蓮色だった翼が空に羽ばたいた。
それは天の意思か?
それとも人の意思か?
分からない。
何かが起こる………