第拾玖話 スーパーフラっとサンシャイン
あらすじ:
【和真とオッサンの前に突如として巨大な魔法陣が出現。異次元の魔法使いが現れ、戦闘ではなく「クイズの試練」を課すことに。次々と難問が出題されるが、オッサンの的外れな回答のせいで罰ゲームが発動。空腹のワンちゃん軍団がじわじわと迫り、試練が進むごとに彼らの動きは加速。最後の問題で和真が「円」と正解を叫ぶと、魔法陣が輝き、ワンちゃん軍団の進撃は止まる。そして魔法使いは満足げに微笑み、門を開いた。こうして和真たちは次のステージへと進むことができた】
魔法使いのクイズを乗り越えた和真とオッサン。
彼らの前に広がるのは荘厳な王の謁見の間だった。
漆黒の石造りの壁には荘厳な紋章が刻まれ、天井からは煌めくシャンデリアが輝いている。
中央には立派な玉座が鎮座し、黄金と宝石がふんだんに散りばめられていた。
床には長い赤い絨毯が敷かれ、歩くたびに静かに沈み込む柔らかさを感じる。
しかし、和真の視界の端で、シャンデリアの光が一瞬だけ“逆再生”したように揺れた。
瞬きをすると、何事もなかったかのように輝いている。
「え……、何で……?」
和真は目を疑った。
その玉座の前にいたのは、囚われているはずの姫――
しかし、彼女の隣には、背中に弓と片手剣を背負い、緑色の上下の軽装をし、
緑の頭巾を被った気品のある貴族の青年が立っていた。
鋭くも穏やかな瞳がこちらを見つめ、その整った顔立ちには余裕の笑みが浮かんでいる。
「な、なんで姫が普通にそこにいるの……!?」
戸惑う和真をよそに、オッサンは辺りを見回す。
「こ、これはドッキリ……そうでしょ、姫?」
オッサンが興奮気味に叫ぶ。
しかし姫は静かに微笑みながら答えた。
「私は……囚われていたわけじゃないの」
そして――
衝撃の事実が語られた。
姫はさらわれたのではなく、政略結婚によってこの城へ来ただけだった――!
「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」
「つまり……オッサンとクリマッチョの完全なる勘違いじゃないかぁぁ!!」
和真が頭を抱えて絶望する。
「……あぁぁぁぁぁ!?!?クリマッチョはどこ行ったかなぁ〜!?」
オッサンはそう白々しく呟き、そっと後ずさる。
そのとき、オッサンの影が“和真の影と重なるように”揺れた。
和真が見直すと、影は元通りだった。
しかし――
和真の怒りの矛先はオッサンへと向き、場の空気が一気に険しくなる。
「ち、違うんだ!オレは悪くねぇ!クリマッチョが言い出したことだぁぁ!!」
もはや騒然となる謁見の間。
そんな中、姫はゆっくりと歩み寄り、和真の前で静かに口を開いた。
「……和真、話があるわ」
彼女の瞳はどこか揺れていた。
「……何か、僕には言えない秘密があるの?」
和真の問いかけに、姫は少し躊躇いながら答える。
「ええ……でも、それを話すには……あなたと彼に決めてもらわなきゃならないことがあるの」
そう言って、姫は条件を提示する。
「あなたと貴族の彼(子爵の青年)が対決をするの」
「えっ?」
「……ゲームで勝負をして、もしあなたが負けたら、私は彼のお願いをひとつ聞く。
でも、もしあなた(和真)が勝てたら、あなたのお願いをひとつ聞くわ」
和真は眉をひそめた。
「ゲーム……?その勝負って何のゲームで決めるの?」
姫は微笑みながら答える。
「まずは太鼓で勝負。それが終わったら、ラジオ体操で決着をつけるわ」
「いや、何その謎ルール!?!?」
和真が困惑して叫ぶが、貴族の青年は余裕の笑みを浮かべながら太鼓をセットする。
「太鼓のリズムに合わせ、魂の鼓動を刻めばいい。簡単なことだろ?」
「簡単じゃねぇよ!!」
こうして、謎のゲーム対決が始まる――
その瞬間、オッサンがぽつりと呟いた。
「……和真くん……また“選ばされる”んだな……」
自分でも何を言ったのか分からないように、すぐに首を振った。




