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第2話 現在編パート1 合コン その2

翌日。午後、五時の駅前にて。

「で、結局、来るのかよ」

「いやだって、飲食代、全部奢るって言われたらなぁ…」

最近、節約の連続でろくな物を食べていなかった。

飲食代を全部奢ると言われたら、そりゃ来てしまう。

「飯目当てかよ!」

「ちなみに俺は面食いだ」

「誰が上手いこと言えって言ったんだよ! はぁ…それ、女の子達の前では言うなよ。合コン来て、飲み食いするのだけが目当てです……なんて言ったら、その場の空気、冷めまくりだから」

「それくらいは俺でも分かる。お前は俺のこと、なんだと思ってんだよ」

「童貞」

「それは事実だ。潔く認めよう。しかし…」

「しかし?」

「童貞も守れない男に、将来、お嫁さんを守ることなどできない!!」

「開き直るな!」

「未婚男性って年々、増えてるんだぞ? だから、昨今の世の中、俺みたいな童貞も、昔ほど馬鹿にされなくなってきてるだろ」

「だから、開き直るなよ! 奏人、今から、合コンに行くんだぞ? そんな最初から逃げ腰でどうすんだよ…」

額に手を当てて、呆れたようにしている亮。

「まぁ…俺も男だ。何も本当に飲み食いだけを目当てに来たわけじゃない」

「えっ…まじで?」

「あぁ……とりあえず、ヤレそうだったら、お持ち帰りしようかと」

「お前やっぱり童貞、気にしてたんじゃないかっ!? しかも、ヤリ目とか、最低」

「もちろん冗談だ」

「お前の冗談、本気なのか、噓なのか分かりにくいわ!?」

「考えれば分かるだろ? 俺が自ら、グイグイ押して、女の子をお持ち帰りできる人間だと思うか?」

「いや、思わないな」

即答されたはされたで、ちょっとイラっとくるのはなぜだろう。

「俺は、ハイパー奥手だ。だから、向こうから来ない限り、一生、何も起こらない。つまり、安全な男というわけだ」

「それ、自分は何もせずに楽して恋愛したいって言ってるように聞こえるんだけど」

「……………楽したいとは思ってない」

「最初の間が全てを物語っているんだが!?」

「まぁ、いいや…とにかく行こうぜ」

「おう」

「あっ、くれぐれも変な下ネタとかやめろよ?」

「あははっ、んなことするわけねぇだろ」

「だよな。すまん、変な勘違いして。流石の奏人でも初対面の女性相手には、変なこと言わないよな」

うん、ごめん。

最初の挨拶で好きなおっぱいの形について言おうと思ってた…なんて今さら言えない。

この話は、亮のためにやめておこう。


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